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自己推薦入試とは?他入試との違いや対策ポイントを解説

自己推薦入試とは?他入試との違いや対策ポイントを解説

「自己推薦とは何なのか知りたい」

「他の推薦入試と自己推薦との違いがわからない」

「自己推薦入試の対策ポイントが知りたい」

大学受験を意識し始めるにあたり、推薦入試を視野に入れる方も多いのではないでしょうか。

推薦入試といっても、公募推薦や指定校推薦、総合型選抜(旧AO入試)、自己推薦など、種類はさまざまです。

その中でも、本記事では自己推薦入試について以下を解説します。

  • そもそも自己推薦入試とは
  • 自己推薦入試の評価ポイントや選考方法
  • 他の推薦入試との違い
  • 自己推薦入試の対策方法

自己推薦入試の基本情報を押さえ、入試対策を万全にしておきましょう。

自己推薦入試とは?評価ポイントや選考方法

自己推薦入試とは?評価ポイントや選考方法

まずは、自己推薦入試の基本知識を押さえておきましょう。

  • そもそも自己推薦入試とは
  • 受験資格
  • 入試のスケジュール
  • 評価ポイント
  • 選考方法

これらについて解説します。

自己推薦入試は自分を推薦する入試方式!高校からの推薦は不要

自己推薦入試とは、その名のとおり、自分で自分を推薦する入試方式です。高校からの推薦は不要で、大学が定める出願条件を満たせば誰でも受験することができます。

自己推薦入試では、志望理由書の作成や自己PRを通じて、自分の強みや特性を大学にアピールする必要があります。自分の経験や学びを深く掘り下げ、大学での学びにどのように活かすかを具体的に示すことが大切です。

また、自己推薦入試は総合型選抜の一種にあたります。大学側が総合型選抜につけている呼び名の1つに過ぎないため、募集要項を見る際は注意しましょう。

自己推薦入試の受験資格

前述したとおり、自己推薦入試は他の推薦入試とは異なり、学校長からの推薦が不要です。

受験資格を得るために満たす必要があるものは、主に以下の3つです。

  • 評定平均
  • 出席日数
  • 特定の資格や高校での取り組み

それぞれ具体的に解説します。

①評定平均
評定平均は、高校での各教科の成績を基に算出される「成績の平均値」です。全科目の成績(5段階評価)を足して科目数で割ることで算出し、高校1年生から3年生の1学期までの成績が対象となります。

ただし、出願条件に評定平均の基準を設けていない大学もあるため、志望校の基準を先に調べておきましょう。たとえば、早稲田大学社会科学部の評定平均に関する出願基準は以下のとおりです。

1年1学期(または前期)から3年1学期(または前期)までの全体の評定平均値が4.0以上の者

参照:全国自己推薦 入学試験 

この場合、4.0以上の評定平均がないと出願できないため、普段の授業や定期テストで良い成績を収める必要があります。

評定平均についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

②出席日数
高校を欠席した日数が多いと、自己推薦入試に出願できない場合があります。たとえば、早稲田大学社会科学部の欠席日数に関する出願基準は以下のとおりです。

1年1学期(または前期)から3年1学期(または前期)までの調査書記載の欠席日数が45日以内の者

参照:全国自己推薦 入学試験 

出席日数は、高校生活をしっかり送っているかを判断する指標として用いられます。日々、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

③特定の資格や高校での取り組み

大学によっては評定平均や出席日数以外の出願条件が定められている場合があります。これは、受験生の個性や能力がわかる客観的な情報を求めていることが理由です。

たとえば、早稲田大学社会科学部の出願条件は以下のとおりです。

◇学芸系またはスポーツ系クラブなどに所属し、都道府県以上の大会・コンク-ル・展覧会などにおいて優秀な成績を収めた者
◇生徒会活動においてめざましい活躍をした者
◇資格(語学検定や財務・会計資格など)を有する者
◇その他、学校外での諸活動(クラブ活動・ボランティア活動など)においてめざましい活躍をした者

参照:全国自己推薦 入学試験 

特に、語学系の学部の自己推薦入試の場合、英検®やTOEICといった資格について、一定以上の級やスコアが必須となる場合があります。

大学や学部によって条件がさまざまなため、志望校の条件を確認しておきましょう。

自己推薦入試の倍率はどれくらい?

以下は、いくつかの大学の倍率を抜粋した表です。

大学名自己推薦入試の倍率
青山学院大学1.8倍
駒澤大学(総合評価型)2.4倍
駒澤大学(特性評価型)1.5倍
参照:青山学院大学2024年推薦入試結果
   駒澤大学 前年度(2024年度)入学者選抜データ

自己推薦入試の倍率は、大学や学部、学科によって異なります。志望校の倍率を確認しておきましょう。

自己推薦入試のスケジュール

自己推薦入試の流れと一般的なスケジュールは以下のとおりです。ただし、大学によって実施時期や内容が異なるため、詳しくは志望校の公式サイトを確認しましょう。

①募集要項の公開(6月〜8月)
大学の公式サイトやパンフレットで、募集要項や選抜方法が公表されます。出願条件や提出書類、選抜内容(面接や小論文など)を確認しましょう。

②出願準備・書類作成(夏休み~9月)
志望理由書や自己推薦書、活動報告書などを作成します。高校の教師や保護者に相談し、アドバイスなどをもらいながら作成すると良いでしょう。

③出願受付(9月〜10月)
作成した出願書類を期限内に提出します。大学によってはオンライン出願も可能です。書類に不備がないよう注意を払い、締切に余裕を持って確認・準備しましょう。

④試験日(10月〜11月)
面接や小論文、実技試験が行われる場合もあります。自己推薦入試では受験生の個性や活動実績が重視されるため、事前準備をしっかり行いましょう。

⑤合格発表(11月〜)
合否が発表されます。受験番号などを用いてオンラインで確認できる場合が多いです。

⑥入学手続き(12月〜2月)
合格した場合、指定された期間内に入学手続きを行います。授業料や入学金の支払いもこの期間に行います。

自己推薦入試は併願できる?

自己推薦入試では併願が認められる傾向にあるものの、大学によっては専願制を採用している場合もあります。志望校の自己推薦入試がどのタイプなのか、事前に確認しましょう。

また、一般的に各大学の推薦入試は近い時期に実施されるため、併願の場合、入試日程が被ってしまう可能性があります。

募集要項が公表されたら、志望校の試験日や合格発表日などのスケジュールを最初に確認しましょう。

自己推薦入試で評価されるポイント

自己推薦入試で評価される主なポイントは「今まで何をしてきたか、どのような実績があるのか」という部分です。

自己推薦入試は、勉学に励みつつも、その他のことにも打ち込んできた人物を求めるものです。つまり、学業の成績だけでなく、課外活動やボランティア、部活動など、学校生活全般における積極性やリーダーシップが重視されるのです。これまでの経験が志望校でどう活かせるかを伝えましょう。

また、大学の理念や特色と自分の価値観が一致している点を述べることも重要です。「この大学で学びたい」「この大学で自分の経験を活かしたい」といった強い思いを明確に伝えることが、自己推薦入試で合格を勝ち取る大きなポイントになるでしょう。

そのためにはまず、志望校や志望学部のカリキュラム、ゼミの研究テーマなどを詳しく調査してみてください。自分の目指す将来像とどう結びついているかを明確に示すことで、入学にふさわしい人物だとアピールできます。

自己推薦入試の選考方法

受験生の人間性に重きを置くため、自己推薦入試では、大学によってさまざまな選考方法があります。自己推薦入試では、主に以下の選考方法を組み合わせて評価します。

①書類審査
志望理由書や自己推薦書、調査書などを基に、志望動機・学業成績・課外活動の実績を評価します。

②面接
個別またはグループ面接で、志望理由の明確さや将来の目標、自分の考えを論理的に表現する力、学校への適性などを確認します。

③小論文・プレゼンテーション
与えられたテーマに対し、考えを整理し論述する力や表現力を確認します。

④実技試験(専門学部の場合)
芸術や体育系学部などでは、実技パフォーマンスを通して専門分野の能力を評価します。

これら各選考の結果を総合的に判断し、合否が決定されます。ただし、実際の選考方法は大学や学部によって異なるため、志望校の選考内容を確認しておきましょう。

自己推薦入試と他推薦入試の違い

自己推薦入試と他推薦入試の違い

自己推薦入試と他の推薦入試は、何が違うのでしょうか。

  • 公募推薦入試との違い
  • 指定校推薦入試との違い

これらについて解説します。

自己推薦入試と公募推薦入試

自己推薦入試と公募推薦入試の大きな違いは、高校からの推薦書が必要かどうかです。

高校からの推薦書なしで出願できる自己推薦入試に対し、公募推薦入試は在籍高校の学校長からの推薦書を大学に提出する必要があります。

高校の成績や出欠状況、生活態度などを基準に、志望校に適した人物かどうかを高校側が評価し、問題なければ推薦してもらえるのです。

また、公募推薦入試は、大学が各高校に対して推薦可能人数を指定している場合があり、優秀な生徒から順に枠を埋めていく高校もあります。そのため、公募推薦入試を目指す場合は、普段から真面目に高校生活を送ることが大切です。

公募推薦についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

自己推薦入試と指定校推薦入試

自己推薦入試と指定校推薦入試の大きな違いは、以下の2点です。

  • 高校からの推薦書が必要かどうか
  • 指定校推薦は専願制が多く、出願人数が決まっている

高校からの推薦書に関しては、公募推薦入試と同様に必要です。

指定校推薦入試は、大学から指定を受けた高校が、事前に定めた基準に基づいて生徒を推薦する入試方式です。高校と大学の信頼関係が強い点が特徴で、どのような大学の指定校推薦枠を持っているかは高校によって異なります

大学が高校を信頼して指定校推薦枠を提供しているため、基本的には専願制で、出願できる人数も決まっています。出願条件として評定平均などの基準が定められている場合が多いのも指定校推薦の特徴です。

指定校推薦についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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自己推薦入試の合格に向けてやるべきことは?対策ポイントを解説

自己推薦入試の合格に向けてやるべきことは?対策ポイントを解説

自己推薦入試での合格に向けて、以下の評価基準ごとにポイントを紹介します。

  • 評定平均
  • 自己推薦書
  • 面接
  • 小論文

確実に押さえ、入試本番に挑みましょう。

評定平均|課題提出と定期テストを確実に

評定平均は出願条件に含まれていることが多いため、早い段階から意識して日頃の授業や定期テストに取り組むことが大切です。

評定平均は1年生の1学期から3年生の1学期までの成績を対象に算出されるため、対策は早ければ早いほどよいでしょう。

具体的には以下のポイントを意識しましょう。

  • 授業参加:積極的に発言し、授業に参加することで教師からの印象を良くする
  • 課題の提出:質の高い内容に仕上げ、提出期限を守る
  • 授業の復習:定期的に復習し、学習内容を定着させる
  • 定期テスト対策:授業ノートや問題集でテスト対策を行い、得点を上げる
  • 教師とのコミュニケーション:質問や相談を通じて教師との関係を築き、評価を向上させる

上記の中でも、特に課題提出と定期テストの点数が評定に直結する場合が多いです。課題の出し忘れや、基礎・基本の抜け落ちがないよう、こまめにチェックするようにしましょう。

評定平均や内申点について、詳しくは以下の記事で紹介しています。

資格取得・課外活動にも積極的に取り組むと◎

自己推薦入試の出願条件には、資格の取得状況や課外活動の成果が含まれる場合もあります。

志望校がまだ決まっていない場合でも、資格取得の機会があれば挑戦したり、選択制の課外活動に積極的に取り組んだりしておくと、出願先の幅が広がるかもしれません。

自己推薦書|自分の実績と熱意を全力でアピール

自己推薦書は、今まで自分が何を頑張ってきたかを思う存分アピールできる絶好のチャンスです。自己推薦入試においては、自己推薦書が合格を左右するといっても過言ではありません。

以下のポイントを押さえ、効果的な自己推薦書を作成しましょう。

①明確な志望理由
なぜその大学を選んだのか、また、学びたいことや将来の目標を具体的に述べましょう。大学の特色やカリキュラムに触れ、自分の生き方や価値観と合致させる方向で書くと、熱意も乗せやすくなります。

②自己PR
自分の強みや特長を具体的なエピソードを交えてアピールしましょう。学業成績だけでなく、部活動やボランティア経験、資格取得も評価されます。

③成果や実績
過去の成果や実績を数字や具体例で示すと説得力が増します。たとえば、コンテストでの受賞歴や活動での役割などが挙げられます。

熱意
その大学に入学したい熱意や、入学後の意気込みを表現することが非常に大切です。将来に対するビジョンを語りつつ、自己成長への意欲を示すことで、志望校に「この学生に来てもらいたい」と思ってもらいましょう。

アドミッションポリシー
大学側は、大学や学部の「求める学生像」に適した学生を求めています。アドミッションポリシーを理解し、志望理由や自己PRを通して自分が適していることをアピールしましょう。

自己推薦入試における自己推薦書は、志望校への重要なアピールツールです。自分の能力や実績、熱意を全力で伝えましょう。

面接対策|自分の実績と熱意を直接伝える

自己推薦入試では、2次試験で面接を課されることがあります。面接は、自身の実績や熱意を直接伝えられる貴重な場です。

以下のポイントを押さえて、面接官に好印象を残しましょう。

①志望理由と自己PRを明確にする
面接は自分の能力や実績を伝えるチャンスですが、自己推薦書との矛盾がないようにくれぐれも注意しましょう。自己推薦書と同じ内容を伝えても問題ありません。

②模擬面接をする
高校や塾の教師や友達、家族などの協力を得て模擬面接を行い、質問への答え方や話し方を練習します。練習後はそれぞれからフィードバックを受けて改善しましょう。

③一般的な質問への対策
「自己紹介」「趣味」「将来の目標」などの一般的な質問にも対応できるよう、あらかじめ答えを考えておきましょう。

④姿勢とマナー
面接時の姿勢やマナーも重要です。目を見て話す、背筋を伸ばすなど、礼儀正しい態度を心がけることで、面接官に好印象を与えることができます。

小論文|過去問で傾向をつかみ、徹底的に練習

自己推薦入試を含む推薦入試の小論文は、大学や学部によって出題傾向が異なります。同じ小論文であっても、自由作文のような形式の場合もあれば、資料の読み取りや分析を重点的に書かせる形式の場合もあります。

そのため、まずは過去問で志望校の出題傾向をつかみ、類題に取り組んでみましょう。

また、「人に伝わりやすい文章」を書くには、第三者の目線で添削してもらうのが近道です。練習の小論文を書き終えたら、高校の教師や塾の講師に添削してもらい、フィードバックを受けましょう

小論文の詳しい書き方については、以下の記事で紹介しています。

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まとめ

まとめ

本記事では、自己推薦入試について、評価ポイントや選考方法、他の推薦入試との違い、対策方法を紹介しました。

自己推薦入試の基本知識として、以下の4つを押さえておきましょう。

  • 自己推薦入試は自分を推薦する入試方式で、高校からの推薦は不要
  • 受験資格を得るためには、評定平均や出席日数、資格や取り組みなどに対する基準を満たす必要がある
  • 自己推薦入試では「今まで何をしてきたか、どのような実績があるのか」が主に評価される
  • 選考に学力審査を設けていない大学が多く、書類審査や面接、小論文・プレゼンテーションなどで受験生の人間性を評価する

さらに、自己推薦入試の合格に向けてやるべきことは以下の4つです。

  • 課題提出と定期テストを確実に取り組み評定平均を上げる
  • 自分の実績と熱意を全力でアピールできる自己推薦書を作成する
  • 自分の実績と熱意を十分に伝えらえるよう面接対策を行う
  • 小論文は過去問で傾向をつかみ、徹底的に練習する

今までの頑張りや取り組み、資格をアピールして認められれば志望校への入学が叶う自己推薦入試。

本記事で紹介した内容をもとに入試対策を万全にして、志望校合格を目指しましょう。