「通信制高校は進学や就職に不利なの?」
「通信制高校に入学・転入するのはやめておくべき?」
通信制高校は、全日制・定時制とは異なる学習方法で高卒資格の取得を目指す高校です。
毎日通学する必要がなく自分のペースで学習できる一方、さまざまな不安要素があり入学・転入するか迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、「通信制高校はやめとけ」と言われる理由や解決策、通信制高校に進学するメリットを解説します。
通信制高校への進学にあたって不安や疑問を解消しておきたい方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
通信制高校はやめとけと言われる理由と解決策
「通信制高校はやめとけ」と言われる理由は、主に次の5つです。解決策も併せて表にまとめました。
「通信制高校はやめとけ」と言われる理由 | 解決策 |
大学進学が難しい | 大学進学サポートが充実した通信制高校を選ぶ |
就職が不利になる | スキル・資格を取得する |
卒業が難しい | サポートが充実した通信制高校を選ぶ |
学費が高い | 高等学校等就学支援金を利用する |
友だちを作りづらい | 課外活動が充実している通信制高校を選ぶ |
通信制高校はネガティブな印象を持たれがちですが、生活スタイルや学力、将来の目標に合った高校を選ぶことで、有意義な学校生活を送れます。
通信制高校への進学を後悔しないために、解決策もしっかりと押さえておきましょう。
大学進学が難しい|大学進学サポートが充実した通信制高校を選ぶ
「通信制高校はやめとけ」と言われる理由の一つが、全日制高校に比べて通信制高校の大学進学率が低い傾向にあることです。
文部科学省の学校基本調査によると、令和4年度における全日制・通信制高校の大学進学率は以下のとおりでした。
高校 | 卒業者 | 大学等進学者 | 大学等進学率 |
全日制高校 | 944,498 | 581,464 | 61.6% |
通信制高校 | 76,624 | 18,454 | 24.1% |
通信制高校は自宅学習が基本です。そのため教師の指導を受ける機会が少なく、勉強量が不足したり十分な指導が受けられなかったりすると、大学受験に不利になる可能性があります。
大学進学の難しさを解消するためには、大学進学サポートが充実している通信制高校
を選ぶのがおすすめです。
「大学進学コース」を用意している高校や、一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜など、さまざまな入試形式に対策してくれる高校を選びましょう。
高い大学進学率・合格実績を誇るトライ式高等学院では大学受験対策も可能
参照:通信制高校で大学進学丨通信制高校・サポート校のトライ式高等学院
通信制高校と並行して「通信制高校サポート校」を利用するのも一つの手です。
通信制高校サポート校では、通信制高校に通う生徒が3年間で卒業できるように、学習面・精神面でさまざまな支援をしています。
通信制高校サポート校であるトライ式高等学院は、学習面・精神面のサポートだけでなく、「家庭教師のトライ」で長年にわたり培った受験対策のノウハウを生かした大学進学支援も充実。
難関国公立大・私立大学への合格者も多数輩出しています。実際、令和6年度におけるトライ式高等学院の大学進学率は69.8%
と、一般的な通信制高校の大学進学率の24.1%を大幅に上回っています。
参照:トライ式高等学院で志望校合格を実現|通信制高校・サポート校のトライ式高等学院
参照:学校基本調査 / 令和5年度 初等中等教育機関・専修学校・各種学校 卒業後の状況調査 卒業後の状況調査票(高等学校 通信制)
一人ひとりの生活スタイルや学力に合わせて個別の学習計画を作成するため、通信制高校からでも無理なく大学進学を目指せます。
就職が不利になる|スキル・資格を取得する
通信制高校は、就職の際に不利になるイメージを持たれがちです。しかし、実際の就職率は、全日制高校よりも通信制高校のほうが高いという結果が出ています。
高校 | 卒業者 | 就職者 | 就職率 |
全日制高校 | 944,498 | 130,128 | 13.8% |
通信制高校 | 76,624 | 11,398 | 14.9% |
参照:学校基本調査 令和5年度 初等中等教育機関・専修学校・各種学校 卒業後の状況調査 卒業後の状況調査票(高等学校 全日制・定時制)
参照:学校基本調査 令和5年度 初等中等教育機関・専修学校・各種学校 卒業後の状況調査 卒業後の状況調査票(高等学校 通信制)
上記の結果から、通信制高校に進学したからといって就職に不利になるとは限らないことがわかります。
ただし、目指すキャリアを実現するためには、在学中から専門スキルを身につけたり資格を取得したりするなど、就職活動に備えることが大切です。
通信制高校は登校日数が少なく時間の融通が利くため、学業と並行しながらスキル・資格の取得に向けた勉強
もできます。
近年はメイクアップやプログラミング、トリミングなど専門スキルを学べる私立の通信制高校が増加傾向です。将来に役立つ知識や技術を身につけることで、就職活動をより有利に進められるでしょう。
卒業が難しい|サポートが充実した通信制高校を選ぶ
通信制高校は自宅学習が基本なため、卒業するためには自分で学習計画を立てて勉強を進める自己管理能力が求められます。
しかし、実際に自己管理を行うことは難しく、卒業までに時間がかかったり途中で諦めたりするケースもあるため、「通信制高校はやめとけ」と言われがちです。
文部科学省の調査によると、令和4年度における通信制高校の中退率は全日制よりも高い傾向にあります。
高校 | 中退率 |
全日制高校(公立) | 0.8% |
全日制高校(私立) | 1.4% |
通信制高校(公立) | 5.0% |
通信制高校(私立) | 3.5% |
参照:令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について丨文部科学省
通信制高校を無事に卒業するためには、日々の学習サポートが充実している高校
を選びましょう。
個別指導による学習サポートや、小・中学校の学習範囲を学び直せる環境が整っていると、学力に不安がある方でも安心して勉強に取り組めます。
より手厚いサポートで確実に卒業を目指す場合は、通信制高校サポート校の利用も検討してみてください。
トライ式高等学院では一人ひとりの状況に合わせた丁寧なサポートを実施
参照:オープンキャンパス受付中丨不登校からの大学進学を目指すならトライ式高等学院
トライ式高等学院では、一人ひとりの状況に合わせ、以下の2つのコースと3つの受講スタイルを用意し、丁寧なサポートを実施しています。
コース | ・普通科 ・特進科 |
受講スタイル | ・通学型 ・在宅型 ・オンライン型 |
参照:通信制高校で大学進学丨通信制高校・サポート校のトライ式高等学院
「まずは高校卒業を目指したい」という方には、普通科がおすすめです。3年間で通信制高校を卒業できるよう、基礎学力の定着からレポート作成までマンツーマンでサポートします。
受講スタイルはいつでも変更できるほか、状況に応じて自由に組み合わせながら利用
することも可能です。
学習の自己管理や通学が難しい方でも、トライ式高等学院のサポートを受けながら通信制高校に通うことで、安心して卒業を目指せます。
学費が高い|高等学校等就学支援金を利用する
学費が高いことを理由に、「通信制高校はやめとけ」という声もあります。
しかし、東京都を例に挙げると、公立高校の学費は全日制よりも通信制のほうが安いと言えます。
高校(公立) | 入学金 | 授業料(年間) |
全日制高校 | 5,650円 | 118,800円 |
通信制高校 | 500円 | 8,400円 (336円/単位で年間25単位修得する場合) |
参照:都立高等学校、中等教育学校(後期課程)の授業料・入学料及び特別支援学校高等部の授業料について|東京都教育委員会
下の表はあくまで目安となりますが、私立高校の学費は、公立高校よりも全体的に高めです。
高校(私立) | 入学金 | 授業料(年間) |
全日制高校 (令和4年度平均) | 164,196円 | 445,174円 |
通信制高校 | 45,200円 | 215,000円 (8,600円/単位で年間25単位修得する場合) |
私立高校は、コースやサポート体制の充実度によって学費が大きく異なり、施設設備費や通信費などを加えるとさらに高くなります。
とはいえ、私立高校の場合も通信制は全日制に比べて学費が安い傾向にあるため、必ずしも進学先から外すべきとは言い切れません。
通信制高校の学費を抑えたい場合は、文部科学省の「高等学校等就学支援金制度」
を利用しましょう。
高等学校等就学支援金制度とは、年収910万円未満の世帯向けに授業料相当の支援金を給付する制度です。
通信制高校の場合、単位あたりの授業料が以下の支給限度額におさまる範囲内であれば、実質無償で授業を受けられます。
- 公立通信制高校:336円
- 私立通信制高校:4,812円
授業料の負担が軽くなることで、通信制高校を進学先として選びやすくなるでしょう。
友だちを作りづらい|課外活動が充実している通信制高校を選ぶ
通信制高校は、全日制高校のように毎日通学するわけではありません。
通信制高校で登校するタイミングは、主に以下の2つです。
- 教師から直接指導を受けるスクーリング
- 文化祭・体育祭などの学校行事や部活動
一般的に、公立の通信制高校では2週間に1回程度の頻度でスクーリングが行われます。私立の通信制高校の場合は、週1~5回・月1~2回・年間5回程度など、学校によってスクーリングの頻度はさまざまです。
また多くの通信制高校では、部活動の実施回数も全日制高校に比べて少ない傾向にあります。
このように、通信制高校は登校日数が少ないことから、同級生と対面で交流する機会が少なく、友人関係を築きにくいのが現状です。
通信制高校で友だちを作るためには、課外活動が充実している高校
を選ぶようにしましょう。
登校日数が少ない通信制高校でも、課外活動が充実している学校を選ぶことで同級生と接する機会が増え、新たな友人関係を築けるはずです。
トライ式高等学院では参加自由なサークル活動や部活動が充実
参照:オープンキャンパス受付中丨不登校からの大学進学を目指すならトライ式高等学院
通信制高校サポート校であるトライ式高等学院も、参加自由な部活動やサークル活動が充実しています。
体育祭や文化祭などの行事はもちろん、種類豊富な部活動やサークル活動を通して共通の趣味を持つ友だちが見つかり、親交を深められます。
また、オンラインのイベントも実施しているため、全国規模で友だちを作れるでしょう。
トライ式高等学院で実施している行事やイベントへの参加は自由
です。生活スタイルや体調に合わせて好きな活動に参加することで、友だちとの思い出をたくさん作れます。
どのような人に向いている?通信制高校に進学するメリット
通信制高校への進学を考えている中で「やめとけ」と言われると、不安になる方が多いでしょう。
しかし、通信制高校に進学すると以下3つのメリットを得られます。
- 自分のペースで学習できる
- 時間に融通が利くため無理なく卒業を目指せる
- 高卒資格を取得できる
毎日学校に通わずに自分のペースで効率よく高校を卒業したい人にとっては、通信制高校が進路の幅を広げる良い選択肢となるでしょう。
自分のペースで学習できる
通信制高校は毎日通学する必要がないため、自分に合ったペースでカリキュラムを組み立て、学習できる点がメリットです。
通信制高校を卒業するためには、必履修科目を含めて74単位以上を修得しなければなりません。単位修得のためのレポートの提出やスクーリングは必要ですが、それ以外の時間は基本的に自由に学習できます。
周りのペースを気にせず苦手分野の勉強に時間をかけられるため、勉強に自信がない方でもストレスを抱えることなく学習できるでしょう。
また、学校によっては生徒の体調に合わせて登校日数の調整も可能
です。さまざまな事情で通学が難しい方は、登校日数を調整できる通信制高校を選ぶと安心して学校生活を送れます。
学力に不安のある方や無理のないペースで通学したい方は、通信制高校への進学を検討してみましょう。
時間に融通が利くため無理なく卒業を目指せる
通信制高校は、規定の通学日数を満たせば毎日通学しなくても卒業できます。そのため、さまざまな事情で通学が難しい方でも無理なく卒業を目指せる点がメリットです。
たとえば、社会人の方や芸能・スポーツ活動をしている方は、仕事や活動の合間に勉強を進めることで単位を修得できます。
資格取得に励んでいる場合も、通信制高校に進学すれば時間に融通が利くため資格試験のための勉強と高校卒業の両立が可能
です。
不登校の経験がある方や体調に不安がある方でも、登校のタイミングを自由に決められる通信制高校を選ぶことで、心理的・身体的な負担を軽減できます。
このように、通信制高校は一人ひとりのライフスタイルに合わせながら、卒業に向けて無理なく学習できる環境が整っています。
サポート体制は学校によって異なりますが、さまざまな制限がある中でも高卒資格を取得したい方には、通信制高校がおすすめです。
高卒資格を取得できる
通信制高校を卒業すると、全日制高校と同様に大学などへの受験資格や高卒の学歴を得られる「高卒資格」を取得できます。
そのため、通信制高校を卒業した場合でも、就職活動や大学受験では基本的に全日制高校の卒業者と同じ扱いを受けられます。
「全日制高校に通うのは難しいけれど、高卒資格を取りたい」という方には、通信制高校への進学がおすすめです。
なお、高卒資格と似た言葉に「高卒認定」
があります。
高卒認定は高校を卒業していない人が対象で、「高校を卒業した人と同程度の学力がある」と認定する資格です。高卒認定を取得すると、高卒資格と同様に大学などへの受験資格を得られます。
高卒認定を取っても高校を卒業していないことに変わりはないため、学歴は高卒にならず中卒のままである点には気をつけましょう。
以下の記事では、高卒資格と高卒認定の違いを詳しく解説しています。高卒認定の取得も視野に入れている方は、ぜひ参考にしてください。
通信制高校に関するよくある質問
ここからは、通信制高校に関するよくある質問2つについて回答します。
- Q.通信制高校が向いていない人の特徴は?
- Q.失敗しない通信制高校の選び方は?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Q.通信制高校が向いていない人の特徴は?
以下の特徴に当てはまる人は、通信制高校には向いていない可能性があります。
- 自己管理能力が低い人
- 自主的に勉強できない人
通信制高校は自宅学習が基本となるため、単位修得に向けて計画的に勉強を進めなければなりません。
自己管理能力が低いと、レポート提出が遅れたり、登校日の授業に参加できなかったりするため、単位を取れなくなってしまうのです。
自主的に勉強できない人も、レポート提出や試験対策を先延ばしにしてしまい、卒業の機会を逃す可能性があります。
上記に当てはまる方は、学習サポートが充実している通信制高校
を選びましょう。
学習計画の策定やメンタルケアなどの手厚いサポートを受けることで、卒業できる可能性を高められます。
Q.失敗しない通信制高校の選び方は?
通信制高校は、学校によって教育方針や学費、選べるコースなどが異なります。
通信制高校の選択で失敗しないためには、サポート体制の充実度はもちろん、以下のポイントも押さえておきましょう。
- 公立か私立か
- どんな勉強ができるのか
- スクーリングの仕組みが自分に合っているか
公立の通信制高校と私立の通信制高校では、学費が大きく違います。一般的に、私立の通信制高校のほうが公立よりも学費が高めに設定されていますが、その分サポートも手厚い傾向があります。
学費も考慮しつつ、生活スタイルや希望の進路
に合わせて公立か私立かを判断しましょう。
また、登校して授業を受けるスクーリングの仕組みが自分に合っていることも重要です。学校・コースによって頻度や形態がさまざまなので、自分の生活・学習スタイルに合ったスクーリングの形態を選びましょう。
自分に合った学習形態の通信制高校を選ぶことで、単位を落とさずスムーズに卒業を目指せます。
以下の記事では、通信制高校の選び方について詳しく解説しています。全国に約300校ある通信制高校の中から最適な学校を選びたい方は、ぜひ参考にしてください。
まとめ
この記事では、「通信制高校はやめとけ」と言われる理由や解決策、通信制高校に進学するメリットを紹介しました。
「通信制高校はやめとけ」と言われる理由や解決策は、以下のとおりです。
「通信制高校はやめとけ」と言われる理由 | 解決策 |
大学進学が難しい | 大学進学サポートが充実した通信制高校を選ぶ |
就職が不利になる | スキル・資格を取得する |
卒業が難しい | サポートが充実した通信制高校を選ぶ |
学費が高い | 高等学校等就学支援金を利用する |
友だちを作りづらい | 課外活動が充実している通信制高校を選ぶ |
卒業や進学に向けてより手厚いサポートを受けたい方は、通信制高校サポート校の利用も検討しましょう。
ネガティブな印象を持たれがちな通信制高校ですが、さまざまなサポートを受けながら計画的に勉強を進めることで、将来の目標に大きく近づけます。
「やめとけ」と言われると不安になりますが、今の自分にとって最適な選択肢は何か
を考え、通信制高校に進学するかどうかを決めることが大切です。
本記事を参考に、通信制高校への理解を深め、進学の準備を進めましょう。