高校受験を意識し始めるタイミングで、以下のような不安を持つ方もいるのではないでしょうか。
「高校受験ってどのようなスケジュールで動くんだろう」
「どれくらいの時期から受験勉強を始めたらいいんだろう」
そこで今回の記事では、高校受験のスケジュールや具体的な対策方法について解説します。
本記事を読めば高校受験までのスケジュールが把握でき、受験に向けての勉強方法も理解できるでしょう。
これから高校受験に向けて準備を始める方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
高校受験の実施時期はいつ?事前の情報確認が大事!
高校受験とひと言でいっても、入試形式や実施時期はさまざまです。
ここでは、高校受験の入試日程の日程を左右する3つの要素について解説します。
- 入試形式(一般入試・推薦入試)
- 私立・公立
- 住んでいる地域
高校受験のスケジュールを立てる際は、上記のポイントを踏まえて検討しましょう。
入試形式(一般入試・推薦入試)
高校入試には大きく分けて一般入試と推薦入試の2種類があります。
地域や学校によって異なるものの、一般入試よりも推薦入試の方が早い日程で行われます。
一般入試は、学力検査の点数が大きく合否に影響する入試形式です。学校によっては学力検査以外にも、書類審査や面接、内申点なども合否判定に用いられます。
特に公立高校の一般入試では、内申点も主な評価対象となります。
推薦入試は、中学校の校長から推薦され、かつ出願校が設けた条件を満たすことで受験できる入試形式です。学力検査は行われないことも多く、書類審査や面接で合否が決まります。
特に内申点は、推薦入試においては非常に重要な要素の1つです。学校によっては、指定された内申点を満たしていない場合は出願資格を得られないこともあります。
日頃からの学校生活への取り組みや定期テスト対策が大切
だと言えるでしょう。
推薦入試の種類
推薦入試には2種類あり、選考基準や試験内容が異なります。
- 学校推薦型
- 自己推薦型
学校推薦は、学校長の推薦をもらって出願
するものです。推薦をもらうには中学校内の推薦基準に達している必要があるため、希望しても校内選抜されなければ出願できません。
また、高校から提示されている推薦基準を満たす必要もあります。
自己推薦は学校によって「特色選抜」「特別推薦」などさまざまな形式で実施されています。基本的に学校長の推薦が不要で、希望すれば誰でも出願できるものです。
学校推薦の場合は中学校が推薦書を発行しますが、自己推薦は自分で志願理由書や自己PR書を作成します。
学校によって合格者数の割合は異なりますが、東京都立高校の場合は推薦入試が定員の20%程度、一般入試が定員の80%程度です。
私立・公立
一般的に、私立の方が公立よりも早い時期に入試が実施されます。
入試スケジュールの傾向は以下のとおりです。
1月中旬~ | 私立/推薦入試 |
1月下旬~2月中旬 | 私立/一般入試 |
2月上旬~ | 公立/推薦入試 |
2月中旬~3月上旬 | 公立/一般入試 |
公立高校の試験実施日は都道府県ごとに決められている一方、私立高校は学校ごとに入試日程が定められています。志望校の日程は早めに確認
しておくことをおすすめします。
推薦入試を希望する場合は、入試科目や合格者の割合を確認しておきましょう。
住んでいる地域
高校入試の日程は、地域によっても異なります。
公立高校の場合、各都道府県で日程が定められているため、住んでいる地域の入試日程を事前に確認しておくと良いでしょう。
例えば、例年入試が早い時期に行われる神奈川県と、遅い時期に行われる兵庫県における令和7(2025)年度一般入試の日程は以下の通りです(※2024年5月17日時点)。
都道府県 | 入試日 | 合格発表日 |
神奈川県 | 2025年2月14日 | 2025年2月28日 |
兵庫県 | 2025年3月12日 | 2025年3月19日 |
年度によっても実施日程は異なるため、受験する年度の日程が公表されたタイミングで確認しておきましょう。実施日程は各都道府県の公式サイトなどから確認できます。
高校受験のスケジュール・流れ
高校入試の学習計画は、入試までのスケジュールや流れを把握することでスムーズに立てられるでしょう。
ここでは、高校受験における中学3年生の11月から3月にかけてのスケジュールや流れについて解説します。
- 11月|内申点が確定する
- 12月|受験校を確定させる
- 1月|推薦入試が開始する
- 2月|私立・公立ともに一般入試が開始する
- 3月|一般入試が引き続き実施される・合格発表が行われる
各時期のやるべきことや行われることを把握しておくことで、入試時期が近づいても焦らずに準備を進められるでしょう。
11月|内申点が確定する
入試において合否の判断材料の一つとして使われる内申点は、3年生の11月中旬から12月の初旬頃に確定します。
内申点とは、通知表に記されている9教科の評定の合計点
を指します。
2学期制の学校であれば後期の中間テスト、3学期制の学校であれば2学期末テストの結果までが内申点の評価の対象です。
内申点を上げたいと思っている方は、対象のテストまで諦めずに取り組みましょう。
入試での内申点の扱いは各都道府県によって異なります
。中学3年間の評定すべてが内申点の対象となる地域もあれば、中学3年生の成績だけが内申点の対象となる地域もあります。
住んでいる地域の内申点の扱いをよく確認しておきましょう。
内申点の扱いや換算方法の違いは以下の記事にもまとめていますので、参考にしてください。
12月|受験校を確定させる
内申点が確定したら、受験校を相談し決定するための三者面談が行われるのが一般的です。模試の判定や偏差値、学校での様子なども踏まえ、総合的に進路希望を決定します。
私立の推薦入試の場合は1月の中旬頃、公立の推薦入試の場合は1月の末頃から願書の受付が始まります。
そのため、遅くても12月には志望校を確定させることになるでしょう。
最近では、インターネット出願を採用している私立高校が増えています。入試日程や出願方法をあらかじめよく確認しておくことが大切です。
また、私立と公立を併願する場合、入試の日程が過密にならないかを考えておくことも肝心です。
入試日程が重なっていないか、高校別に受験対策する時間が取れるかを事前に確認しましょう。
高校によって出願方法や日程が違うため、出願漏れがないよう注意してスケジュールを管理することが大切
です。
1~2月|推薦入試が開始する
1月になると私立高校の推薦入試や単願入試、公立高校の推薦入試が始まります。
私立高校の単願入試は、合格した場合に必ず入学することを約束する入試です。入試内容は高校によって異なります。
入学を約束するかわりに、合否判定で優遇が得られる点や、一般入試を受ける生徒に比べて高校受験を早めに終えられる点が大きなメリットであると言えるでしょう。
一方、公立高校の推薦入試も、基本的には「合格したら入学する前提で受ける」試験です。
一般入試に比べると早めに合格が決まる点、推薦入試と一般入試とで受験のチャンスが2回になる点が大きなメリットと言えます。
ただし、私立の単願入試とは違い、合否判定での優遇はなく、一般入試よりも倍率が高くなる傾向があります
。志望校を選ぶ際には慎重に検討してください。
また、一部の都道府県では体育科や音楽科、演劇科など特殊な学科で「特別選抜」という名称で推薦入試が行われることもあります。
特技を生かして高校受験をしたい方は、情報収集をしておくとよいでしょう。
2月|私立・公立ともに一般入試が開始する
2月になると、初旬〜中旬頃に私立の一般入試、下旬頃から公立の一般入試が始まります。
また推薦入試や単願入試の合格発表が行われるため、進学に向けての手続きが開始する時期
でもあります。
3月|一般入試が引き続き実施される・合格発表が行われる
3月は公立の一般入試が引き続き実施されます。中旬頃に順次合格発表が行われ、進学の準備が着々と進む時期です。
合格発表をインターネットで閲覧できる高校もあります。複数校受験した場合は、最終的な進学先を中学校に伝えましょう。
場合によっては追加合格などの連絡が後日入ることもあります。また、二次募集がある場合は入試に再挑戦できることもあるので、最後まで諦めずに取り組みましょう
。
高校受験対策の流れは?押さえておくべき3つのステップ
具体的なスケジュールを押さえておくことはもちろん、どのような流れで長期的に高校受験対策を進めるかを知っておくことも大切です。
ここでは、高校受験対策の流れを3つに分けて解説します。
- 高校受験の仕組みを理解する
- 志望校・入試形式を決める
- 志望校・入試形式に合った受験勉強を行う
入試に向けてスムーズに準備を進められるよう、上記の流れを十分に押さえておきましょう。
1.高校受験の仕組みを理解する
まず、高校受験はどのような形式で行われるかを理解することが大切です。
先述のとおり、高校受験のスケジュールは以下の要素によって異なります。
- 入試形式(推薦入試/一般入試)
- 住んでいる地域
- 私立/公立
スケジュールだけでなく入試の内容も異なるため、事前に情報を集めましょう。受験情報を十分に把握していることで、志望校や入試形式をスムーズに決められます。
2.志望校・入試形式を決める
次に、志望校や入試形式を決めます。
志望校を選ぶ際は、以下のポイントで検討すると良いでしょう。
- 志望校のレベルと学力レベルが合っているか
- 学びたい分野や将来の進路に合った勉強ができるか
- 希望進路に合った進学実績があるか
- 通学時間や立地が負担にならないか
志望校が絞れない場合は、高校の説明会や学校祭に行ったり、パンフレットなどの資料を請求したりして参考にするのがおすすめです。
実際に学校や生徒の様子を見たり、情報を集めたりすることで、志望校を決めやすくなります。
志望校が絞れてきたら、どの入試形式で受験するかを決めましょう。自分の強みを活かせる入試形式を利用することで、合格する可能性を高められます。
単願受験と併願受験のどちらを選ぶべき?
私立高校の受験では、1校のみを受験する単願受験と、2校以上を受験する併願受験があります。単願受験と併願受験のメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット | |
単願受験 | ・志望校に絞った準備ができる ・学校によっては単願によって合否判定で優遇されることがある | ・合格したら辞退できない場合がある ・不合格だった場合は再度受験に向けた準備が必要になる |
併願受験 | ・難易度が高い高校にもチャレンジできる ・安心感を持って受験に臨める | ・受験校が増えるため準備の負担が大きくなる ・スケジュールを調整する必要がある |
第一志望が公立高校の場合には、併願する私立高校を必ず検討しましょう。公立高校はどの学校も共通の日程で行われるため、1校しか受験できません。
そのため、万が一不合格だった場合に備えて、進学先となる滑り止めの私立高校を受験しておく必要があります。
第一志望が私立高校の場合、学校によっては単願受験を選択することで合否判定で優遇される場合があります。
志望校のレベルや自分の強みなどを踏まえて、単願受験と併願受験のどちらにするかを検討しましょう。
3.志望校・入試形式に合った受験勉強を行う
志望校や入試形式が決まったら、受験校に合わせた受験対策を始めましょう。
公立高校の場合は住んでいる地域の出題傾向にあった対策を、私立高校の場合は独自の出題傾向にあった対策をするのがおすすめです。
また、地域や学校、入試形式によっては面接や作文が課される場合があります。必要な対策を洗い出し、入試本番に向けて準備を進めましょう。
志望校や入試形式が決められていない場合でも、基礎を固めておけば、過去問演習など本格的な受験勉強が開始した際にもスムーズに取り組めます。
志望校に迷っている段階でも、基礎学習は怠らないようにしましょう
。
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受験勉強はいつから始める?学年によって異なるやるべき対策
最後に、高校受験対策はいつから始めるべきか、学年ごとにやるべき対策について解説します。
- 中学1年生|難関校を志望する場合は早めに受験勉強を開始すると◎
- 中学2年生|塾を利用する場合は1~3月頃から通うのがおすすめ
- 中学3年生|部活動が忙しい場合は引退する夏頃から集中して取り組む手も
学年ごとにやるべき対策を押さえて、スムーズに受験勉強を進めましょう。
中学1年生|難関校を志望する場合は早めに受験勉強を開始すると◎
難関校を志望する場合や内申点対策を行いたい場合は、中学1年生の早い時期から受験勉強を始めるのがおすすめです。
中学校3年生から勉強をスタートする人もいますが、その場合志望校のレベルと自身の学力レベルに差がある場合、対策が間に合わない可能性があります。
志望校のレベルと自身の学力レベルに差がある場合や難関校を志望する場合は、中学1年生の段階から受験勉強を始めることで合格する可能性を高められるでしょう。
また、高校受験の合否には内申点が影響します。地域によっては中学3年間の内申点が評価の対象となるため、内申点対策も早い時期から始めることが重要です。
中学1年生でやるべき受験勉強は「基礎固め」です。中学1年生の学習内容は中学3年間の基礎となります。
苦手科目・分野を作らないように復習を重ね、学習内容をしっかりと理解することが肝心です。
中学2年生|塾を利用する場合は1~3月頃から通うのがおすすめ
塾を利用して高校受験対策をする場合は、中学2年生の1月~3月頃から通うことをおすすめします。
この時期から塾で対策を始めれば、高校入試本番まで十分に時間を確保できます。
また、中学1・2年生の学習内容を復習したうえで進級を迎えられるため、中学3年生での学習や受験対策にもスムーズに取り組めるでしょう。
また、受験勉強が本格化する前にしっかりとした学習習慣をつけられるメリットもあります。
中学2年生でやるべき受験勉強は「苦手科目の克服」です。
徐々に学習内容が難しくなり授業のスピードも上がる中学2年生は、苦手科目ができやすい傾向にあります。
苦手科目を残したまま受験対策を開始すると、演習問題が解けない、得点が伸びないなどといった事態になりかねません。
基礎に立ち返ったり復習に力を入れたりするなど、早い段階で苦手科目の克服に取り組みましょう
。
中学3年生|部活動が忙しい場合は引退する夏頃から集中して取り組む手も
受験勉強を始めたくても、部活動で忙しく、まとまった勉強時間が取れない場合もあります。その場合は、部活動を引退する夏頃から集中して取り組むのも良いでしょう。
秋以降の志望校決定面談で志望校への受験をスムーズに決められるよう、9月頃までに志望校稿合格が狙える学力をつけておくのが理想です。
そのためにも、日頃から授業に集中して取り組み、授業の中で基礎固めをしておくことが大切です。
また、少しでも学習習慣をつけておくことで、本格的な受験勉強にも取り組みやすくなるでしょう。
夏休みまでは「基礎固め・苦手克服の徹底」、それ以降は「過去問演習」で応用力がつくよう意識すれば、部活動を引退した夏からの受験対策でも十分な実力をつけられます。
無理に両立させようとするあまり、睡眠時間や食事、休息の時間を削ってしまっては、どちらも良い結果が出せません。
部活動と受験勉強とのメリハリをつけて、どちらも悔いのないように取り組めるといいですね。
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- 公立・私立高校受験対策コース
- 定期テスト/内申点対策コース
- 苦手科目克服コース
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定期テスト対策から受験対策まで、入試形式や志望校のレベルに合ったコースを選べるため、受験勉強を効率良く進められるでしょう。
また、自主学習をサポートするデジタル教材も充実。
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まとめ
この記事では、高校受験のスケジュールや流れ、受験勉強のポイントについて解説しました。
重要なポイントを振り返りましょう。
- 内申点は中学3年生の11月頃に決定する
- 中学3年生の12月には受験校を決定する
- 志望校・入試形式に合った受験勉強が重要
- 基礎固めは早い時期から行っておくと受験対策がスムーズ
高校受験を成功させるには、入試までのスケジュールや流れをしっかり把握し、必要な対策を進めることが大切です。
必要な対策を明確にするために、志望校や入試形式に関する情報は十分に集めましょう。
ぜひこの記事をご参考に、志望校合格に向けて受験勉強を進めてください。