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小論文の書き方を徹底解説!評価のポイントや出題形式、基本ルール

小論文の書き方を徹底解説!評価のポイントや出題形式、基本ルール

「小論文の書き方やルールがわからない」

「時間内に最後まで書ききれる自信がない」

「小論文の添削でなかなか良い評価を得られない」

入試に小論文があるものの、基本的なルールや書き方がわからず焦っている方もいるのではないでしょうか。

小論文の書き方は学校の授業でほとんど扱われず、他の試験内容に比べて対策が遅れやすい傾向にあります。そこで本記事では、小論文の基本的なルールや具体的な書き方を徹底解説します。

評価のポイントについても解説しているため、入試に小論文がある方や、小論文の点数をアップさせたい方はぜひ参考にしてみてください。

小論文とは?評価のポイントと出題形式

小論文とは?評価のポイントと出題形式

まずは小論文の基礎知識として、作文との違いや評価のポイント、出題形式について詳しく解説します。

  • 小論文とは?論理性・客観性が求められる
  • 大学入試で頻出!小論文の出題形式

小論文の基礎をしっかり理解したうえで対策すれば、効率的に点数を上げられるでしょう。

小論文とは?論理性・客観性が求められる

小論文とは、あるテーマに対して自分の意見を論理的に述べる文章です。

どうしてそのように判断したのか、そう考える根拠は何かを、データや具体例を用いながら読み手に説明します。「小さい論文」と書くように、小論文では読み手が納得できるように自分の意見を伝えることが大切です。

そのため、根拠を基に筋道立てて説明する「論理性」と、自分の感情ではなく事実に基づいて説明する「客観性」の両方が求められます。

小論文と作文の違い

小論文と同じように文章を書くものには、作文や感想文があります。しかし、小論文と作文・感想文には大きな違いがあるため、書き方には注意が必要です。

それでは、小論文と作文・感想文には具体的にどのような違いがあるのでしょうか。主な違いを以下の表にまとめました。

項目小論文作文・感想文
文章の特徴自分の意見を根拠を用いながら説明する体験したことや思ったことを主観的に書く
文学的な表現技法基本的に使用しない必要に応じて使用する
評価のポイント論理性・客観性感受性・表現力
文章の構成序論・本論・結論特になし
文体「だ・である」で統一「だ・である」「です・ます」のどちらかに統一

たとえば、「夜食をとること」について、意見や感想を書く場合を見てみましょう。

小論文の場合

夜食をとることは夜間の集中力を高めるのに効果的であると考える。夜食をとると脳に栄養が補給されるため、夜間に勉強や仕事をする場合の集中力が上がる。ただし、夜食をとる際は量に注意しなければならない。血糖値が急激に上がると、インスリンの分泌による反動によってその後血糖値が急激に下がるため、強い眠気やだるさを感じやすくなる。夜間の集中力を高めるためには、腹6〜8分目を意識して夜食をとることが大切だ。

作文・感想文の場合

私は、深夜にとる夜食が好きだ。深夜にラーメンやスナック菓子などのカロリーが高いものを食べるのは、特別感と背徳感があってたまらない。しかし、「遅い時間に食事をすると太る」と母に言われたことがあり、頻繁には食べないように気をつけている。

このように、小論文では根拠を用いて読み手を納得させられる文章を書くことが求められます。一方の作文や感想文は、自分の意見や感想をそのまま書けばOKです。

両者の違いを理解し、小論文として求められている書き方をすることが、点数アップのカギといえるでしょう。

大学入試で頻出!小論文の出題形式

小論文の出題形式は大学によってさまざまです。以下の表に主な出題形式をまとめましたので、志望校の出題形式を把握する際の参考にしてください。

出題形式特徴
テーマ型指定されたテーマについて自分の意見を述べる
データ等の記載がないため受験生の知識量が重要
課題文読解型提示された課題文を読み解いて自分の意見を述べる
課題文の要点をまとめる設問が出題されることもある
資料分析型設問に対してグラフや表などのデータを基に論述する
データから正確な情報や変化を読み取る力と意見を伝える力の両方が必要

最近は、「課題文読解型」や「資料分析型」が多く出題される傾向にあります。

また、出題されるテーマや課題文、グラフなどは大学・学部によって異なるものの、いずれの形式も現代社会で問題となっている事例に関する出題が多いようです。

そのため、過去問で志望校の小論文の傾向を把握するとともに、志望している学部・学科に関する時事を新聞やニュースでチェックしておくとよいでしょう。

小論文を書くプロセスは?押さえておくべき3つのステップ

小論文を書くプロセスは?押さえておくべき3つのステップ

小論文を時間内に書ききるためには、以下3つのステップに沿って考えることが大切です。

  1. 出題の趣旨と条件を把握する
  2. メモを使って論点や主張・意見を整理する
  3. 主張・意見を論理的に書ける構成を作る

それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。

1.出題の趣旨と条件を把握する

まずは問題文を丁寧に読み、出題の趣旨や条件を把握することが大切です。

構成がどれだけしっかりできていたとしても、趣旨を理解できていないと評価の対象から外れてしまう可能性があります。

たとえば、問題に「具体例を挙げながら意見を述べよ」と書いてあるにもかかわらず、具体例が記載されていないといった場合です。

出題の趣旨や条件の把握に漏れがあると、見直しの際に大きく修正しなければならないかもしれません。

こうした事態を避けるためにも、求められていることを正確に把握し、趣旨や条件に沿って自分の意見をまとめるように心がけましょう。

2.メモを使って論点や主張・意見を整理する

求められていることを把握できたら、どのような論点でどのような主張や意見を述べるかといった構成を考えます。主張や意見は、明確な理由や根拠と併せて述べることが大切です。

ただし、構成の展開方法をすべて頭の中で考えようとすると、混乱したり、要点の抜け漏れが発生したりする可能性があります。

そのため、自分の立場や主張などを含めたざっくりとした全体の構成を、まずはメモに書き出しましょう。

構成をメモに書き出す際の注意点

メモ書きを作り込みすぎると、解答用紙に記述する時間や見直す時間がなくなる可能性があるため注意が必要です。
メモ書きに時間を取りすぎないよう、キーワードやポイントを簡単に書き出す程度にすると、時間内に小論文を書ききれるでしょう。

3.主張・意見を論理的に書ける構成を作る

求められている条件の把握や全体の大まかな構成ができたら、それらを論理的に書けるよう構成をブラッシュアップしていきます。

小論文の基本的な構成は「序論→本論→結論」です。それぞれの構成の具体的な書き方については、「構成ごとに解説!小論文の書き方」で詳しく解説していますので、確認してみてください。

主張したいことが「序論→本論→結論」の流れになるように、メモ書きに記号や図などを加えながら内容を膨らませていきましょう。

この際、使用する具体例や理由だけでなく、根拠を入れる位置までしっかりと決めておくと、要点漏れのない一貫性のある文章になります。

トライのオンライン個別指導塾では小論文対策授業をマンツーマンで受けられる

参照:《公式》トライのオンライン個別指導塾│授業満足度No.1

トライのオンライン個別指導塾には、小論文対策プランがあります。小論文の書き方から、志望校の過去テーマでの実践・添削など、一人ひとりに必要な対策を提案の上実施します。

志望校の出題形式に合わせて、効率的に小論文対策を進められるでしょう。

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構成ごとに解説!小論文の書き方

構成ごとに解説!小論文の書き方

指定の文字数が600~800文字程度の小論文の場合、基本的には「序論→本論→結論」の構成で書きます。

各構成のポイントは次のとおりです。

  • 序論|提示された問題文に対する自分の主張を書く
  • 本論|具体例や客観的なデータをもとに根拠を示す
  • 結論|再度自分の主張を書いて文全体をまとめる

ここでは、「少子高齢化の解決策を具体的に800字程度で述べよ」というお題が出題されたとして、各構成に書くべき内容や具体的な書き方の一例を解説します。

〇解答例

各構成に書くべき内容や具体的な書き方の一例

それでは、以下で各構成の中身を詳しく見ていきましょう。

序論|提示された問題文に対する自分の主張を書く

小論文において、序論は重要な役割を担います。

初めに自分の主張をしっかりと提示することで、「これからどのような意見を論じるのか」を読み手が把握しやすくなるでしょう。

序論

日本では急速に少子高齢化が進行しており、これにより労働力不足や社会保障費の増大等の深刻な問題が生じている。これらの問題を解決するためには、子どもを産み育てやすい環境を整え、出生率を上げることが不可欠であると私は考える。(109字)

テーマは「少子高齢化の解決策を具体的に述べよ」のため、序論では少子高齢化についての問題提起と、それに対する自分の主張を述べます。

600〜800字程度の小論文の場合、序論の文字数は100字程度が目安です。

問題文をしっかりと読み、趣旨や求められている内容が反映されているかを確認しながら書くようにしましょう。

本論|具体例や客観的なデータをもとに根拠を示す

本論では、具体例や客観的なデータを提示しながら、自分の主張を深掘りしていく必要があります。

本論

私が考える具体的な解決策は、育児休業制度の充実だ。2022年の国民基礎生活調査によると、児童のいる世帯のうち三世代世帯は1割程度に過ぎず、大半を占める核家族世帯では、基本的に夫婦だけで子育てに取り組んでいる。育児休業を利用して子育てに専念できる環境を整えることで、育児への不安を軽減し、出生率を上げることができると考えられる。
現在の育児休業取得率は、女性が8割程度、男性が2割弱である。男性の取得率は女性と比較していまだに低いのが現状だ。一方、大企業の男性に限ると、育休等取得率は45%を超えることが厚生労働省の調査でわかっている。つまり、中小企業の男性の育児休業取得に大きな課題がある。

中小企業で男性の育児休業取得が進まない背景は大きく2つ考えられる。1つは、大企業に比べて給与が低く、育児休業を取得して収入が下がることを社員自身が避けることだ。もう1つは、大企業に比べて人員配置に余裕がなく、育児休業を取得する社員の代わりとなる人員を企業が確保できないことだ。どちらも中小企業が自ら解決することは難しい。
そこで、政府による対策が必要となる。政府が助成を強化し、中小企業でも育児休業をより取得しやすくすることで、男性全体の育児休業取得率を底上げすることができる。具体的には、育児休業給付の給付率を引き上げて育児休業取得中の収入低下を軽減したり、育児休業制度の整備に取り組む中小企業へ助成金を出したりすることが考えられる。(611字)

例では、「育児休業制度の充実」を具体的な対策として挙げています。育児休業制度が出生率の向上に貢献すると考える理由を述べたうえで、現状の育児休業制度の課題を考察し、その課題を解決する方法まで踏み込んでいます。

本論においては、客観的な事実を根拠として論を展開することが重要です。「児童のいる世帯の大半は核家族世帯」や「男性の育休取得率は女性と比べて少ない」というデータを根拠として盛り込むと、ぐっと説得力が増します。

客観的な事実をもとに小論文を書くには、ニュースや新聞などを日頃から見る習慣をつけ、時事問題への知識を付けておくことがおすすめです。特に小論文で問われやすい「少子高齢化」や「グローバル化」などの論点については、大まかなデータも頭に入れておくと良いでしょう。

また、与えられた課題文や資料の情報も根拠として活用できます。

600〜800字程度の小論文の場合、本論の文字数は500〜600字程度が目安です。

結論|再度自分の主張を書いて文全体をまとめる

結論では、本論で述べた根拠をもとに、問題に対する自分の主張を再度述べます

結論

このように政府の助成を通して育児休業制度を充実させ、出生率を向上させていくことが少子高齢化の解決策となると考える。特に中小企業の男性が育児休業を取得しやすくなるような制度設計が重要である。(94字)

600〜800字程度の小論文の場合、結論の文字数は100字程度が目安です。

基本的に序論と同じ内容を述べつつ、本論の展開をふまえてまとめるのがベターです。見直しの際は一貫性があるかを確認するようにしましょう。

減点には要注意!小論文の基本ルール

減点には要注意!小論文の基本ルール

最後に、小論文を書く際の基本的なルールを解説します。

小論文の内容とは別の部分で減点されてはもったいないため、以下6つの基本ルールを守って書くように心がけましょう。

  • 文字数は9割以上10割以下にする
  • 原稿用紙を正しく使う
  • 文章は「だ」「である」で統一する
  • 文学的・口語的表現は使わない
  • 誤字・脱字や誤った日本語表現に注意する
  • 略語・カタカナ語の使い方に注意する

それぞれのルールについて、詳しく解説していきます。

文字数は9割以上10割以下にする

回答条件として文字数が指定されている場合は、9割以上10割以下に収めることが一つの基準です。たとえば、800字以内の場合は720〜800字、300字以内の場合は270〜300字となります。

文字数指定がある場合、オーバーしてしまうと大幅な減点対象になる可能性もあるため、指定文字数を超えないように注意してください。句読点やかっこも1字として数えますので、気をつけて数えましょう。

また、200字「程度」といった指定がある場合は、差が指定文字数の1割以内(180〜220字)になるように心がけるとよいでしょう。

原稿用紙を正しく使う

原稿用紙を正しく使用することも重要なポイントの一つです。小論文を書く際は、原稿用紙のルールに従って書くようにしましょう。

以下に主な原稿用紙のルールをまとめました。

  • 促音(「っ」)は1マスに1字
  • 拗音(「ゃ」「ゅ」「ょ」)は1マスに1字
  • 句読点やかっこは1マスに1字(ただし句読点や閉じかっこが文頭にくる場合は、直前の行の最後のマスに文字と合わせて書く)
  • かぎかっこ(「」)を使うのは引用のみ
  • 縦書きの場合、数字は漢数字で書く(横書きの場合は算用数字も可)
  • 横書きで算用数字を用いる場合、1マスに2文字
  • アルファベットの小文字は1マスに2文字(大文字は1マスに1文字)

また、読みやすい小論文にするには、適切に段落分けを行うのも大切です。「序論」「本論」「結論」の区切りに加えて、内容が変わるタイミングで段落を分けると、構成や内容が読み手に伝わりやすくなります。

段落を変える場合は、文頭を1文字下げるのがルールです。

そのほか、一つの段落は2文以上で構成されている必要があるため、各段落が2文以上になっているかも意識しながら書きましょう。

文章は「だ」「である」で統一する

小論文は、「です」「ます」調(敬体)ではなく、「だ」「である」調(常体)で統一するのもルールの一つです。

丁寧な文章を意識して「です」「ます」調で書きたい方もいるかもしれませんが、小論文では「だ」「である」という言い切りの様式が好まれます。

「です」「ます」調が完全にNGというわけではありません。しかし、文章の中で異なる様式が混在すると大幅に減点される可能性があるため、「だ」「である」調で統一するのがよいでしょう。

文学的・口語的表現は使わない

小論文では、論理的な文章にするために、文学的表現や口語的表現を使わないようにしてください。

▼文学的表現

文学的表現とは、小説やエッセイなどによく用いられる技法で、主に次のようなものがあります。

  • 比喩
  • 倒置法
  • 体言止め
  • 擬人法
  • 省略法
  • 反復法

▼口語表現

口語表現とは、話し言葉を用いた表現です。論理的に記述すべき小論文に口語表現を用いると、ちぐはぐな印象になってしまうため、文語体(書き言葉)を用いるようにしましょう。

また、擬音語や擬態語などのオノマトペの使用も基本的にはNGです。「コツコツ」は「地道に」、「イライラ」は「いらだち」のような表現に置き換えて書くようにしてください。

誤字・脱字や誤った日本語表現に注意する

小論文を書く際は、誤字・脱字や誤った日本語表現にも注意する必要があります。

特に、以下のような「ら抜き言葉」や「重複表現」は無意識のうちに使ってしまうことが多く、気をつけなければなりません。

〇ら抜き言葉

  • 食べれる→食べられる
  • 考えれる→考えられる
  • 見れる→見られる
  • 寝れる→寝られる
  • 決めれる→決められる

〇重複表現

  • 違和感を感じる→違和感を覚える
  • 頭痛が痛い→頭が痛い
  • 犯罪を犯す→罪を犯す
  • 被害を被る→被害を受ける
  • 過半数を超える→過半数に達する

誤字・脱字や誤った日本語表現を使ってしまうと、注意力や文章力が足りないと判断される恐れがあるため、正しい文章を書くように心がけてください。

略語・カタカナ語の使い方に注意する

「スマホ」「UN」などの略語の使用は、小論文では基本的にNGです。「スマホ」は「スマートフォン」、「UN」は「国際連合」のように正式名称を用いるようにしてください。

ただし、出題文の中で略語が使われている場合は、同じ表現になっている場合に限り、略語の使用が可能です。

また、「リスペクト」などのカタカナ語は完全にNGではないものの、使い方に注意しましょう。カタカナ語が頻出すると「本当に言葉の意味をわかった上で使っているのだろうか?」と疑問を持たれる可能性もあります。

リスクを避けるため、日本語に言い換えられる場合は、なるべく日本語表現を用いるようにするとよいでしょう。

まとめ

まとめ

本記事では、小論文の評価ポイントや基本的なルール、具体的な書き方について解説しました。

小論文を書く際は、以下のポイントに注意して書くと、得点アップが期待できるでしょう。

  • 論理的・客観的な文章になっているか
  • 根拠となる具体例やデータがあるか
  • 読み手にとってわかりやすい文章になっているか

また、小論文を書く際に意識したい基本的なルールは、次のとおりです。

  • 文字数は9割以上10割未満にする
  • 原稿用紙を正しく使う
  • 文章は「だ」「である」調で統一する
  • 文学的・口語的表現は使わない
  • 誤字・脱字や誤った日本語表現に注意する
  • 略語・カタカナ語の使い方に注意する

志望校の入試に小論文がある方は、ぜひ本記事を参考にして効率的に小論文対策を行ってくださいね。