「通信制高校に転入・編入を検討している」
「転入と編入の違いやそれぞれの仕組みを知りたい」
「どのように転入・編入手続きをするのか知りたい」
通信制高校への転入や編入は、学びの多様性に応える選択肢として注目されています。とはいえ、「転入」と「編入」の違いや、どちらを選ぶべきなのかがよくわからない
という方もいるのではないでしょうか。
本記事では、通信制高校への進学および転入・編入を検討している方に向けて、以下を解説します。
- 通信制高校への転入・編入とは
- 通信制高校に転入・編入する4つのメリット
- 高校3年生で通信制高校に転入・編入する場合のポイント
今の高校で取得した単位をできるだけ引き継ぎ、次の学校に前向きに進めるように準備しましょう。
この記事の目次
通信制高校への転入・編入とは?どちらを選ぶべき?
通信制高校への「転入」と「編入」。
この2つは、似ているようで明確な違いがあります。
- 転入とは
- 編入とは
- どちらを選ぶべきか
これらについて詳しく解説します。
転入|高校をやめずに別の高校に移る
「転入」とは、現在在籍している高校から別の高校に移る、いわゆる「転校」
のことです。
現在の高校をやめずに通学先の学校を変えるため、空白期間が生じません。そのため、同級生と同じタイミングで高校卒業を目指すことができます。
転入は主に、在学中の高校と合わない場合や、家庭の事情で引越しが必要な場合に選ばれることが多い手段です。
具体的には、以下のような転入理由が挙げられます。
- 現在の学校環境が合わない
- 不登校などで今の学校に通えなくなってしまった
- 生徒自身の学習スタイルと学校の方針が合わない
- 家庭の事情で同じ学校に通うことが難しい
特に通信制高校への転入の場合、全日制高校とは異なり、登校日が少なく家庭学習が中心
になります。つまり、生徒が自分のペースで学べる環境が整っているのです。
全日制高校で毎日決められた時間に通学することが難しくなり、転入を検討する方も多いです。
また、通信制高校では単位制が採用されていることが多く、転入生は前の学校で取得した単位をそのまま引き継ぐことができる場合も多いです。そのため、転入によって学習の進度に遅れが出ることなく、スムーズに新しい学校生活をスタートできるでしょう。
編入|高校を中退してから別の高校に入学する
一方の「編入」とは、現在の高校を一度やめてから、新たに別の高校に入学する
ことを指します。そのため、現在高校に在籍している場合は、一度中退してから編入先の高校に再入学となることに注意が必要です。
編入を検討する理由として、以下のような場合が考えられます。
- 一度高校を中退したけれど再び高校に通いたい
- 高校を留年し、そのまま中退してしまったが、卒業資格がほしい
高校に編入することで、過去の学業の中断を乗り越えて学びを再開できるのです。
特に通信制高校への編入では、これまでの学習履歴が評価され必要な単位数や学習内容が調整されるため、効率的に学びを進めることができます。
ただし、編入先の通信制高校によっては入学時期が決まっていることがあるため、どの学校にも所属しない空白時期ができることがあります。
空白時期があると、卒業のタイミングが同級生とずれてしまう
ため注意しましょう。
転入と編入のどちらを選ぶべき?
転入か編入か悩んでいる、つまり、まだ今通っている学校を中退していない場合は転入
がおすすめです。
通信制高校に転入と編入のどちらをしたとしても、入学後の学習や高卒資格を得られることに大きな違いはありません。
ただし、現在別の高校に在籍している場合は、転入のほうがよりスムーズに卒業を目指せます。転入は随時受け入れている通信制高校が多く、入学までの空白期間が生じにくいためです。
一方編入の場合は、前の高校を中退するため、履歴書を書く場合に「◯◯高校 中退」と記載しなければなりません。中退は悪いことではないものの、気になる場合は転入を選ぶことで、履歴書への記載が不要になります。
また、編入(退学)のデメリットとして、高校在籍期間が途切れる場合、同級生と同じタイミングで卒業するのが難しくなります。
高校の卒業要件として「36ヶ月の在籍」を満たす必要があり、1日でも「どの高校にも在籍していない日」があると3年では卒業できなくなるためです。
転入・編入のどちらも選択できる状況であれば、転入を選ぶ方が多いでしょう。
通信制高校に転入・編入する4つのメリット
通信制高校に転入・編入するメリットは以下の4つです。
- 3年間で高校卒業を目指せる
- 全日制高校と同様に高卒資格を得られる
- 自分のペースで学習できる
- 個別指導やサポートを受けられる場合がある
それぞれのポイントを一つずつ解説します。
1.3年間で高校卒業を目指せる
全日制高校で留年の危機に陥っている場合、通信制高校への転入・編入は強い味方になるかもしれません。
- すでに留年が決まっている
- 留年しそうで困っている
こういった場合に通信制高校に転入・編入すると、3年間で卒業できる可能性があります。
各学年で取得する単位が決まっていて1つでも取得できないと留年する全日制高校と異なり、単位制の通信制高校では年間の取得単位数をある程度自由に決められ、足りない単位を柔軟に取得
することができるのです。
そのため、たとえ全日制高校で留年の危機にあったとしても、最低限必要な単位を取得できていれば、通信制高校への転入・編入によって当初と変わらない3年間での卒業を目指せる場合があります。
ただし、卒業までの期間は単位取得状況やそのほかの卒業要件によって異なるため、必ずしも3年間で卒業できるとは限りません。
特に編入の場合、高校在籍期間が1日でも途切れると3年(元々の高校と同じタイミング)で卒業できなくなるため注意が必要です。
事前に通信制高校の教員や進路担当者に相談し、3年間での卒業が可能かどうかを確認しておきましょう。
2.全日制高校と同様に高卒資格を得られる
通信制高校を卒業すれば、「高等学校卒業資格(高卒資格)」を取得できます。
この資格は、進学や就職の際に必要な学歴として正式に認められており、全日制高校を卒業した場合と同様のものです。多くの人が想像する「高卒」という最終学歴は、高卒資格を持っている状態を指します。
特に、正式な高卒資格を必要とする職業や進学先を目指す場合、通信制高校の卒業は将来につながる道筋となるでしょう。
また、高卒資格と似た資格として「高卒認定」があります。高卒認定試験は、高校を卒業していない人が大学受験資格などを得るための試験です。合格すると、高卒と同等の学力があると認められます。
ただし、「高卒認定」と「高卒資格」は大きく異なるものです。
高卒認定は、あくまで「高等学校卒業者と同等の学力がある」ことを証明するものであり、正式な高等学校卒業資格(高卒資格)ではありません。そのため最終学歴は「中卒」のままであり、履歴書の資格の欄に「◯年◯月 高等学校卒業程度認定試験合格」と記載します。
全日制高校と同様の高卒資格を得たい場合、通信制高校に転入・編入して卒業を目指すのがおすすめです。
3.自分のペースで学習できる
通信制高校は毎日通学する必要がなく、登校日数も少ない
ため、生徒は自分のスケジュールに合わせて学習できます。
- 不登校で通学が難しくなってしまった
- 起立性調節障害で全日制高校での学習が難しい
- 長時間の通学が負担
こうした困りごとがある方でも、自宅で学べる通信制高校ならば自分のリズムで学習することが可能です。精神的・身体的負担を軽減しながら自分のペースで卒業を目指せると言えるでしょう。
4.個別指導やサポートを受けられる場合がある
通信制高校や通信制高校サポート校によっては、生徒一人ひとりのニーズに合わせ、以下のようなサポートを提供しています。
- 学習面での個別指導
- 進路選択に関する相談
- 生活面でのサポート
特に、大学進学に力を入れている通信制高校や通信制高校サポート校では、大学受験向けの制度も
整えています。
- 大学受験に向けた特別なカリキュラム
- 受験対策講座
- 模擬試験の実施
- 専門の進路指導カウンセラーによるアドバイス
このように制度が整っている通信制高校・サポート校を選ぶことで、全日制高校でなくても受験本番に向けてしっかりと準備することができます。
自分の学力や進路に自信が持てずに通信制高校に転入・編入した場合でも、個別対応の指導を受けながら、目標に向かって確実に進むことができるでしょう。
通信制高校は、生徒一人ひとりに寄り添い、学習と進路の両面でしっかりと支える環境を整えています。そのため、安心して学びを続けることができるのです。
トライ式高等学院では日頃の学習サポートから大学受験対策まで可能
トライ式高等学院は通信制高校サポート校として、通信制高校での学びにプラスアルファとなるサポート
を提供しています。
トライ式高等学院では、「特進科」「進学科」の2つのコースと「通学」「在宅」「オンライン」の3つの受講スタイルを組み合わせ、一人ひとりの生徒がその時々の希望に合ったスタイルで学習できます。
そのため、卒業に向けてスムーズに学習を進められるだけでなく、無理のないペースでキャンパスライフを充実させることができます。
また、トライ式高等学院では、「家庭教師のトライ」で長年にわたって培ってきた受験対策のノウハウとマンツーマン授業によって大学合格を目指せます。
一般的な通信制高校の大学進学率が24.1%(短期大学を含む)であるのに対し、トライ式高等学院は69.8%の進学率
を誇ります。
参照:
学校基本調査 / 令和5年度 初等中等教育機関・専修学校・各種学校 卒業後の状況調査 卒業後の状況調査票(高等学校 通信制)
通信制高校への転入・編入を考えている方は、ぜひトライ式高等学院の受講をご検討ください。
高校3年生で通信制高校に転入・編入したい!知っておきたいポイント
高校3年生で通信制高校に転入・編入する場合、以下の2点のポイントを押さえておきましょう。
- 高校3年生でも通信制高校への転入・編入は可能
- 時期によってはサポートを十分に受けられないこともある
それぞれについてを詳しく解説します。
高校3年生で通信制高校に転入・編入することは可能
高校3年生からでも、通信制高校に転入・編入することは可能です。
ただし、通信制高校には、3ヶ月~6ヶ月の最低在籍期間が定められている
場合があります。この場合、高校3年生の2学期以降に転入すると、卒業時期が同級生より遅くなる可能性があるため、事前に確認しておきましょう。
転入・編入時期によってはサポートを十分に受けられないことも
高校3年生の秋頃など、転入・編入時期が遅い場合は、以下のような懸念事項があります。
- 在籍期間が短くサポートを十分に受ける時間がない
- 大学進学を目指す場合、指定校推薦を受けられない
転入・編入のタイミングによっては、通信制高校や通信制高校サポート校のサポートを十分に活用できない可能性も。
特に大学受験を視野に入れている場合は、早めの転入・編入をおすすめします。
通信制高校の転入・編入に関するよくある質問
Q.不登校でも通信制高校に転入・編入できる?
通信制高校や通信制高校サポート校には、さまざまな事情を抱えて進学している生徒が多く、中には不登校サポートが充実している高校も
あります。
こうした理由から、不登校でも通信制高校に転入・編入することは十分可能です。自分のペースで学習を進めたり、サポートを受けたりしながら卒業を目指せるでしょう。
「トライ式不登校解決サポート」で根本的な不登校解決へ
トライ式高等学院は、通信制高校サポート校として、通信制高校での学びを支えるサポートを行っています。
また、トライ式高等学院では「トライ式不登校解決サポート」を実施しており、不登校の根本的な解決へ導きます。その結果、トライ式高等学院の卒業率は99.2%に達しています。
受講スタイルは「通学型」「在宅型」「オンライン型」の3種類。自宅から出られない場合は「在宅型」からスタートし、自宅でカウンセリングや授業を受けることも可能です。
その後、状況に応じて徐々に通学型に移行し、通学日数を増やすことを目指します。学校生活に慣れてきたら進路目標を設定し、対策を行います。
不登校が理由で通信制高校への転入・編入を検討している方は、不登校の方でも無理なく学習を進められるトライ式高等学院をご検討ください。
Q.通信制高校に転入・編入する際に必要な書類は?
手続きに必要な書類は、転入・編入・新入学(再入学)でそれぞれ異なります。
一般的な必要書類は以下のとおりです。
転入 | 編入 | 新入学 | |
必要書類 | ・在学証明書 ・学籍 ・就学状況証明書 ・成績 ・単位取得証明書 (現在在学中の高等学校が 発行したもの) | ・学籍 ・就学状況証明書 ・成績 ・単位取得証明書 (在籍していた高等学校が 発行したもの) | ・卒業中学校が発行した調査書 |
ただし、学校によって必要な書類が異なる場合がある
ため、転入・編入を検討している通信制高校の公式サイトや資料で確認しておきましょう。
Q.単位引継ぎの際に気をつけることは?
全日制高校は「学年制」を採用していることが多く、学年末まで在籍していないと単位を取得できません。全日制高校での単位とは、「科目の履修に必要な授業の時間数」を指します。
1単位を取得するには、35単位時間(1単位時間:50分)の授業を受ける必要があります。
たとえば、数学Aは2単位必要なため、70単位時間の授業を受ける必要があります。そのうえで、各学校の定期テストで一定以上の成績を修めて初めて「数学Aの単位取得」となるのです。
参照:高等学校標準授業時数
このような仕組みのため、学年末まで前の学校に在籍し単位を取得しておけば、転入・編入時に引き継ぐことができます。この点を必ず押さえておきましょう。
まとめ
本記事では、通信制高校への転入・編入について、それぞれの仕組みやメリット、高校3年生で転入・編入する場合のポイントについて解説しました。
通信制高校への転入・編入の仕組み
について、以下の3点を詳しく確認しました。
- 転入とは
- 編入とは
- どちらを選ぶべきか
特に、転入・編入のどちらも選択できる状況であれば、転入を選ぶ方が多いことを押さえておきましょう。
また、通信制高校に転入・編入する4つのメリットは以下のとおりです。
- 3年間で高校卒業を目指せる
- 全日制高校と同様に高卒資格を得られる
- 自分のペースで学習できる
- 個別指導やサポートを受けられる場合がある
さらに、高校3年生で通信制高校に転入・編入する場合に知っておきたいポイントは以下の2点です。
- 高校3年生でも通信制高校への転入・編入は可能
- 時期によってはサポートを十分に受けられないこともある
学びの多様性に応える選択肢として注目されている、通信制高校への転入と編入。今の高校で履修した単位を最大限引き継ぎ、次の学校に前向きに進めるよう、準備を整えましょう。