少人数で授業を受ける個別指導塾は、子どものペースや得意不得意に合わせたきめ細かな指導が魅力です。
しかし、個別指導塾で丁寧な指導を受けていてもなかなか成績が上がらない子どももいます。
本記事では、個別指導塾で成績が上がらない理由とその対策について解説
します。子どもの状況に合わせて対処する参考にしてください。
個別指導塾で成績が上がらない10の原因
個別指導塾で成績が上がらない原因はさまざまですが、主に考えられるのは以下の10点です。
- 授業のレベルが高すぎる・低すぎる
- 個別指導の形式そのものが合わない
- 教師との相性が悪い
- 授業に集中できていない・モチベーションが低い
- 塾以外での自主学習時間が不足している
- 授業の単元が合っていない
- 教師・授業の質が低い
- 合わない個別指導サービスを選んでいる
- 長期的な学習スケジュールが存在していない
- 授業時間が足りていない
1つずつ解説しますので、子どもに当てはまる原因がないか確認してみてください。
1. 授業のレベルが高すぎる・低すぎる
個別指導塾とはいえ進め方や指導方法が生徒に合っていないと、子どもの成績は伸びにくいです。
子どもが「授業が簡単すぎる」「難しかった」とばかり言っている場合や、親が授業を見学して子どもとレベルが合っていないと感じる場合は、授業のレベルを調整してもらう必要
があります。教師か塾に相談してみてください。
2. 個別指導の形式そのものが合わない
個別指導塾はマンツーマン、または少人数制の授業形式であり、子ども一人ひとりに適した授業を受けられます。一方で、教師との距離の近さをマイナスに感じる子どももいます
。
緊張してしまう子どもや、ほかの生徒から刺激を受けながら学習したい子どもは、集団指導のほうが向いている可能性もあります。指導時の物理的な距離感が気になる子どもは、画面越しで教師とコミュニケーションを取るオンライン指導を選ぶのも1つの手段です。
個別指導が合っていないと感じる時は、ほかの形式の塾も検討してみましょう。
3. 教師との相性が悪い
マンツーマン形式で授業を行う個別指導塾は教師と会話する時間が長く、教師との相性が成績に大きく影響します。教師と子どもの相性が悪いと、いつまでも成績が上がらないかもしれません。
ただし、子ども目線で「教師との相性が悪い」と感じても、教師が以下のパターンに当てはまる場合は、成績に好影響をもたらす可能性があります。
- 子どもがわかった「つもり」になっていないか、徹底的に確認してくれる
- テストで間違える問題を何度も出してくれる
- 弱点克服のために時間をかけて対策してくれる
子どものことを考えて教えてくれる教師は、学力を伸ばせる教師です。生徒の学習状況を把握したうえで必要なサポートをおこない、成績向上を目指してくれます。
成績アップのためには「教師」として相性が良い人物かどうかを冷静に判断しましょう。
4. 授業に集中できていない
授業中に寝ていたり、スマートフォンをいじったりするのは言語道断。教師と仲が良すぎて、雑談ばかりになっているのも良い授業とはいえません。
また、個別指導では比較対象になる生徒がいないため、モチベーションが下がりやすい場合があります。
子どもが集中できる環境を作ることが、成績アップへの第一歩です。
5. 塾以外での自主学習時間が不足している
塾に通うと授業時間分の勉強時間は増えますが、それだけで満足していては成績が伸びません。学校や塾で学んだことを定着させるには、自主学習も必要です。
OECD(経済協力開発機構)が実施した生徒の学習到達度調査によると、1週間あたりの平均の自主勉強時間は5.8時間でした。
この勉強時間はあくまで平均値に過ぎませんが、成績を上げるにはある程度の勉強時間を確保する必要があります。
毎日の帰宅後や登校前に復習する時間をつくるなど、知識の定着を目指しましょう。
6. 授業の単元が合っていない
学習内容には理解に適した順番があります。たとえば、二次関数の問題は一次関数が理解できなければ解けないでしょう。
基本的な知識が定着していない場合は、前の単元に戻って学習する必要があります。成績が上がらない時は、授業の進度と子どもの理解度が合っているか確認
してください。
7. 教師・授業の質が低い
成績を上げるには質の高い授業を受けることが近道であり、そのためには教師の質も高くなくてはいけません。
ただ教科書を解説するだけの単調な授業やわかりにくい指導では、せっかく個別指導を受けていても、学習を効率良く進めることが難しくなります。
指導力の高い教師を採用し質の高い授業を実施している塾を選びましょう。
トライのオンライン個別指導塾には厳しい基準をクリアした教師が在籍
トライのオンライン個別指導塾では、教師の採用において学力試験のほか社員との面接を全員に実施しています。厳しい基準をクリアした質の高い教師が全国各地に33万人在籍
。さらに、成績向上に貢献できるよう、教師採用後も研修を行っています。
そのため、自宅にいながら合格実績を持つ一流教師の良質な授業を受けることができます。
参照:《公式》トライのオンライン個別指導塾│授業満足度No.1
志望校出身、東大・京大などの難関大生、合格実績豊富なプロ教師など、日本全国から自分に合う教師を選択できます。先生は専任制で授業を受けられるという強みもあります。
8.合わない個別指導サービスを選んでいる
個別指導塾にはマンツーマン形式のほかに、1対2形式や1対3形式などがあります。それぞれのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット | |
1対1のマンツーマン形式 | ・自分のペースで授業を受けられる ・常に教師が生徒を見ており、理解が足りない部分や苦手な部分を正確に把握できる | ・教師とマンツーマンのため、過度に緊張してしまう場合がある ・料金がやや高め |
1対2形式 | ・指導は個別だが、ほかの生徒も近くにいてほど良い緊張感をもてる | ・質問したいタイミングにペアのもう1人の生徒を教えている場合がある ・実際に指導してもらえる時間は授業時間のおよそ半分 |
1対3形式、1対4形式など | ・生徒同士で教え合ったり、競ったりして刺激を受けられる | ・生徒の人数が増えるほど教師の指導が行き届かなくなり、個別指導のメリットが薄くなる (集団塾に近くなる) |
よりきめ細やかな指導を希望する場合は、やはりマンツーマン形式がおすすめです。
9. 長期的な学習スケジュールが存在していない
多くの個別指導塾では明確な学習計画がありません。個人の進度に合わせた臨機応変な対応を受けられるのは個別指導のメリットですが、学習計画が明確に決まっていないと目標達成までのペース配分を誤る可能性があります。
そのため、入塾時に目的や実力に合わせた長期的な学習計画を立ててくれる個別指導塾を選ぶと良いでしょう。
長期的な目標と併せて、短期的・中期的な目標があると日々の学習を進めやすくなります。
また、学習計画を定期的に見直したり、調整したりすることでより効果的に学習を進められます
。
10. 勉強時間が足りていない
個別指導塾に通っても成績が上がらない場合、勉強時間が足りていない可能性もあります。塾で学んだ内容を理解し定着させるためには、復習する時間も必要です。
自習の時間を決めたり、翌日に授業内の問題をもう一度解いたりするなど、自主学習の時間を確保しましょう。
その上で、必要に応じて授業数を増やすことも検討するのも一つの方法
です。苦手を克服する努力を重ねることが、最終的には成績を上げるための近道となります。
個別指導塾で成績や偏差値が上がらないときの8つの対策・ポイント
成績を上げるためには自分に合った塾や勉強方法を選ぶほか、学習習慣の見直しが重要です。塾を変えたり、コースを変えたりするのも良いでしょう。
個別指導塾で成績や偏差値が上がらない時の対策とポイントは、以下の通りです。
- 転塾を検討する
- 教師交代の相談をする
- コース変更を検討する
- 自主学習・家庭学習の時間を増やす
- 塾の教室長や担当者に相談する
- 塾に通う目標を再確認する
- 学校の授業の受け方を見直す
- 授業時間を増やす
それぞれくわしく解説します。
1. 転塾を検討する
塾にはそれぞれ学習指針や得意な学習スタイルがあり、評判の良い塾であっても子どもの性格や学習スタイルと合わなければ、成績は上がりません。
個別指導塾と言っても、「1対1指導」「1対複数人指導」など教師1人あたりの生徒数が違ったり、「対面指導」「オンライン指導」など指導形式が違ったりします。
また、受験対策を得意としている塾、学校の授業サポートや定期テスト対策を得意としている塾、特定の科目の指導を得意としている塾など特長もさまざまです。
そのため、子どもに合った塾であるかを改めて確認し、必要に応じて転塾することで、子どもの成績が上がる可能性もあるでしょう。
2. 教師交代の相談をする
塾自体に不満はないものの、担当教師と相性が合わない場合もあるでしょう。
教師と相性が合わない場合は、担当教師の交代ができるか相談してみましょう。子どもの成績や学びやすさを第一に考えてくれる塾であれば、快く対応してくれます。
ただし、システム上教師の途中交代ができない塾もあります。また、交代までに時間がかかる時は、ほかの塾に移ったほうが良いかもしれません。
塾や教師が本当に子どものことを第一に考えているか、よく見極めることも大切です。
トライのオンライン個別指導塾では何度でも無料で教師の交代が可能
トライのオンライン個別指導塾では、全国33万人の登録教師から子どもの成績や性格に合った教師に出会えます。授業を受けてみて教師と相性が合わなければ、何度でも無料で教師の交代が可能
です。
参照:《公式》トライのオンライン個別指導塾│授業満足度No.1
トライのオンライン個別指導塾では、一人ひとりに教育プランナーが担任としてつき、定期的な学習面談も実施
しています。教師に直接伝えづらいことも、教育プランナーに気軽に相談できます。
「こんな教師がいい」「授業内容を変更して欲しい」といった要望もお気軽にご相談ください。
3. コース変更を検討する
個別指導塾に複数のコースがある場合は、コース変更もひとつの方法です。なかなか点数が伸びなかった子どもも、授業レベルや指導目的が適したコースに変えることで、より授業に集中できたり、授業の理解度が深まったりするかもしれません。
コースが変われば、時間帯や教師が変わることもあります。これまでと違う学習環境に置かれることで、成績が上がるきっかけになることもあるでしょう。
4. 自主学習・家庭学習の時間を増やす
学力は一朝一夕ではつかず、毎日の繰り返しと積み重ねで少しずつ実力がついていきます。塾や学校だけでは成績が上がらない時は、自主学習や家庭学習の時間を増やしてください。
部活や習い事などで忙しく、まとまった勉強時間がとれない場合は、スキマ時間の活用もおすすめです。塾や学校の休み時間などにノートや単語帳を見直すなど、少しの時間でも定期的に続けるようにしましょう。
また、1日の終わりに学習した範囲の教科書を読み直すことも、復習になりおすすめです。塾がない日も毎日10分だけでも机に向かうことを続けて習慣にしてみてください
。
無理なくできることから試してみましょう。
5. 塾の教室長や担当者に相談する
塾との相性も悪くなく、子どもが努力をしているのに成績が上がらないときには、ほかに隠れた要因があるかもしれません。
教室長など担当教師以外にも相談してみましょう。たくさんの子どもたちを見てきた教室長は、成績が上がらない原因や解決策について熟知しています。
子どもがどこで伸び悩み何につまずいているのか、具体的なアドバイスをもらえるでしょう。
6. 塾に通う目標を再確認する
場合によっては、子どものモチベーション低下が関与している可能性もあります。
無理やり塾に通わされていたり目標もなくただ通塾していたりすると、学力はなかなかつきません。モチベーションを上げるために、勉強する目標を明確にできるよう子どもと再確認してください。
目標は「志望校に合格したい」など大きなものでも、「前回より1点でもテストの点数を上げる」「計算プリントで満点を取る」など 小さなものでも構いません。明確な目標を立てたうえで塾に通えば、自然と勉強のモチベーションも高まるはず
です。
7. 学校の授業の受け方を見直す
学校での授業は1日の学習の大部分を占めるため、この時間にぼーっとしたり居眠りしたりしていては成績が上がりません。
塾に予習目的で通っている状況を除き、基本的には塾の授業は学校における授業の復習
です。「塾でやるから」と学校の授業をおざなりにするようでは本末転倒でしょう。
8. 授業時間を増やす
努力を重ねても成績が伸びない時は、塾での授業時間が不足しているのかもしれません。特に、苦手科目は得意科目の学習より多くの時間を要することがあります。
その時は教室長や教師と相談して、塾の授業を追加するか検討してみるのも良いでしょう。個別指導の時間を増やすだけでなく、集団指導のコースを受けたり苦手科目の強化コースを追加するのも効果的です。
自主学習だけでは、苦手な単元を理解するのに時間がかかってしまうため効率的ではありません。時間効率や深い理解を求める場合は、塾の授業時間を増やすこともおすすめ
です。
個別指導塾と成績に関するよくある質問
塾に子どもを通わせようと思っても疑問や心配なことがあって不安になる方もいるでしょう。特に、個別指導塾は授業のイメージが湧かないこともあるのではないでしょうか。
個別指導塾と子どもの成績について、よくある疑問にお答えします。
Qそもそも塾に行く必要がない子どももいる?
塾での学習がすべての子どもにとって最適であるとは限らず、自宅で学習できるオンライン教材を活用したり、自分で勉強するほうが良い場合もあるでしょう。
以下のような性格・特徴をもつ子どもは、塾での学習が向いていない場合があります。
慣れない場所や雑音の多い環境が苦手
新しい環境に慣れるまで時間がかかるタイプの子どもは、塾では勉強に集中できず、かえって成績が落ちるかもしれません。また、周りの雑音や塾内の環境が合わないと、落ち着いて勉強をすることは困難です。
そうした子どもは自分の部屋や図書館など、自分にとって集中できる場所で勉強したほうが成績も伸びやすい
でしょう。
また、オンライン指導であれば自宅の慣れた環境で学習できるため、集中しやすいことも。オンライン形式の塾や家庭教師も検討してみてはいかがでしょうか。
自分に合った勉強方法が理解できている
自分の学習スタイルが確立している子どもは、ほかのやり方では効果的な学習ができないこともあります。かえって、塾のやり方を押し付けられるとモチベーションが下がる原因にもなりかねません。
適した学習方法は個人によって異なります。1人でもきちんと勉強できる子どもには、塾は必要ないでしょう。
人間関係などがストレスの原因になる
人間関係を築いていくのが苦手な子どもにとっては塾通いが苦痛になる可能性があります。
その場合はオンライン形式の授業がおすすめです。ほかの生徒との接触が少なく人間関係の不安を回避できます
。
塾が遠く通塾に長い時間がかかる
塾自体は好きでも自宅や学校からの距離が遠いと、定期的に通うことが負担になります。
また、体力的に余裕がないときは集中しづらくなります。無理に塾へ通っても、授業内容が頭に入らないようでは意味がありません。
定期的に通うのがつらくなるほど遠い塾に通うくらいであれば、その時間で自主学習をしたほうが有効なケースもあります。オンラインの塾や家庭教師なら通塾の必要がないので、負担を感じにくくなります
。
文部科学省による2021年の「子供の学習費調査」では、学習塾に通っている子どもの割合は、私立の中学校で53.9%、公立で70.4%にのぼっています。
塾に通うことは一般化していますが、塾に通うべきかどうかは子どもの性格や状況によって異なります。入塾を検討する時は、通っている人が多いからという理由ではなく、自分の子どもは通う必要があるかを、子どもと話し合うことが大切です。
Q.個別指導塾における塾選びのポイントは?
子どもに合った塾を選ぶために、まずは子どもとよく話し合い、塾に通う目的や希望の学習スタイルをすり合わせましょう。
塾選びでは、教師が子どもに寄り添う姿勢があるかが大切なポイントです。面倒見の良い塾かどうかを確かめるために、以下の5つをチェックしてみてください。
- 授業のレベルや学習スタイルを子どもに合わせてくれるか
- 宿題管理がちゃんとされているか
- 次週対応や質問対応が丁寧か
- 成績が上がらなかった時、改善に向けた提案をしてくれるか
- 子どもの習得度や性格に合わせて目標へ向けた計画を考えてくれるか
チラシやWebサイトだけではわからないことも多いので、見学や体験授業も受けてみるのがおすすめです。
まとめ
今回お伝えした「個別指導塾で成績が上がらない理由と対策」のポイントは、以下の3つです。
成績が上がらない理由 | 対策 |
授業や教師、塾の方針が子どもと合わない | 転塾や教師の交代を検討する |
子どものモチベーションが低い | 塾に通う目的を明確にする |
復習や授業時間が足りない | 自主学習や塾での勉強時間を増やす |
少人数で細やかな授業が期待できる個別指導塾の利用は、成績を大きく伸ばす手段のひとつ
です。
しかし、すべての生徒に個別指導塾が合うわけではありません。子どもの性格や学習スタイルによっては、ほかの塾や勉強方法を取り入れたほうが成績向上につながる可能性もあります。
個別指導塾に通っても成績が上がらない時は、子どもとよく話し合い、教師や塾の担当者と相談を重ねて、最適な解決方法を探してみましょう。