「高卒認定試験はどれくらい難しいの?」
「高卒認定試験に向けてどのような対策をしたらよい?」
高卒認定試験に合格すると、高校を卒業した人と同程度の学力があると認められ、就職や進学のチャンスを得やすくなります。
とはいえ、高卒認定試験の難易度や対策方法がわからず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、高卒認定試験の難易度や対策のコツ、高卒認定と高卒資格の違いや、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
高卒認定試験について理解を深め、合格の可能性を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
高卒認定試験の難易度は?合格率・合格点を解説
まずは、高卒認定試験の難易度を含め、以下の3点を解説します。
- 高卒認定試験の試験内容・科目
- 高卒認定試験の受験資格・受験時期
- 高卒認定試験の合格率・合格点
高卒認定試験の全体像をつかみ、試験を受けるかどうか検討してみましょう。
高卒認定試験とは?試験内容と科目
高卒認定試験とは、さまざまな事情で高校を卒業できなかった人が「高校卒業者と同程度の学力がある」という認定を受けるための試験です。
高卒認定試験の合格者は大学や短大、専門学校の受験資格を得られるほか、就職活動や国家資格の取得において高卒者と同程度の扱いを受けられます。
高卒認定試験に合格するためには、必修・選択含む以下の8〜9科目の試験をクリアしなければなりません。
参照:試験科目・合格要件・出題範囲(R6.4~):文部科学省
高卒認定試験では、主に受験者の基礎学力が問われます。そのため、試験範囲・レベルは中学1年生から高校1年生までの教科書レベルの内容
が中心です。
高卒認定試験の出題範囲は広めですが、一定の条件を満たすことで該当科目の試験を免除できる「科目免除」を受けることもできます。
高卒認定試験の受験資格・時期は?
高卒認定試験は、満16歳になる年度から受験可能です。しかし、高卒認定試験の合格者として認められるのは、満18歳になる誕生日の翌日からと定められています。
つまり、進学のために高卒認定試験に合格しても、満18歳になる年度までは大学などの入試を受けられない点に注意しましょう。
また、満16歳以上でも、高校卒業者や大検(大学入学資格検定。高卒認定試験の前身。)の合格者はすでに大学入学資格を持っているため、高卒認定試験を受けられません。
高卒認定試験の受験時期は、毎年8月と11月の年2回
です。高卒認定試験の受験回数に上限はないため、8〜9科目を何回かに分けて受験したり、合格できなかった科目の試験を何度も受け直したりできます。
高卒認定試験の合格率・合格点
令和3〜5年度における高卒認定試験の合格率を、下表にまとめました。
年度 | 受験者 | 高卒認定試験合格者 | 合格率 |
令和3年度 | 17,704 | 8,097 | 45.7% |
令和4年度 | 17,154 | 7,961 | 46.4% |
令和5年度 | 16,813 | 7,932 | 47.2% |
参照:令和3年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果について丨文部科学省
参照:令和5年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果について丨文部科学省
一般的に、高卒認定試験における各科目の合格点は100点満点中40〜50点といわれています。また、受験者のうち9割前後が何かしらの科目に合格しています。
しかし、全科目の試験に合格して大学入学資格を手にした人の割合は、全体の40〜50%程度です。
上記の結果から、高卒認定試験では全科目でバランス良く合格点以上を獲得できる学力
が求められていることがわかります。
【結論】高卒認定試験の難易度は高くないが対策が必要
高卒認定試験の出題範囲は、中学1年生〜高校1年生の学習内容が中心であり、試験自体の難易度はそこまで高くありません。
しかし、高卒認定試験の合格率は約40〜50%とやや低めの傾向です。
このことから、高卒認定試験は難易度が高くないからといって勉強を怠ると、全科目の試験に合格するまでに時間を要する可能性があると言えるでしょう。
合格するためには出題傾向や自分の苦手分野を把握
し、日頃からきちんと対策を進めることが大切です。
高卒認定試験に合格する対策のコツ
高卒認定試験に合格する対策のコツとして、以下の4点が挙げられます。
- 過去問を解いて出題傾向を掴む
- 計画的に対策を行う
- バランス良く対策をする
- プロのサポートを受ける
いつまでに合格したいか、どのくらい勉強時間を確保できるかなどを整理し、見通しを持って勉強を進めましょう。
過去問を解いて出題傾向を掴む
高卒認定試験の対策をする際は、まず過去問を解いて出題傾向をつかみましょう。はじめに過去問を確認しておくと、必要な学力レベルや合格に必要な勉強を具体的に把握できます。
また、高卒認定試験は毎年似たような問題が出題される傾向にあるため、過去問を解くことで本番の試験をイメージしやすくなるでしょう。
過去問を解く際は、間違えた問題をチェックし、何度も復習するのがポイントです。なぜ間違えたのか、どのように考えるとよいか
を意識しながら繰り返し復習することで、少しずつ知識が定着していきます。
なお、高卒認定試験の過去問や解答は文部科学省のWebサイトに掲載されています。
ただし、詳しい解説は載っていないため、苦手分野については教科書や市販の参考書を使いながら理解を深めましょう。
参照:高等学校卒業程度認定試験問題(高卒認定試験) 解答・過去問題丨文部科学省
計画的に対策を行う
高卒認定試験では、1回の試験で受ける科目の種類や数を自由に決められます。
そのため、高卒認定試験に臨む際は、「どの科目をいつの試験で受けるのか」を早めに決定し、計画的に対策を進めましょう。
高卒認定試験に向けた計画を立てる際は、いつまでに高卒認定を取得したいのかを最初に決めます。
その後、目標の時期までに実施される高卒認定試験の回数を確認し、受験する科目を割り振りましょう。
どの科目をいつ受験するのかが明確になると、勉強のスケジュールも立てやすくなります
。
バランス良く対策をする
高卒認定試験に合格するためには、得意・不得意にかかわらず、各科目で40〜50点以上を取れるよう、バランス良く対策しましょう。
まず過去問を解き、自分の得意分野と苦手科目を把握すると、バランス良く勉強を進められます。
たとえば過去問に取り組んだ結果、合格点に届かない科目があれば優先的に勉強を進めましょう。間違えた問題を復習したり、教科書や参考書を使って基礎知識を定着させたりすると効果的です。
過去問を解いても点数がなかなか伸びない場合は、苦手科目の受験を最後にして、入念な対策を進める
のも一つの手です。
全科目バランス良く対策を進めることで、高卒認定試験に合格する可能性を高められます。
プロのサポートを受ける
高卒認定試験に合格するためには、バランスの良い配分で計画的に勉強することが大切です。
しかし「高校に進学していない」「勉強が苦手」「学習習慣がない」など、さまざまな事情がある方は、独学での対策が難しいと感じるかもしれません。
そこで、高卒認定試験に対する不安を解消するために、プロのサポートを受けることを検討してみましょう。
学習計画の策定や、勉強法についてのアドバイスをしてもらうことで、学力を着実に伸ばしながら効率良く試験合格を目指せます。
独学と違って、わからないところを質問できたり、試験に対する悩みを聞いてもらえたりする
ため、自信を持って勉強に取り組めるでしょう。
トライ式高等学院ではオーダーメイドの学習プランで「高卒認定」を目指せる
参照:高卒認定からの大学進学コース|通信制高校ならトライ式高等学院
トライ式高等学院とは、通信制高校に通う生徒を学習面・精神面などからサポートする通信制高校サポート校です。
トライ式高等学院では、高卒認定試験の対策に特化した「高卒認定コース」を用意。
一人ひとりの学力や状況に応じたオーダーメイドの学習プランや、マンツーマン授業
などの丁寧なサポートで、毎年多くの合格者を輩出しています。
また、大学受験に向けたサポート体制も万全です。勉強に苦手意識がある場合でも、最短ルートで志望校合格に導きます。
高卒認定と高卒資格の違いとメリット・デメリットは?
高卒認定と似た言葉として挙げられるのが「高卒資格」です。
高卒資格(高等学校卒業資格)とは、全日制・定時制・通信制高校を卒業した事実を示す資格のことです。
高卒認定と高卒資格は混同されがちですが、それぞれの特徴や取得方法、メリット・デメリットは異なります。
高卒認定と高卒資格のどちらを取得するか悩んでいる方は、2つの違いを踏まえつつ、生活スタイルや希望の進路に合わせて判断しましょう。
高卒認定と高卒資格の違い
高卒認定と高卒資格は、以下のように取得期間や取得費用、最終学歴など、さまざまな違いがあります。
高卒認定と高卒資格の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
高卒認定と高卒資格の違いを詳しく理解した上で、どちらを取得するか判断したい方は、ぜひ参考にしてください。
高卒認定のメリット・デメリット
高卒認定のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | ・高校に通わなくても大学入学資格を得られる ・高卒資格に比べ、取得費用を大幅に抑えられる ・早ければ一回の試験で取得できる |
デメリット | ・大学などを卒業しない限り、最終学歴は中卒になる ・十分に対策しなければ独学での取得は難しい |
「働いている」「不登校の経験がある」「体調が不安定」などの理由で高校への通学が難しい場合でも、試験に合格することで大学入学資格を得られるのは大きなメリットです。
受験回数によっては、取得費用や取得期間も抑えることができます。
一方、高卒認定を取得しても最終学歴が中卒のままである点はデメリットです。
就職活動の際に高卒以上を対象とする企業に応募できなかったり、入社後も高卒の人と同じ待遇を受けられなかったりする可能性があります。
また、高卒資格の場合は教師の指導を受けながら卒業を目指せますが、高卒認定試験の場合は独学が基本
となるため、十分に対策しないと取得は難しいでしょう。
「通学は難しいけれど、独学で高卒認定を取れるかわからない」という方は、塾や家庭教師などのサポートを受けることも視野に入れてみてください。
高卒資格のメリット・デメリット
高卒資格のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | ・最終学歴が高卒になる ・高校卒業と同時に資格を取得できる ・大学受験で入試形式の幅を広げられる |
デメリット | ・取得までに3年の高校在籍が必要 ・高卒認定に比べると費用は高め |
高卒資格の大きなメリットは、最終学歴が高卒になることです。就職活動では「高卒以上」が条件の企業に応募できるため、希望の仕事に就ける可能性が高まります。
また、高卒資格を取得するには高校に通う必要があります。高校に在籍していることで学校推薦型選抜の利用ができる点もメリットです。
一方、高卒資格のデメリットは、高卒認定に比べて取得期間や取得費用がかかってしまうことです。高卒資格の取得期間は、全日制高校だと3年、定時制・通信制高校の場合は3〜4年必要になります。
高卒資格の取得費用は学校によって異なりますが、文部科学省の修学支援制度
を利用することで、授業料やその他の費用を抑えられる場合があります。
トライ式高等学院では「高卒認定」と「高卒資格」のどちらも目指せる
参照:高卒認定からの大学進学コース|通信制高校ならトライ式高等学院
トライ式高等学院は通信制高校の卒業をサポートする、通信制高校サポート校です。通信制高校卒業に向けたサポートだけでなく、高卒認定試験の合格に向けたサポートも受けられます。
高卒認定と高卒資格のどちらを選ぶか迷う方は、トライ式高等学院で学習を進めながら、状況に応じて判断するのがおすすめです。
高卒資格の取得を目指す場合は、高校を無事に卒業できるよう学習面・精神面のサポートを行います。
高卒資格から高卒認定に目標を変更
する場合も、柔軟に対応可能です。一人ひとりのご要望に合わせたプランを提案し、理想とする進路の実現を目指します。
高卒認定試験に関するよくある質問
ここからは、高卒認定試験に関するよくある質問とその回答を3つ紹介します。
- Q.高卒認定試験は独学でも合格できる?
- Q.高卒認定試験で科目免除を受けられる条件は?
- Q.高卒認定試験の受験費用・受験場所は?
それぞれ見ていきましょう。
Q.高卒認定試験は独学でも合格できる?
高卒認定試験は、独学での合格も可能です。ただし、最大9科目の試験でそれぞれ合格点以上を獲得するためには、計画的かつバランス良く対策する必要があります。
独学で試験対策をする場合は、いつまでに高卒認定を取得するかという目標を設定し「どの科目を」「いつの試験で」受けるのかを決めましょう。
その後、過去問を解いて出題傾向を把握し、苦手分野を克服しつつ問題演習を繰り返すことで、合格の可能性を高められます。
しかし、中には「勉強が苦手」「学習習慣がない」などの理由で、独学による対策が難しい方もいるでしょう。
モチベーションを維持しながら効率的に合格を目指す場合は、高卒認定試験に強いプロのサポート
を受けることも検討してみてください。
Q.高卒認定試験で科目免除を受けられる条件は?
高卒認定試験で科目免除を受けられる条件や、申請時に必要な書類を下表にまとめました。
科目免除の条件 | 申請時の必要書類 |
高校・高等専門学校で単位を修得した科目がある | 単位修得証明書 |
英検®などの検定(技能審査)に合格している | 合格証明書 |
大検で一部の科目に合格している | 科目合格通知書 |
参照:免除要件丨文部科学省
高卒認定試験で科目免除を受ける方は、あらかじめ在籍校で単位取得証明書の発行を依頼しておきましょう。
科目免除が適用される技能検査は、英検®のほかに「歴史能力検定」「実用数学技能検定」などが挙げられます。
なお、高卒認定試験で科目免除を受ける場合でも、最低1科目は試験を受けて合格する必要がある
ため注意が必要です。
Q.高卒認定試験の受験費用・受験場所は?
高卒認定試験の1回あたりの受験費用は、以下のとおりです。
- 7〜9科目:8,500円
- 4〜6科目:6,500円
- 1〜3科目:4,500円
試験科目を複数回に分けて受験する方は、上記を参考にトータルの受験費用を計算してみましょう。
高卒認定試験の受験場所は、各都道府県に1か所ずつあります。基本的には、本籍地や現住所に関係なく、出願時に好きな受験場所を選べます
。
ただし、出願後に受験場所の変更はできないため、確実に行ける場所を選びましょう。
都道府県別の受験場所については、以下を参考にしてください。
参照:令和6年度第2回高等学校卒業程度認定試験 各都道府県会場案内図及び注意事項:文部科学省
まとめ
今回の記事では、高卒認定試験の難易度や対策のコツ、高卒認定と高卒資格の違いを解説しました。
高卒認定試験の難易度は高くありませんが、合格するためには下記のコツを押さえて十分に対策することが大切です。
- 過去問を解いて出題傾向を掴む
- 計画的に対策を行う
- バランス良く対策をする
- プロのサポートを受ける
もちろん、独学でも高卒認定試験には合格できますが、人によっては自力で対策するのが難しい場合もあるでしょう。
そこで、高卒認定試験の合格に向けて、プロのサポートを受けることをおすすめします。
トライ式高等学院では、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの学習プランや個別指導で試験合格に導きます。学力に不安がある方でも、高卒認定試験に向けて着実に学力を伸ばせるでしょう。
ぜひ本記事を参考に、進路実現に向けて高卒認定試験に挑戦してみてください。