「英検®は高校受験に有利に働く?」
「高校受験に使えるのは何級から?」
「英検®に合格するためのおすすめの勉強法は?」
「英検®を取得していると高校受験に有利に働く」と聞いたことがある方もいるでしょう。しかし、何級から優遇されるのか、どの高校受験にも利用できるのか、など具体的にはわからない方もいるのではないでしょうか。
英検®とは「実用英語技能検定」の略称で、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能から英語力を評価する試験です。本記事では、英検®が高校受験に与える影響や、受験が有利になる級、おすすめの勉強法を解説します。
英検®の取得を目指している方や高校受験を考え始めた方
は、ぜひ本記事を参考にしてください。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
この記事の目次
英検®は高校受験で優遇される場合も!何級を取得するべき?
英検®を取得していると、高校受験で有利に働く場合があります。
ここでは、高校受験に向けて取得を目指したい級や、公立高校・私立高校の優遇措置の例について解説します。
- 高校受験に向けて3級の取得を目指そう
- 公立高校の場合|調査書点(内申点)に加算されることも
- 私立高校の場合|学力検査の加点につながる
高校受験に英検®を活用したいと考えている方は、どのような優遇措置があるのか、何級から有利に働くのかなどを理解しておくと良いでしょう。
高校受験に向けて3級の取得を目指そう
高校受験に向けて英検®を取得するなら、3級の取得を目指しましょう。
一つ目の理由は、高校受験で優遇措置を受けられるのが3級からだからです。英検®の公式サイトによれば、私立高校で優遇措置の対象を英検®3級以上としているのは84校、準2級以上としているのは135校です。一方、英検®4級以下の取得で優遇措置を設けている高校はありません。
二つ目の理由は、3級の英語力の目安が「中学卒業程度」で、高校受験の英語と難易度が近い
からです。取得に向けて学習を進めることで、学校で学ぶ英語の復習や、高校受験の英語の試験への対策にもなります。
ちなみに、令和5年度に文部科学省が行った「英語教育実施状況調査」によると、中学3年生のうち3級以上相当(CEFR A1以上)の英語力があるのは50%だそうです。3級に合格すれば、全国の中学3年生のうち半分より上の英語力があることになります。
参照:令和5年度「英語教育実施状況調査」の結果について|文部科学省
そのため、高校受験における英語の学習到達の目安としても、英検®3級の取得を目指すと良いでしょう。
英検®はいつ取得するべき?
英検®を高校受験に利用するには、英検®の合格証明書が必要です。
英検®は、受験してから結果が出るまである程度待たなければならず、合格証明書の発行にも時間がかかります。そのため、志望校の出願時には合格証明書が手元にあるように、出願までの日程を逆算して英検®を取得しなければなりません。
出願時期は学校によって異なるものの、私立高校の場合は12月〜1月頃、公立高校の場合は2月頃が目安です。私立高校の場合は11月末、公立高校の場合は1月末までに英検®の合格証明書が手元にあると出願時に優遇措置を受けられます。
推薦入試は、私立高校や公立高校よりも出願が早くなる場合が多い
ため、志望校の募集要項を確認して間に合うように英検®を受験してください。
また、高校によっては受験に利用できる英検®の有効期限を定めている場合もあります。余裕を持って高校のホームページや募集要項を確認しましょう。
公立高校の場合|調査書点(内申点)に加算されることも
公立高校の受験では、英検®を取得していると調査書点が加算されたり、英語の学力検査の点数が保証されたりする事例が見られます。
ただし、英検®の優遇措置がある公立高校は少なく、優遇される級や加算される点数などが公表されていない場合もあるため注意しましょう。
一方、大阪府の公立高校入試は、英検®の上位級を取得することでかなりの優遇措置を受けられるのが特徴です。英語の学力検査を行っているすべての学校、学科を対象として、英検®2級取得者は80%、準1級取得者は100%の点数保証があります。
大阪府の難関公立校を志望している方は、積極的に英検®の上位級取得を目指すと良い
でしょう。
私立高校の場合|学力検査の加点につながることも
私立高校の受験では、英語学科のある高校や英語に力を入れている高校を中心に、優遇措置が受けられます。
主な優遇措置の例は、次のとおりです。
- 英語の学力検査の点数に加点
- 英語の筆記試験の一部が免除
- 推薦入試の出願条件
学力検査の点数が大幅に加点されたり、筆記試験が免除になったりすれば、他の科目の勉強に時間を割けるため、受験対策を効率的に進められる
でしょう。
英検®取得によって入学金が免除になったり、推薦入試の出願条件として英検®3級や準2級の取得を必要としたりする高校もあるようです。
また、英検®は推薦入試にも有利に働く場合があります。推薦入試は、内申の基準を満たすことが受験条件です。高校によっては、英検®を持っていると内申点に加点をもらえる場合があります。
英検®取得によって内申点がプラスになり、推薦入試の受験条件を満たせる可能性もあるでしょう。
トライのオンライン個別指導塾では受験計画から受験勉強まで幅広く対応
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英検®の活用を含めた受験計画から実際の受験勉強、英検®準備までサポートするため、高校受験に英検®を活用しようと検討している方にもおすすめです。
また、トライのオンライン個別指導塾は完全マンツーマン指導となっており、英語が苦手でも自分のペースで着実に勉強を進められる
でしょう。
英検®の難易度は?試験日程と試験内容
ここでは、英検®の試験日程や試験内容、難易度などについて詳しく解説します。
- 【各級共通】英検®の試験日程
- 英検®3級の試験内容と難易度
- 英検®準2級の試験内容と難易度
- 2024年度に問題形式が一部リニューアル
取得を目指している級の情報を参考にし、入試に臨んでください。
【各級共通】英検®の試験日程
英検®は1年に3回行われます。
試験日程は年度によってさまざまですが、目安を以下の表にまとめました。
一次試験 | 一次試験合否発表 | 二次試験 | 二次試験合否発表 | |
第1回 | 5月末から6月上旬 | 6月下旬 | 7月上旬~中旬 | 7月中旬~下旬 |
第2回 | 9月下旬~10月上旬 | 10月下旬 | 11月中旬 | 11月下旬 |
第3回 | 1月中旬~下旬 | 2月中旬 | 3月上旬 | 3月中旬 |
※4級・5級の場合は二次試験がありません。代わりに、一次試験の合否確認後、オンラインでスピーキングテストを受験します。
個人で申し込んだ場合は全国同日の試験日ですが、学校や塾など団体で申し込んだ場合は会場ごとに試験日が異なります。
そのため、団体で申し込む場合は、試験日をあらかじめ先生などに確認
しておきましょう。
二次試験が棄権・不合格の場合は一次試験免除を受けられる
英検®には、英検®1~3級の一次試験に合格した方を対象とする一次試験免除があります。
一次試験免除資格とは、二次試験を棄権(欠席)または不合格となった場合、免除申請をすれば翌年度の同回試験までの間、二次試験から受けられる制度です。
免除申請をせずに受験した場合、一次試験から受けることになるため、時間が無駄になってしまいます。
二次試験が不合格だった方はもちろん、体調不良や急な予定などで試験を受けられなかった方
も、一次試験免除の申請を忘れずに行いましょう。
1日で4技能を測れる「英検S-CBT®」
英検®には、1日で4つの技能をまとめて受験できる「英検S-CBT®」もあります。試験は毎週土日に実施されるため、部活や習い事などで受験のタイミングを逃している方におすすめ
です。
ただし、合格するまで何度でも受けられるわけではありません。同一検定期間内に同じ級を受けられるのは2回までです。なお、従来の英検®と併願すれば、同一検定回内に同じ級を3回、年間で最大9回受験することができます。
英検®3級の試験内容と難易度
英検®3級は、一次試験と二次試験に分かれます。
一次試験の試験内容は、次のとおりです。
測定技能 | 形式・課題 | 試験時間 |
リーディング | 短文の語句空所補充 会話文の空所補充 長文読解 | 65分 (ライティングと合わせて) |
ライティング | Eメール返信の記述(20語程度) 意見記述(30語程度) | 65分 (リーディングと合わせて) |
リスニング | 会話の応答(文)選択 会話の内容一致選択 文の内容一致選択 | 約25分 |
3級の一次試験では、4級・5級にはなかったライティングの試験が加わることに注意しましょう。指示に沿って英文を自分で考える必要があります。
また、二次試験の試験内容は次のとおりです。
測定技能 | 形式・課題 | 過去の出題例 | 試験時間 |
スピーキング | 音読(30語程度) 音読内容についての質問 イラストについての質問 受験者自身についての質問 | 携帯電話 読書週間 スポーツ 四季 | 約5分 |
二次試験は試験官と1対1で行われます。英文やイラストが記載された「問題カード」を渡され、30語程度の英文を音読したり、試験官からの質問に英語で答えたりする必要があります。
3級の難易度は、「中学卒業程度」
とされています。中学3年生までに習う文法や単語をしっかり学習しましょう。
英検®準2級の試験内容と難易度
英検®準2級も、3級と同じく一次試験と二次試験に分かれます。
一次試験の試験内容は、次のとおりです。
測定技能 | 形式・課題 | 試験時間 |
リーディング | 短文の語句空所補充 会話文の空所補充 長文の語句空所補充 長文読解 | 80分 (ライティングと合わせて) |
ライティング | Eメール返信の記述(40~50語程度) 意見記述(50~60語程度) | 80分 (リーディングと合わせて) |
リスニング | 会話の応答(文)選択 会話の内容一致選択 文の内容一致選択 | 約25分 |
3級と比較すると、リーディングで「長文の語句空所補充」が加わるほか、ライティングの語数が少し増えています。また、文章の題材としても「教育」や「自然・環境」など、より専門的なものが出題されることがあります。
また、二次試験の試験内容は次のとおりです。
測定技能 | 形式・課題 | 過去の出題例 | 試験時間 |
スピーキング | 音読(50語程度) 音読内容についての質問 イラストについての質問 受験者自身についての質問 | ホームシアター ボランティアガイド 電子辞書 食品フェア 映画祭 | 約6分 |
スピーキングは基本的に3級と同じ流れですが、英文の語数が増えています。また、英文や質問の内容も少し難しくなっています。
英検®準2級の難易度は、「高校中級程度」とされています。高校で習う文法も出題されるため、中学3年生が受験する場合は学校の復習だけでなく、準2級用の参考書や問題集で対策する
と良いでしょう。
2024年度に問題形式が一部リニューアル
2024年度から、英検®3級以上の問題形式がリニューアルされています。
大問構成が変わったり、試験時間が変更になったりして試験のハードルが少し上がっているため、これまで以上に対策する必要があるでしょう。
リニューアルした点について詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。
また、2025年度から2級と準2級の間に「準2級プラス」が新設されることも決まっています。英検®を高校受験に利用する場合は、随時最新の情報をチェックし、変更点を踏まえたうえで対策を練る
ことが大切です。
【審査基準別】英検®に合格するためのおすすめの勉強法は?
英検®は、「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」の4つの審査基準によって評価されます。
審査基準ごとのおすすめの勉強法は、次のとおりです。
- リーディング|語彙力を鍛える
- リスニング|英語の発音に慣れる・選択肢を先読みする
- スピーキング|発音と意見に正しく答えることを意識する
- ライティング|全体の構成を考える・ケアレスミスに注意する
それぞれの勉強方法について詳しく見ていきましょう。
リーディング|語彙力を鍛える
リーディングの勉強で大切なのは、語彙力を鍛えることです。
英単語や熟語はリーディングだけでなく、他3つの審査基準においても必要です。暗記は一夜漬けで覚えられるものではないため、毎日少しづつ覚えましょう。
通学時間や習い事に向かう移動時間など、すきま時間を利用して毎日の暗記を習慣化すると、負担なく語彙力を鍛えられます。
また、長文読解の対策としても語彙力は大切です。限られた試験時間の中で問題をすべて解くためには、単語の意味を素早く理解する必要があります。
過去問や予想問題集などで多くの長文に触れ、わからなかった語彙を復習する
ことで、速く正確に長文を読み解けるようになるでしょう。
リスニング|英語の発音に慣れる・選択肢を先読みする
リスニングの勉強で大切なのは、英語の発音や話すスピードなどに慣れることです。
「英文を見たら理解できるのに、リスニングになるとわからなくなる」という場合は、耳で英語を聞くことに慣れていない可能性があります。そのため、過去問を何度も解いたり、英語のラジオや曲を聞いたりして、耳で聞く英語に慣れましょう。
また、試験においては、音源が流れるまでに選択肢を先読みして、読まれる内容を推測することも大切です。どのような問題かをあらかじめ予測しておくと、要点を聞き取りやすくなる
でしょう。
スピーキング|発音と質問に正しく答えることを意識する
スピーキングの試験では、主に以下3つの課題が出題されます。
- カードの英文を音読する
- カードの英文・イラストについての質問に答える
- 受験者自身についての質問に答える
英文の音読では、「正しい発音で読めているか」「読む速さは適切か」「スラスラと読めているか」などが評価基準です。英文を正確に読めるように、英単語を覚えるのはもちろん、正しい発音ができているかも確認しましょう。
また、英文・イラストや受験者自身についての質問では、質問の形式に対して正確に答えることが大切です。「何をしている?」と聞かれたら「~をしている」、「趣味」を聞かれたら「私の趣味は~です」など、質問に対する答えを的確に述べましょう。
ただし、正しい英語で答えようと考えるあまり、長時間黙ってしまうのはNGです。質問の意図がわかっていないと判断されることもあるため、返答にはあまり時間をかけすぎない
ようにしましょう。
ライティング|全体の構成を考える・ケアレスミスに注意する
ライティングの勉強でまず大切なのは、全体の構成を考えて書くことです。
ライティングは、各級ごとに問題の形式が固まっています。そのため、あらかじめ構成の枠を作っておき、それに沿って英作文を書くのがおすすめです。
例えば、3級の意見記述の問題であれば、次のような構成に沿って書くと良いでしょう。
- 結論(課題文に対する回答)
- 理由①(First,…)
- 理由②(Second,…)
このように、構成に沿って書くようにすると自分の考えや意見がまとまりやすくなります。難しい単語や文章表現を使う必要はありません。シンプルでわかりやすい文章を心がけましょう。
また、英語を書く際はケアレスミスにも十分注意しましょう。スペルミスやピリオド忘れなども減点対象となります。特にうろ覚えの単語は、別の簡単な単語で置き換えたほうが安全
です。
事実を忠実に表現することにこだわらず、確実に覚えている単語を使って文章を書きましょう。
高校受験での英検®利用に関するよくある質問
最後に、高校受験で英検®を利用することについて、よくある質問をまとめました。
- 中学生が英検®を取得するメリットは高校入試で有利になる以外にもある?
- 英検®対策は塾や家庭教師を利用するべき?
- 英検®4級・5級をとっても意味がない?
同じような悩みや疑問を抱えている方は、ぜひこちらを参考にしてみてください。
中学生が英検®を取得するメリットは高校入試で有利になる以外にもある?
中学生が英検®を取得するメリットは、高校入試で有利になる以外にもあります。
英検®の3級以上の試験範囲には、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングがあり、試験に向けて勉強することで総合的な英語力が向上するでしょう。
また、英検®の受験によって、試験の雰囲気に慣れることができるのもメリットです。英検®で試験の雰囲気に慣れておけば、将来の高校入試や大学入試等の重要な試験においても柔軟に対応できる
でしょう。
英検®に合格することで大きな成功体験を得られるのも、メリットといえます。試験への合格は自己肯定感の向上につながり、学業やその他の活動においても積極的に取り組む姿勢が生まれるでしょう。
英検®対策は塾や家庭教師を利用するべき?
英検®対策として、塾や家庭教師を利用するのもおすすめです。
英検®対策は学校の授業ではほとんど行われないため、自分で学習する必要があります。英検®対策ができる塾や家庭教師を選べば、効率的に勉強を進められるでしょう。
「英検®対策を何からすれば良いかわからない」「二次試験の対策をしたい」
方は、塾や家庭教師を利用することをおすすめします。
トライのオンライン個別指導塾では「英検®対策講座」で合格に必要な学習ができる
参照:《公式》トライのオンライン個別指導塾│授業満足度No.1
トライのオンライン個別指導塾では、「英検®対策講座」を受講できます。
3級、準2級、2級を対象にプロ講師が得点アップのコツを伝授するため、効率的に学習を進められます。
また、通塾の必要がなくオンラインで授業を受けられるため、部活動や習い事が忙しい方でも自分のペースで学習できる
でしょう。
英検®4級・5級をとっても意味がない?
英検®が高校受験に有利に働くのは3級以上が多いため、4級や5級を取得していても直接的にはあまり影響がありません。しかし、英語力の向上や合格による成功体験、試験慣れなど間接的なメリットは多くあります。
特に中学1年生・2年生がいきなり3級をめざすのは難しいので、まずは4級や5級の取得をめざすのもよい
でしょう。
まとめ
本記事では、英検®が高校受験に与える影響について、受験が有利になる級やおすすめの勉強法を解説しました。
英検®を取得していると、高校受験で次のような優遇措置を受けられる可能性があります。
- 公立高校の場合|調査書点(内申点)に加算されることも
- 私立高校の場合|学力検査の加点につながることも
これらの優遇措置を受けられるのは、英検®3級以上であることがほとんどです。
また、3級の難易度は「中学卒業程度」のため、3級を目指す学習がそのまま受験対策にもつながります。そのため、高校受験で英語を勉強する際は、英検®3級を一つの目安にすると良い
でしょう。
英検®の取得を目指している方や高校受験を考え始めた方は、ぜひ本記事を参考にして、高校受験を有利に進めてくださいね。