「高校を留年する可能性がありそうで不安……」
「高校を留年する基準には、どのようなものがあるの?」
「もし留年した場合、どのような選択肢がある?」
高校での留年は、登校回数や学力が不安な学生にとっては心配事の1つではないでしょうか。しかし、たとえ留年したとしても、将来が閉ざされるわけではありません
。
本記事では、高校を留年する基準や、留年したあとの選択肢について詳しく解説します。高校を留年しそうで不安に思っている方、今後の進路に迷っている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
この記事の目次
留年とは?高校を留年する基準と救済措置
そもそも、留年とは何かがよくわかっていない方もいるかもしれません。そこで、高校の留年について、意味や基準、救済措置など、以下の内容を解説します。
- 高校の留年とは?
- 高校を留年する基準は「出席日数」と「成績」
- 留年を回避する方法は?
まずは、高校の留年がどのようなものなのか、正しく理解しておきましょう。
高校の留年とは?
「留年」とは、「学年に留まる」と書くように、生徒が何らかの事情によって進級・卒業できずに、現在在籍している学年に次年度も留まることを指します。
たとえば、現在高校2年生であれば、次の年度には3年生に進級します。しかし、2年生の時点で留年が決まると、次の年度は進級せず、もう一度2年生として学び直すことになるのです。
また、3年生で留年が決まった場合、卒業は次年度以降に持ち越されます。高校を卒業するには次の年度も3年生として勉強し、卒業に必要な要件を満たす
必要があります。
留年した人はどれくらいいる?
文部科学省が高等学校を対象に実施した調査によると、令和3年度に高校を留年した人数は8,268人でした。高校在籍者の0.3%が留年している計算になります。
また、高校を留年した人数と割合を、学年別にしてさらに詳しく分類したものが下表です。
学年 | 留年した人数 | 割合 |
1年 | 3,020人 | 0.3% |
2年 | 2,076人 | 0.2% |
3年 | 626人 | 0.1% |
4年 | 129人 | 1.8% |
単位制 | 3,631人 | 0.6% |
高校を留年することに不安を感じている方もいるかもしれませんが、実際には一定数の生徒が留年を経験しています。
高校を留年する基準は「出席日数」と「成績」
学校によって違いはあるものの、留年が決まる要素は主に「出席日数」と「成績」の2つです。
高校は、各科目の出席日数と成績の基準をクリアし、決められた単位数を取得することで、進級(卒業)ができます。
出席日数とは、その名のとおり、授業に出席した日数のことです。科目ごとに一定の基準が定められており、出席日数が基準を下回ると留年する可能性が高くなります。
出席日数の基準を「3分の2以上」と定めている学校が一般的ですが、具体的な日数は学校によって異なることに注意してください。
また、成績の基準として一つの目安となるのが「定期テストの点数」です。具体的には、定期テストで何度も赤点を取ってしまうと、留年する可能性が高まります。また、赤点を取る以外にも、「提出物」や「授業態度」などが成績に影響する場合もある
ため注意しましょう。
高校の留年が決まるタイミング
高校の留年が決まるタイミングは、学校によってさまざまです。たとえば、留年の基準が「出席日数が3分の2を下回った場合」と定められている学校であれば、決められた出席日数を下回った時点で留年が決まります。
しかし、「気付かないうちに留年が決まっていた」ということはほとんどなく、担任の先生などから事前に留年の可能性があると告知される場合が多い
でしょう。
留年を回避する方法は?
出席日数や成績に不安がある方の中には、「留年したらどうしよう」と焦っている方もいるでしょう。
しかし、先ほどもお伝えしたように、留年が決まってから知らされることは少なく、事前に告知される場合がほとんどです。事前告知がないのであれば、現段階で留年する可能性は高くない
と言えます。
とはいえ、自分に留年の可能性があるのかを確認しておきたい方もいるでしょう。その場合は、学校の先生に以下のような内容を相談するとよいでしょう。
- 留年になる基準
- 現段階での成績や出席日数
- 留年を回避できる手段はあるのか
学校によっては留年を回避するための救済措置が設けられている場合もあります。救済措置の有無や内容は学校によって異なりますが、一例として次のような救済措置が挙げられるでしょう。
- 出席日数が足りない:放課後や夏休みに実施される補習を受ける
- 成績が基準を満たさない:追試や補習を受ける
留年について事前告知されると焦るかと思いますが、救済措置がある場合はしっかり取り組み、挽回することで留年を免れることができます。冷静に対処し、留年を回避しましょう。
高校で留年してしまった時の4つの選択肢
留年後にどのような選択肢があるのかを知っておくと、留年が決まったとしても将来について冷静に考えられます。
高校で留年してしまった場合に考えられる選択肢は、主に次の4つです。
- 他の高校に編入・転入する
- 在籍高校にとどまりもう1年同じ学年を履修する
- 高卒認定試験に合格して大学・専門学校への進学を目指す
- 就職活動をする
それぞれの選択肢について、以下で詳しく見ていきましょう。
1.他の高校に編入・転入する
他の高校に編入・転入するのも留年後の選択肢の一つです。これまでの人間関係や学習環境をリセットできるため、新たな気持ちでスタートできるのがメリットと言えます。
また、在籍している高校で何らかのストレスやプレッシャーを受けたために留年した場合にも、他の高校への編入・転入はおすすめです。
環境が変わることで心理的な負担が軽くなり、学習へのモチベーションが再び高まる
可能性があるでしょう。
編入とは、在籍している高校を退学したあとに他の高校に入学することです。一方の転入は、高校を退学せずに他の高校に移ることを指します。
編入・転入先は通信制高校がおすすめ
留年を理由に他の高校への編入または転入を検討する場合は、通信制高校がおすすめです。
通信制高校は単位制を採用しており、学年ごとに取得すべき単位数が決まっていません。前の高校で取得した単位を引き継ぐことができる場合もあるため、残りの単位数によっては3年で高校卒業を目指せる
でしょう。
また、通信制高校はその名のとおり通信での学習がメインであり、通学の頻度が少ないため、卒業要件を満たせれば毎日通学しなくても卒業できます。次のような事情があって出席日数が足りず、留年してしまった方にもおすすめといえるでしょう。
- 不登校で思うように通学ができない
- 起立性調節障害で朝起きられない
- 体調面で毎日の通学が難しい
- 仕事や芸能活動、スポーツ活動と両立したい
通信制高校の詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。通信制高校の概要や学習環境、卒業の要件などについて知りたい方は、こちらの記事も併せてご確認ください。
「トライ式高等学院」は「家庭教師のトライ」の学習ノウハウを凝縮した通信制サポート校
参照:通信制高校で大学進学|通信制高校・サポート校のトライ式高等学院
トライ式高等学院は、「家庭教師のトライ」で培われたノウハウを活かして通信制高校での学習や生活をサポートする通信制高校サポート校です。
レポート提出や特別活動、スクーリングなど、通信制高校を卒業するために必要な学習を、一人ひとりの状況に合わせてサポートします。
そのため、さまざまな事情で留年し、初めて通信制高校に編入・転入する場合でも、安心して卒業を目指せる
でしょう。
2.在籍高校にとどまりもう1年同じ学年を履修する
在籍している高校でもう1年同じ学年を履修し、そのまま進学(卒業)を目指す選択肢があります。
高校を退学したり、別の高校に編入・転入する場合には何らかの手続きが必要となりますが、在籍高校にとどまる場合はその必要がないのが大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、1学年下の生徒と同じクラスになるため、部活などで交流がある場合は気まずくなる可能性もあります。また、出席日数が原因で留年が決まった場合は、同じ学校で次年度に基準をクリアできるのか慎重に考える必要がある
でしょう。
3.高卒認定試験に合格して大学・専門学校への進学を目指す
留年したあとに高卒認定試験を受けて進学を目指すのも、選択肢の一つです。高卒認定試験に合格すると、高校卒業と同等の学力が認められるため、高校を卒業しなくても大学や専門学校の受験資格を得られます
。
また、同じ学校にとどまって卒業を目指すよりも早く進学の準備を進められる可能性がある点も、留年後に高卒認定試験を受けるメリットです。高卒認定試験は、受験年度内に満16歳以上であれば受験できます。
高卒認定試験について詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご確認ください。
トライ式高等学院では「高卒認定」と「高卒資格」のどちらも目指せる
参照:通信制高校で大学進学|通信制高校・サポート校のトライ式高等学院
大学や専門学校を受験するには、「高卒認定」または「高卒資格」のどちらかを取得しなければなりません。どちらを取得すべきかは、個人の目標や状況によって異なるため、自分に合う方を選ぶようにしましょう。
トライ式高等学院では、高卒認定と高卒資格のどちらも目指すことができます
。専任の講師と一緒に将来についてじっくりと考えられるため、自分に最適な進路を見つけられるでしょう。
また、トライ式高等学院は個別カリキュラムを採用しているため、途中で目標を変えたり、両方の資格を同時に目指したりと、柔軟な対応が可能です。
高卒認定は、高卒認定試験に合格することで高校卒業と同程度の学力が認められるものです。しかし、高校を卒業したことにはならないため、大学・専門学校に進学しない場合、最終学歴は「中卒」となることに注意が必要です。
一方、高卒資格は高校を卒業することで取得できる資格で、最終学歴は「高卒」となります。
4.就職活動をする
経済的な問題が原因で留年した場合や、もう1年分の学費を払うのが難しい場合は、高校を退学して就職活動をするのも選択肢の一つです。
若いうちから社会経験を積むことで、社会人としてのスキルやマナーを早期に習得できるため、将来のキャリア形成に役立つ可能性があります。
ただし高校を退学した場合、学歴は中卒となるため、希望する企業や職種によっては就職が難しい場合もあるでしょう。キャリアアップを目指すのであれば、いずれ高卒資格や高卒認定を取得する選択肢も頭に入れた上で、就職活動をする
ことをおすすめします。
高校の留年に関するよくある質問
高校の留年に関してよくある質問を以下にまとめました。
- Q.高校の留年は何回までできる?
- Q.高校を留年しやすい人の特徴は?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Q.高校の留年は何回までできる?
留年できる回数として多くの高校で採用されているのは「1回まで」です。1回留年したあと、再度留年することが決まった場合は、退学を求められることが多いと言えます。
ただし、学校によっては2回以上留年しても問題ない場合や、そもそも留年回数の規定を設けていない場合もあります。在籍高校の留年できる回数は、校則や進路指導ガイドラインなどを確認する
ようにしてください。
Q.高校を留年しやすい人の特徴は?
次のような特徴がある方は、高校を留年しやすい傾向にあると言えます。
- 生活習慣が乱れている
- 学習習慣が定着していない
- 自己管理が苦手
- 勉強のモチベーションが低い
- ストレスやプレッシャーを抱えている
これらの特徴に当てはまる場合、留年の原因となる「出席日数」や「成績」の基準を満たせない可能性があるでしょう。
ただし、留年しやすい人の特徴に当てはまっていたとしても、学習環境や生活を改めたり、周囲に頼ったりすることで留年を回避することができる
かもしれません。「当てはまっている特徴がある」と思った方は早めに対策し、より良い学校生活の基盤を作りましょう。
まとめ
本記事では、高校を留年する基準や、留年したあとの選択肢について詳しく解説しました。
高校の留年が決まる基準には、主に「出席日数」と「成績」の2つがあります。
また、留年が決まったあとの選択肢として考えられるのは、次の4つです。
- 在籍高校にとどまりもう1年同じ学年を履修する
- 他の高校に編入・転入する
- 高卒認定試験に合格して大学・専門学校への進学を目指す
- 就職活動をする
何らかの事情があって留年が決まったとしても、未来が閉ざされるわけではありません。留年後にどのような選択肢があるのかを知り、冷静に対処することで、自分にとってより良い選択ができる
でしょう。