現在の学力よりもレベルが高い高校を志望校にしている場合は特に、高校受験対策の塾の利用を検討している方もいるのではないでしょうか。
高校受験対策の塾では、受験生が必要な知識やスキルを学べるほか、合格に向けたサポートもしてくれます。
この記事では、塾に通い始めるタイミングや、選び方、学習のポイントについて解説
します。通塾を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
高校受験の塾はいつから通う?データで見る入塾時期
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、中学3年生から学習塾費が高くなっていることがわかります。
【学年別補助学習費:学習塾費(1年間の費用)】
参照:「令和3年度子供の学習費調査 2.調査結果の概要:表6 学年別補助学習費」文部科学省
中学3年生で学習塾費が高くなる理由として、中学3年生で塾に通い始める学生が多いことや、それ以前から塾に通っていた生徒が受験に向けて授業数や講習を追加したことが考えられます。
とはいえ、高校受験に向けて通塾し始めるベストなタイミングは、生徒や家庭の状況によって異なります
。
塾に通い始める時期によってどのように受験対策を進められるのか、解説していきます。
中学3年生から:短期集中で受験対策を進められる
中学3年生の夏ごろになると、部活動を引退して、いよいよ本格的に受験勉強に取り組む環境が整います。また、夏休みが始まるとしっかりと勉強時間も確保できるため、このタイミングから受験勉強を開始する生徒が多いです。
受験までの期間が半年程度のため、短期集中で受験対策を進められるメリットも
あります。全ての単元を塾で対策することは難しい場合もあるので、自主学習の時間もしっかりと確保し、入試までに網羅的に対策が終わっている状態を目指しましょう。
週ごとのスケジュールを作成するなど勉強計画を立てることで、長い夏休みを無駄にすることなく受験勉強を進められるでしょう。
中学2年生:勉強の中だるみを防止できる
中学2年生は、授業が徐々に難しくなる一方で、受験まであと1年以上あるため、勉強のモチベーションが下がり中だるみしてしまうことがあります。
しかし、地域によっては2年生の内申点も受験に関わる場合がある
ため、しっかりと対策を練る必要があります。
この時期から塾に通うことで内申点対策ができるだけでなく、受験に対してモチベーションが高い生徒から刺激を受けられます。そのため、中だるみを防止する効果が期待できるでしょう。
また、この時期に学習を習慣づけ、基礎を固めることができれば、受験において大きなアドバンテージになります。塾によっては入試レベルの問題に挑戦することもできるでしょう。
ただし、中学2年生の時点で塾に通うかは、子どもの学力や学習状況、部活や習い事の忙しさなどを加味して決めることをおすすめします。
学習が習慣づいており問題なく自主学習ができる場合や、部活や習い事で忙しい場合は、子どもに合った通塾のタイミングを親子でよく検討することが大切
です。
中学1年生:早い段階で学習習慣が定着する
中学校に上がると勉強が難しくなり、授業についていけなくなることや理解があやふやなまま次の単元に進んでしまうことがあります。
しかし、すべての単元はつながっており、中学1年生の学習内容が理解できていないと以降の内容にもついていけなくなる可能性があるため、学習フォローの目的で塾に通っておくこともおすすめ
です。
早い時期から塾に通っておくと学習習慣や基礎学力が定着した状態を作れます。中学3年生で本格的な受験対策をする際も、スムーズにスタートすることができるでしょう。
最難関高校志望なら中学1年生から塾に通っておきたい
最難関高校では合格に必要な点数が高く、応用問題や高校独自の問題が出題されることも。そのため、中学1年生から基礎を固めるのと並行して、中学2年生以降の予習や入試レベルの応用問題に挑戦する必要
があります。
一人ですべて対策していくことは難しいため、最難関高校を視野に入れている生徒は中学1年生から塾に通うのが理想です。
早い段階で基礎を固めつつ、予習や入試レベルの応用問題に挑戦し、受験が近づいてきた頃には志望校の対策に集中できるとよいでしょう。
また、最新の受験情報を入手したり、進路相談をしたりする目的で塾を活用するのもおすすめです。
中学生の通塾率は何%くらい?
中学校に入学すると、すでに塾に通っている子どもを見かけて驚く保護者の方も多いのではないでしょうか。
文部科学省が令和3年に実施した調査によると、中学生の通塾率は以下の通りです。
〈中学生の通塾率〉
学年 | 公立中学生 | 私立中学生 |
中学1年生 | 57.8% | 51.6% |
中学2年生 | 69.2% | 53.4% |
中学3年生 | 84.0% | 56.7% |
中学生全体 | 70.3% | 53.9% |
参照:『子供の学習費調査:文部科学省』令和3年、文部科学省
公立中学校の生徒は、中学1年生の段階で半数以上が、中学3年生になると8割以上が塾に通っています。
一方私立中学生の場合、中学3年間を通して半数程度にとどまっています。これは一貫校への進学を予定していたり、学校で十分な受験勉強ができているためと考えられます。
塾へ通うことは必須ではありません。
ですが、「高校受験対策を効率的に進めたい」「受験に特化したサポートを受けたい」などの受験に関する希望や、「定期テスト対策」や「授業フォロー」などの内申点対策や基礎理解に関する希望がある場合は、塾へ入ることを検討しましょう。
特に公立中学校の生徒は、学校の授業で受験対策をするのが難しい場合もあるため、必要に応じて高校受験対策の塾を活用することをおすすめ
します。
高校受験対策の塾を選ぶ6つのポイント・注意点
いざ塾に通うとなると、どのように選べばよいのかわからない方もいるのではないでしょうか。
塾選びのポイントと注意点は以下の6つ
です。
- 志望校対策ができるかどうか確認する
- 塾の評判・口コミを確認する
- 授業形式が合っているか確認する
- 費用とサポート内容を比較する
- 子どもの性格に合っているか確認する
- 通い続けられるか検討する
高校受験対策には塾選びがとても重要です。最適な塾を選び、志望校合格に向けて効率よく学習しましょう。
1. 志望校対策ができるかどうか確認する
通塾の目的を明確にするために、まず志望校を決めることをおすすめします。
どの高校を目指すのか、どの受験科目を重点的に勉強すべきなのかを把握することで、通うべき塾が自ずと見えてきます。
志望校が決まっていない場合は、進路相談が充実している塾を選ぶのも良い
でしょう。
目指すレベルが定まっている場合や、伸ばしたい科目がある場合は、塾のレベルや特徴から選ぶこともできます。
どうして塾に通うのかを明確にすることで、塾に何を求めているかがわかり、適切な塾を選びやすくなるでしょう。
目的に向けて学習を進める際は、定期的に自己評価やフィードバックを行うことをおすすめします。目的に向けての取り組みを都度振り返り、必要に応じて学習内容や方法を修正することも大切です。
2. 塾の評判・口コミを確認する
塾の評判や指導実績、教師の特徴などを事前に調べておくと良いでしょう。塾のWebサイトやネットに掲載されている評判、知人の口コミなどが参考になります。
特に、実際に通っている生徒や過去に通っていた生徒の声を聞くことで、塾や教師の信頼性を判断
できます。
入塾を迷っている場合は、体験授業や短期講習に参加し塾や教師についての情報を得ることもできるでしょう。
事前に調べたり実際に授業を受けてみたりして、信頼できる塾・教師であるか確認しておくことをおすすめします。
3. 授業形式が合っているか確認する
塾の授業形式には主に個別指導と集団指導があり、学習環境や教え方が異なります。
以下は、個別指導塾と集団指導塾の違いを表にまとめたものです。
項目 | 個別指導塾 | 集団指導塾 |
授業形式 | 1対1または少人数グループ | グループ授業(通常10人以上) |
教師の対応 | 個別のニーズに合わせた対応 | 全体に対しての一括指導 |
メリット | ・自分のペースで学習できる ・周囲の目を気にせず学習できる | ・他の生徒から刺激を受けてモチベーションが上がる ・他の生徒とわからないところを教え合える |
授業料 | 比較的高価 | 比較的安価 |
上記の表は一般的な特徴を示したもので、すべての個別指導塾や集団指導塾に当てはまるわけではありません。塾によっては、個別塾と集団塾の中間的な形式を取っている場合もあります。
実際に授業を受けてみて、子どもに合っている授業形式がわかることもあるでしょう。
複数の塾で体験授業や短期講習などを受け、比較検討することをおすすめします。
オンライン家庭教師もおすすめ
オンライン家庭教師なら、自宅にいながらオンラインで授業を受けることができます。
塾まで移動する必要がないため、部活や習い事で忙しい子どもにもおすすめ
です。
また、教師と直接対面しないため、人見知りや周囲の目が気になる子どもでも、比較的緊張せずに授業を受けられるでしょう。
自宅や学校から塾が遠い場合や近くの塾との相性が悪かった場合にも、オンライン家庭教師がおすすめです。
トライのオンライン個別指導塾では自宅で授業を受けられる
トライのオンライン個別指導塾では、自宅で授業を受けられます。部活動や習い事で忙しい場合でも、効率的に学習時間を確保できるところはオンライン指導ならではのメリットです。
また、オンライン授業と対面授業を随時切り替られる
のが、他のオンライン塾にはないトライならではの強みです。教室が全国に700教室以上あり、状況に合わせて切り替えられます。
参照:《公式》トライのオンライン個別指導塾│授業満足度No.1
志望校出身の教師、東大・京大などの難関大生、合格実績豊富なプロ教師など、最適な教師を日本全国から選択でき、専任制で授業を受けられます。
4. 費用とサポート内容を比較する
高校受験対策の塾を検討するときは、費用とサポート内容を比較することも大切です。
比較する際に考慮すべきポイントは、以下の通りです。
項目 | 内容 | 考慮すべきポイント |
月謝 | ・授業料・入会金・教材費 など | ・授業料以外も含めた総額を確認する |
サポート内容 | ・模試の実施や成績分析・個別の相談対応・補習授業の有無・自習室の利用可否 | ・保護者と子どもの両方をサポートしてくれるか確認する・サポートの利用が有料かどうかを確認する |
追加費用の有無 | ・教材・講習・模試 など | ・項目ごとの追加費用を確認する |
割引制度の有無 | ・友人紹介制度・兄弟姉妹割引制度・特待生制度 | ・兄弟姉妹が同時に通う場合など、制度を利用して費用負担を軽減できるか確認する |
複数の塾を比較し、予算やサポート内容が合っている塾を選びましょう。
講習や模試の費用もかかる
講習や模試には、別途費用がかかります。
夏期講習や冬期講習などの講習は、通常の授業とは別に実施されるため、追加料金が発生することが多いです。具体的な費用は塾やコースによって異なるので、確認しておきましょう。
また、模試代は受験科目や模試の種類によって異なります。スケジュールや予算に合わせて、受けるかどうかを検討しましょう。
5. 子どもの性格に合っているか確認する
入塾前に体験授業や短期講習などに参加して、授業の進め方や塾の雰囲気、教師との相性などを確認しましょう。
子どもの性格や学習スタイルに合った塾を選ぶことでストレスなく授業を受けられるため、学習効率を高められるほか、モチベーションを維持しやすくなります
。
また、一番大切なのは、教師と子どもの相性です。授業がわかりやすいか、コミュニケーションが取りやすいかなど、事前に確認することをおすすめします。
6. 通い続けられるか検討する
塾に通い始めるタイミングが早ければ、数年にわたって通う必要があるほか、講習期間中や受験が近い時期には連日通う場合もあるでしょう。
週ごとの通塾日数や授業の時間帯、アクセスなども考慮し、継続して通い続けられるか検討しましょう。
通塾が負担になりストレスになることがないよう、注意が必要です。
高校受験対策で塾に通う際に押さえたい4つのポイント
高校受験対策で塾に通うときに押さえるべきポイントは以下の4つです。
- 塾の授業以外にも、自宅学習を実施する
- 模試を受けて定期的に学力を把握する
- 部活動や習い事とのバランスを考える
- 保護者と塾で連携を取り、子どもの学習状況を把握する
塾での学びを最大限活用できるよう、ポイントを押さえて学習を進めましょう。
1. 塾の授業以外にも、自宅学習を実施する
ただ塾に通うだけでなく、自宅学習も行うことが大切です。 塾の授業内容を復習したり追加の学習教材を用意して勉強を進めることで、より効果的な学習ができます。
塾の授業だけで完全に知識を定着させるのは難しいため、塾が無い日でいかに自宅学習を徹底して行えるかがポイントになるでしょう。
自宅学習で何をすればよいかわからない場合は、教師や塾の教室長などに相談するのがおすすめ
です。
2. 模試を受けて定期的に学力を把握する
定期的に模擬試験を受けることで、自分の学力を把握できます。模試は一定の間隔で受けることが推奨されている
ため、特に受験生は毎月、もしくは2ヶ月に1回などのペースで受けると良いでしょう。
定期的に模試を受けることで、現状の学力を把握できるだけでなく、受験本番に向けて試験に慣れることもできます。
模試の結果が返ってきたら、ただ点数を確認するだけでなく、自己分析を行いましょう。各科目の偏差値や分野ごとの正答率などから、自身の弱点や改善点を見つけ、それらを克服するための学習計画を立て、日々の勉強に取り入れていきましょう。
また、模試の結果を塾の教師と共有し、アドバイスを受けるのもおすすめです。
保護者や子どもが気がつかないようなポイントも、プロの視点で指導してくれるでしょう。
3. 部活動や習い事とのバランスを考える
塾に通う回数を決める際は、部活動や習い事との両立ができるか、プライベートを圧迫しすぎないかを考慮することも必要です。
時間の使い方やスケジュールを工夫し、勉強とのバランスを取りましょう。
部活動を引退したタイミングで、受験勉強をスタートさせる生徒も多く存在します。部活に向けていた情熱や集中力を受験勉強へ向けることで、部活動引退後に学力が急激に伸びる場合もあります。
部活動に打ち込む経験や友人と過ごす時間は、生涯において何にも変え難い貴重な時間です。勉強に費やす時間のバランスは、子どもとよく相談して決めてください
ね。
4. 保護者と塾で連携を取り、子どもの学習状況を把握する
保護者と塾の連携は非常に重要
です。定期的に面談し、子どもの学習状況や受験対策の進捗の共有を受けましょう。
子どもの学習状況を把握できれば、保護者も最適なサポートができます。
また、受験まで猶予があったり特に相談事項がなかったりする場合でも、定期的に面談をすることをおすすめします。
保護者と塾の間でも定期的にコミュニケーションをとり、関係性を築いておくことで、万が一不安が生じた際にスムーズにやり取りすることができます。
高校受験対策の塾に関するよくある質問
最後に、高校受験対策の塾に関連する、よくある質問と回答を紹介します。
Q. 塾に行かないで高校受験する人の割合は?
Q. 塾に通うやる気を保つには?
Q. 塾に行かないで高校受験する人の割合は?
文部科学省が令和3年に実施した調査によると、中学生の通塾率は以下の通りです。
学年 | 公立中学生 | 私立中学生 |
中学1年生 | 57.8% | 51.6% |
中学2年生 | 69.2% | 53.4% |
中学3年生 | 84.0% | 56.7% |
中学生全体 | 70.3% | 53.9% |
参照:『子供の学習費調査:文部科学省』令和3年、文部科学省
公立中学校の生徒は、中学1年生の段階で半数以上が、中学3年生になると8割以上が塾に通っています。
一方私立中学生の場合、中学3年間を通して半数程度にとどまっています。これは一貫校への進学を予定していたり、学校で十分な勉強ができていたりするためと考えられます。
塾に通わなくても、自主学習を行ったり、参考書やオンライン教材を活用したりするなど、自分で対策を進めることもできます。しかし、塾に通うことで受験に適した授業や学習のサポートを受けられるため、多くの受験生が塾を利用していることも事実です。
子どもの学力や自主学習の姿勢から、塾に通うべきか判断すると良いでしょう。
苦手科目だけ塾に通い、他の科目は自主学習で対策するなど、塾と自主学習を組み合わせるのもおすすめ
です。
Q. 塾に通う意欲を保つには?
塾に通う意欲がわかない原因が勉強に対するモチベーション低下にある場合、以下のような方法を取ってみましょう。
- 目標を明確にし、その達成に向けた計画を考える
- 成果や進歩をすぐ実感できるような小さな目標を立てる
- 同じ塾に通う友人と切磋琢磨できる環境を作る
勉強に対するモチベーションは一人ひとり違うため、子どもにとって何がモチベーションになるのか、一緒に考えるのがおすすめです。
忙しさや疲れなどで塾に行くことが難しい場合は、思い切って1日~数日休息を取るのも1つの手でしょう。
まとめ
この記事では、高校受験対策の塾はいつから行くのが良いのか、塾の選び方や学習のポイントを解説しました。
ポイントは以下の3つです。
- 高校受験対策塾は中学3年生から通う生徒が多い
- 難関校を狙う場合や内申点を意識する場合は中学1年生から通うのがおすすめ
- 塾を選ぶ際は教師との相性や通いやすさを慎重に検討する
高校受験は人生の大切な節目のひとつ。大きな試練ですが、生徒に合った塾を選び適切な環境とサポートを与えることで、合格に近づくでしょう。