指定校推薦とは、高校が特定の大学と提携し、優秀な生徒を推薦する入試制度です。
合格率が非常に高いことや早い段階で進学先が決まることがメリットで、指定校推薦での受験を希望する受験生も多くいます。
しかし、「指定校推薦はどのような流れや選考内容なのか」「指定校推薦に受かるためのポイントはなにか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
そこで本記事では、指定校推薦の流れや選考内容、成功のための対策ポイント
を解説します。
指定校推薦での合格を目指す受験生や保護者の方は、ぜひ最後までお読みください。
トライのオンライン個別指導塾では、指定校推薦に合格するための小論文・面接対策を、マンツーマン授業で徹底サポート!受験日から逆算してあなただけのオーダーメイドカリキュラムを作成します。
「小論文の書き方に自信がない」・「独学での対策が不安」という方は、トライのオンライン個別指導塾にお気軽にご相談ください。
\トライのオンライン個別指導塾について詳しくみる!/
この記事の目次
指定校推薦とは?スケジュールや出願基準・条件を解説
指定校推薦の基礎知識を、以下の4つのポイントに分けて解説します。
- 指定校推薦は学校推薦型選抜の一つ
- 指定校推薦のスケジュール
- 評定平均が重要!指定校推薦の出願基準・条件
- 指定校推薦を利用するメリット
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
指定校推薦は学校推薦型選抜の一つ
指定校推薦は、学校推薦型選抜の一つです。学校推薦型選抜には大きく分けて「指定校推薦」と「公募推薦」の2種類があります。
指定校推薦は、大学が指定した高校の生徒のみが出願できる制度です。
指定校は、大学が高校の進学実績や信頼関係にもとづいて選定します。そのため、指定校推薦を行っている大学でも、指定校に定められていない高校の生徒はこの推薦制度を利用できません。
指定校推薦では、まず高校内で候補者の選考が行われます。各高校には大学から割り当てられた推薦枠があり、応募者の人数が推薦枠を超えた場合は、高校内で選抜が実施されます。
校内選考では、評定平均(内申点)が特に重視されます。テストの成績や授業態度、部活動やボランティアなどの課外活動、出席状況なども評価の対象となることがあります。
ただし、具体的な選考基準は高校によって異なります。
公募推薦との違いは?
公募推薦は全国の高校生が出願できる制度で、大学が定めた出願条件をクリアし、学校長の推薦があれば出願できる推薦型選抜です。
指定校推薦と公募推薦の違いを下記の表にまとめました。
項目 | 指定校推薦 | 公募推薦 |
対象校 | 大学が指定した高校に限定される | 指定された高校だけでなく全国の高校生が対象 |
出願条件 | ・校内選考により推薦される生徒が決定される ・専願が条件 | ・評定平均の基準を満たし学校長からの推薦があれば応募できる ・専願を求める場合が多いが併願可能な場合もある |
合格の確実性 | 校内選考を通過すれば合格がほぼ確約されることが多い | 指定校推薦ほどの合格の確実性はない |
指定校推薦と公募推薦は、どちらも学校長の推薦が必要で、高校での成績や活動実績が重視される点は共通
しています。
どちらの推薦制度もそれぞれのメリットとデメリットがあるため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
指定校推薦のスケジュール
指定校推薦のスケジュールの目安は、以下のとおりです。
- 6月~8月:募集要項の発表
- 7月~10月:校内選考
- 10月~11月:出願
- 11月~12月:試験
- 12月~1月:合格発表
上記のとおり、指定校推薦は一般選抜と比べて選考スケジュールが早いため、多くの場合年内に合格が決まります。
ただし、このスケジュールは一般的なもので、大学や高校によって多少異なる場合があります。具体的なスケジュールは、学校の進路指導室や担任の先生に確認すると良いでしょう。
より詳しい指定校推薦の流れについては、「指定校推薦の流れ」で解説します。
評定平均が重要!指定校推薦の出願基準・条件
指定校推薦の主な出願条件は、以下のとおりです。
▼評定平均
多くの大学では、5段階評価で最低でも3.8以上が求められます。上位校では4.5以上が必要な場合もあります。
▼欠席・遅刻日数
規定の日数以下であることが条件です。「3年間で10日以内」、「遅刻3回で欠席1回にカウント」とされることが多いものの、大学によって規定が異なります。
▼英検®などの資格
一部の大学では、英検®などの資格取得が必要です。
▼校内選考の通過
詳しい選考内容については後述しますが、高校内での選考を通過する必要があります。
評定平均は、高校1年生から3年生までの成績を合計し、科目数で割ったものを指します。高1からの成績が重要となるため、早い段階からの対策が必要です。
また、指定校推薦は基本的に専願なため、合格した場合は他の大学を受験することはできません。出願する前にしっかりと自分の意思を固め、保護者にも相談しておきましょう。
指定校推薦を利用するメリット
指定校推薦を利用する主なメリットは、2つあります。
▼高い合格率
指定校推薦のメリットの一つは、合格率が非常に高いことです。あらかじめ推薦枠という形で受験者数が限定されているため、よほど大きな失敗をしない限りは合格できると言われています。
ただし、医学部などの専門性が高い学部を受験する場合、必ず合格できるとは限りません。特に医学部は、指定校推薦でも大学によって2~4倍程度の倍率となっています。
▼進学先の早期決定
早い段階で進学先が決まるため、一般入試のような競争率の高い環境を避けられ、受験のプレッシャーやストレスが軽減されます。高校生活の最後の期間を余裕を持って過ごせるでしょう。
また、進学先が早期に決まることで、大学生活に向けた準備を計画的に進められます。たとえば、下宿先を探したり、大学で勉強する分野の予習をしたりすることができます。
指定校推薦を利用することで、こうしたメリットを受けながら、スムーズに進学先を決められるでしょう。
指定校推薦の流れ
指定校推薦の流れを、以下のポイントに分けて詳しく解説します。
- 校内選考
- 出願準備・出願
- 入試・合格発表
指定校推薦を受けるにあたり、校内選考を通過することは第一関門であり、最重要ポイントです。指定校推薦を検討している方はぜひ参考にしてください。
校内選考
指定校推薦の校内選考は、大学から推薦依頼を受けた高校が、推薦する生徒を決定するものです。
各高校には大学から割り当てられた推薦枠があり、応募者が推薦枠を超えた場合は、高校内で選抜が実施されます。時期の目安は7月〜10月頃です。
校内選考では、以下のような基準が重視されます。
- 評定平均
学業成績が重要な要素で、高校3年間の成績が評価されます。 - 出欠席状況
欠席や遅刻が少ないことが求められます。 - 生活態度
授業態度や校内での行動が評価されます。 - 部活動や課外活動
部活動や生徒会活動、ボランティア活動なども評価の対象となります。
出願準備・出願
校内選考に通過したら、出願準備・出願を行います。時期の目安は10月~11月頃です。
出願準備では、主に以下のような準備が必要です。
- 出願書類の作成
- 小論文の練習
- 面接練習
出願では、締切日までに書類を作成し、学校のチェックを受けて出願します。
入試・合格発表
指定校推薦の入試選考では、大学によって課される内容がさまざまです。主に、以下のような選考方法がとられています。
- 書類選考:調査書や推薦書、志望理由書などを提出する
- 小論文:指定されたテーマにもとづいて小論文を書くことが求められる
- 面接:個人面接が行われ、志望動機や自己PRなどが問われる
大学によっては、口頭試問やプレゼンテーションの他、大学入学共通テストの受験を指定校推薦の条件として求める場合もあります。
入試は11月頃、合格発表は12月頃です。
指定校推薦で課される主な選考内容と対策・準備のポイント
ここからは、指定校推薦の選考で求められる内容を詳しく説明します。
また、それぞれの選考内容に対して、どのような対策や準備が必要なのかについても解説します。
- 志望理由書
- 面接
- 小論文
それぞれの選考内容について、詳しく見ていきましょう。
志望理由書
指定校推薦の志望理由書は、指定校推薦の出願時に提出する書類の一つです。主に以下のような内容を含みます。
- 志望理由:なぜその大学・学部・学科を志望するのか
- 大学での目標:大学で何を学びたいのか・どのような活動をしたいのか
- 将来の目標:大学卒業後にどのようなキャリアを目指しているのか
志望理由書は、学力だけでは測れない生徒の意欲や主体性を評価するための重要な書類です。具体的なエピソードや経験を交えて、自分の強みや大学への適性をアピールすることが求められます。
指定校推薦の志望理由書を書くときには、以下のポイントを押さえると良いでしょう。
▼志望理由
なぜその学校や学部を志望するのかを具体的に書きます。
たとえば、特定のカリキュラムや教授陣、研究施設などに魅力を感じた理由を述べると良いでしょう。
▼自己PR
自分の強みやこれまでの経験、成果をアピールします。
学業だけでなく、部活動やボランティア活動なども含めて、自分がどのように成長してきたかを具体的に書くと良いでしょう。
▼将来の目標
その学校で学ぶことで、将来どのような目標を達成したいのかを明確にします。
具体的な職業や研究テーマなどを挙げると良いでしょう。
志望理由書は、自己分析をしっかり行い、自分の長所や興味を明確にすることや志望校の特徴を理解し、自分との結びつきを見つけることが大切
です。
指定校推薦でも募集要項にアドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)が記載されていることが多く、受験するなら確認しておいたほうがよいでしょう。自分がその大学・学部の求める学生像と一致していることをアピールできます。
自分の言葉で、自分らしさを表現することを心がけてください。
面接
指定校推薦の面接でよく聞かれる質問と回答のポイントは、以下のとおりです。
- 志望理由:なぜその大学・学部を志望したのか具体的に説明しましょう。
- 自己PR:自分の強みや高校時代の経験をアピールします。
- 大学で学びたいこと:大学で何を学びたいのか、将来の目標などを話しましょう。
- 部活動や課外活動:高校時代に取り組んだ部活動や課外活動について質問されることがあります。
面接の際には、リラックスして自分の言葉で話すことが大切です。とはいえ、面接の雰囲気に緊張してしまう方も多いのではないでしょうか。
模擬面接を数多く行い、実際の面接に似た雰囲気に慣れておくことで、当日の緊張を和らげられるでしょう。
また、模擬面接を通じて他人からのフィードバックを受けることで、改善点を見つけられます。
小論文
指定校推薦の小論文では、限られた時間内に指定されたテーマに沿って自分の意見を論理的に述べることが求められます。
小論文の対策方法は以下のとおりです。
▼各問題形式に慣れておく
テーマだけが提示される問題形式、課題文がある問題形式、要約問題がつく問題形式など、さまざまな形式に対応できるように練習を重ねることが重要です。
▼志望学部と関連しそうなテーマで練習を繰り返す
志望学部に関連する内容の基礎知識を身につけ、自分なりの主張を考えておきましょう。
上記のポイントを押さえて、制限時間内に自分の意見を論理的に組み立てられるように対策を進めていけば、小論文の試験でも良い結果を出せるはずです。
小論文のコツをより詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
トライのオンライン個別指導塾では志望大学の傾向に合わせた対策が可能
参照:高校生のオンライン個別指導プラン – トライのオンライン個別指導塾
トライのオンライン個別指導塾では、生徒一人ひとりのニーズに合わせたサポートを提供しています。
「総合型選抜・推薦入試対策」コースでは、志望大学に合わせた小論文添削や志望理由書、PRシートの書き方など専任の教師による丁寧な指導を受けられます。
面談から最短3日で授業をスタートでき、短期間の利用も可能です。
また、地元の塾では見つかりにくい「推薦入試対策に強い教師」が多数在籍
しています。指定校推薦で重視されるポイントも押さえ、マンツーマン指導で徹底的にサポートします。
指定校推薦の利用を検討している方は、ぜひ一度体験授業にご参加ください。
早めの準備が重要!指定校推薦の対策ポイント
指定校推薦のスケジュールや選考内容など、概要について解説してきました。
指定校推薦に合格するためには、早めの準備が重要です。
ここでは、指定校推薦合格に向けて講じておきたい対策ポイントを解説します。
- 高校1年生から授業・定期テストにしっかり取り組む
- 英検®などの資格取得や課外活動に積極的に取り組む
- 部活動や生徒会活動などの学校活動に積極的に参加する
- 欠席・遅刻を極力少なくする
指定校推薦対策全般にあたるポイントを解説していくため、ぜひ参考にしてください。
高校1年生から授業・定期テストにしっかり取り組む
指定校推薦を目指すためには、高校1年生から授業や定期テストにしっかり取り組むことが重要です。
なぜなら、授業や定期テストで良い評価を得ることは、校内選考を突破するために重要な評定平均を高めることに直結するためです。
評定平均は高校1年生から高校3年生までの成績の平均で算出されるため、高校3年生から頑張っても必要な評定平均に届かない場合があります。
したがって、高校1年生から高い評定の点数をコツコツと積み上げることが大切です。
高校の定期テスト対策についてより詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
個別教室のトライでは学校のカリキュラムに合わせた定期テスト対策が可能!
参照:高校生の個別指導 – 個別教室のトライ【個別指導塾・学習塾】
個別教室のトライでは、定期テスト・内申点対策から資格対策まで幅広く対応しています。具体的には、以下のとおりです。
- 定期テスト対策:各学校の出題傾向に合わせた指導が可能です
- 内申点対策:提出物のサポートや学校の授業内容に沿った指導を通じて、内申点アップを目指します
個別教室のトライの授業は完全マンツーマンで行われるため、生徒一人ひとりのペースや目標に合わせて効率的に学習を進めることが可能です。
英検®などの資格取得や課外活動に積極的に取り組む
英語の資格試験やさまざまな課外活動での実績は、指定校推薦の校内選考で高く評価されることがあります。
語学力の高さや自分の興味・行動力をアピールするためにも積極的に取り組みましょう。
<資格の例>
・英検®
・TOEIC
・簿記
<課外活動の例>
・習い事
・サークル活動
・ボランティア活動
英検®などの資格は、指定校推薦の出願条件として定められている場合もあります。
そのため、志望する大学については早い段階から出願条件などを調べ、必要な資格を計画的に取得しましょう。
英検®と大学受験の関係性についてより詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
部活動や生徒会活動などの学校活動に積極的に参加する
指定校推薦を目指す場合は、部活動や生徒会活動などの学校活動に積極的に取り組むことが大切です。
なぜなら、指定校推薦の校内選考では、評定平均以外にも部活動や生徒会活動などの学校活動への意欲も評価の対象になることがあるためです。
たとえば、以下のような行動が、校内選考での評価を高めるポイントになります。
- 部活動や生徒会で役職に就いてリーダーシップを発揮する
- 部活動を最後までやり遂げることで忍耐力や継続力をアピールする
このように、学校活動で優れた実績を残したり、リーダーシップや忍耐力などの人物像を示したりすることが、指定校推薦の校内選考を有利に進めるコツといえるでしょう。
欠席・遅刻を極力少なくする
欠席・遅刻回数も、校内選考の際に評価の対象になる場合があります。そのため、欠席・遅刻もなるべく少なく抑えましょう。
欠席・遅刻を少なくするためには、体調管理をしっかり行い、風邪やインフルエンザなどの病気を予防することが大切です。
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけましょう。
学校の先生に指定校推薦を利用したいことを早めに伝える
担任の先生や進路指導の先生に、指定校推薦を利用したい意向を早めに伝えておくことも実は重要です。
高校によっては学校ごとの推薦枠や推薦可能な人数など、指定校推薦の情報をオープンにしていないことも多く、あらかじめ先生に伝えておくことで出願条件や校内選考の情報が手に入ることもあります。
まだ指定校推薦を利用するか決めていない生徒や高校1年生の生徒でも、興味があればまずは相談してみることをおすすめします。
指定校推薦に関するよくある質問
最後に、指定校推薦にまつわるQ&Aを用意しました。
- 指定校推薦に落ちることはある?
- 指定校推薦と総合型選抜の違いは?
気になる質問があればぜひ回答をチェックしてください。
指定校推薦に落ちることはある?
指定校推薦は、校内選考を通過すれば落ちることはほぼありません。
指定校推薦は、学校が推薦する生徒を大学が受け入れる制度であり、通常は推薦枠を獲得した時点で合格がほぼ確定しています。
ただし、推薦後に犯罪行為や重大な校則違反が発覚した場合は、合格が取り消される場合があります。
指定校推薦は非常に高い合格率を誇りますが、油断せずにしっかりと準備をして臨むことや、合格後も取り消されないように注意して学校生活を送ることが大切
です。
また、医学部などの専門性が高い学部を受験する場合、必ず合格するとは限りません。並行して一般選抜などへの受験勉強も進めておきましょう。
指定校推薦と総合型選抜の違いは?
総合型選抜(旧AO入試)は、学力だけでなく、人物評価を重視する入試方式です。
指定校推薦と総合型選抜の違いを以下の表にまとめました。
項目 | 指定校推薦 | 総合型選抜 |
出願条件 | ・学校長からの推薦が必要 ・指定された高校の生徒のみが出願できる | ・高校の推薦は不要 ・大学が求める学生像にもとづいて選抜される |
評価基準 | ・高校時代の成績が重視される ・評定平均値や調査書が重要 | ・学力だけでなく意欲や人物像などが重視される |
選考方法 | 小論文や面接が一般的 | 書類選考・小論文・面接・グループディスカッションなど多様な評価方法が用いられる |
どちらの方式も、それぞれの強みや適性に応じて選ぶことが大切です。
総合型選抜についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
まとめ
本記事では、指定校推薦の流れや選考内容、成功のための対策ポイントについて解説しました。
指定校推薦は、高い合格率と早期に進路決定できるメリットがありますが、校内選考や評定平均などの出願条件をクリアする必要があります。
指定校推薦を成功させるための対策ポイントは、次の4つです。
- 高校1年生から授業・定期テストにしっかり取り組み評定を上げる
- 英検®などの資格取得や課外活動に積極的に取り組む
- 部活動や生徒会活動などの学校活動に積極的に参加する
- 欠席・遅刻を極力少なくする
指定校推薦を目指す方は、この記事を参考に、早めの準備と対策を始めましょう。
指定校推薦を目指す高校生や保護者の方にとって、この記事が合格への一歩となることを願っています。