「通信制高校に入学・転入すると後悔するかも」
「通信制高校にはどんなデメリットがあるのだろう」
「後悔しないための選び方を知りたい」
通信制高校に興味はあるものの、入学・転入後に後悔するかもしれないという不安から、迷っている方もいるでしょう。
本記事では、通信制高校への入学・転入で後悔する理由と、後悔しない選び方について詳しく解説します。
通信制高校への入学・転入を検討している方
は、本記事を参考にして自分に合った進路を見つけましょう。
この記事の目次
通信制高校に入学・転入して後悔する理由
通信制高校に入学・転入して後悔する理由として考えられるのは、主に以下の4つです。
- 勉強やモチベーションの自己管理が難しい
- 大学受験対策・就職活動を自分で行う必要がある
- クラスメイトや教師との交流が少ない
- 通信制高校に対する世間の目が気になる
入学・転入後に後悔する可能性があるポイントをあらかじめ知っておくことで、通信制高校に対する戸惑いや不安を軽減できるでしょう。
それぞれの理由について、以下で詳しく解説します。
勉強やモチベーションの自己管理が難しい
通信制高校は課題を提出する「レポート」と単位認定試験を受ける「テスト」、通学する「スクーリング」で単位を取得します。
全日制や定時制高校のように毎日通学する必要がなく、自分のペースで学習を進められる点が通信制高校の大きな魅力です。
しかしその反面、自分で学習スケジュールを立てて計画的に学習する必要があるため、自己管理ができないと単位を取得できず、卒業が難しくなります。
また、以下の表は、同調査の通信制高校と全日制高校の大学進学率(※)をまとめたものです。
通信制高校 | 全日制高校 |
24.1% | 60.1% |
(※ 卒業率は小数第2位を四捨五入して算出)
以上のことから、通信制高校で卒業や大学進学、就職をスムーズに進めるためには、しっかりと計画を立てて目標に向かって取り組む
必要があります。
参照:文部科学省「学校基本調査 令和2年度」「学校基本調査 令和5年度」
大学受験対策・就職活動を自分で行う必要がある
大学受験や就職活動において自己管理が求められるのも、後悔する可能性があるポイントの一つです。
通信制高校では、進路指導や就職支援が限られている場合が多いため、情報収集や対策を自分で行う必要があります。
また、通信制高校はそもそも大学進学を目指す生徒が少ない傾向にあるため、全日制高校に比べてサポートが少ないと感じる場合もあるでしょう。
さらに、就活の面接では通信制高校を選んだ理由を質問される可能性があります。この質問に対しては、通信制高校を選んだ理由を前向きに説明することが大切です。
たとえば、「自分のペースで学べる環境を求めた」「特定の分野に集中して勉強したかった」など、自分の成長や目標に関連づけて話すと良いでしょう。
通信制高校で大学受験の対策や就職活動をする場合は、入念な準備を行うことが大切
です。
通信制高校の卒業要件
通信制高校を卒業するには、在籍期間、取得単位数、特別活動の単位数の3つの要件を満たす必要があります。具体的な卒業要件は、次のとおりです。
- 36ヶ月以上の在籍
- 74単位以上の取得
- 30単位時間以上の特別活動
上記の要件をクリアすることで、通信制高校を卒業できます。
通信制高校を卒業するためには、74単位以上の取得が必要です。毎日登校する代わりに、レポートやテスト、スクーリングで単位を取得します。
レポートやテスト、スクーリングの内容は学校によって異なりますが、週に数回の登校や、一定の期間学校に通う集中スクーリングが必要な場合
もあります。卒業要件や単位を取得する方法を確認し、計画的に単位取得に向けて学習を進めましょう。
クラスメイトや教師との交流が少ない
通信制高校は、全日制や定時制高校のように毎日通学する必要がなく、学業以外の時間を確保しやすいメリットがあります。この自由な時間を活かして、アルバイトや趣味など自分のやりたいことに打ち込むことが可能です。
しかし、このメリットが後悔につながる場合もあります。毎日通学しないためクラスメイトや教師との交流が少なく、友だちを作りにくかったり、教師との関係を築きにくかったりする可能性があるのです。
その結果、孤独感を抱く生徒も少なからずいると考えられます。また、行事やイベントなど、高校生ならではの思い出が作りにくく、学校生活の充実感を感じづらい
方もいるでしょう。
通信制高校に対する世間の目が気になる
通信制高校に対してマイナスイメージを持っている場合、世間の目が気になってしまうのも後悔するポイントの一つです。しかし、通信制高校の生徒数は年々増加しており、通信制高校は教育機関の一つとして広く認識されつつあります。
以下は、令和元年度から令和5年度における通信制高校の生徒数をまとめた表です。
年度 | 通信制高校の生徒数(人) |
令和元年度 | 197,696 |
令和2年度 | 206,948 |
令和3年度 | 218,389 |
令和4年度 | 238,267 |
令和5年度 | 264,974 |
表からもわかるように、通信制高校の生徒数は年々増えています。世間の目を気にしすぎる必要はない
といえるでしょう。
後悔しない!通信制高校を選ぶコツ
入学・転入してから後悔しないためには、さまざまな通信制高校の特徴を比較検討し、自分に合う学校を見極めることが大切です。
自分に合った通信制高校を選ぶコツは、以下4つです。
- 受講スタイルが合っているか
- サポート体制が充実しているか
- 進路に合った学習ができるか
- 学校の校風や教育方針が合っているか
以下でそれぞれのコツについて詳しく解説しますので、通信制高校を選ぶ際の参考にしてください。
受講スタイルが合っているか
通信制高校の受講スタイルは学校によって異なります。受講スタイルが合っていなければ学習が思うように進まないため、まずは自分に合った受講スタイルか確認することが大切です。
スクーリングの回数や授業の受け方(通学、在宅、オンラインなど)は、学校ごとに異なります。自宅学習が主体の通信制高校は、自分のペースで学べる点が魅力ですが、受講スタイルが合っていないと、通うのが難しくなったり、学習が不十分になったりする可能性があります。
たとえば、仕事や趣味、家庭などを勉強と両立させたい場合は、通学が多い通信制高校だと両立が難しくなる可能性があります。
また、自分でコツコツ勉強するのが苦手な方は、通学日数が少ないと学習が思うように進まないかもしれません。
そのため、通信制高校を選ぶ際は、無理なく、かつ十分に学習できるように自分の生活や学習スタイルに合った受講スタイルの学校
を選ぶと良いでしょう。
サポート体制が充実しているか
通信制高校は自宅学習が中心となるため、生徒一人ひとりに対する学習サポート体制がしっかりしている学校
を選ぶことが重要です。学習の進捗管理や進路相談、メンタルサポートなどが充実している学校を選ぶことで、無理なく卒業が目指せるでしょう。
サポート体制が充実していれば、以下のような事情があっても安心して学習を進められます。
- 過去に不登校の経験があり通学が不安
- 病気や障害で通学が難しい
- 中学卒業からブランクがある
- 家庭の事情で通学が難しい(介護や育児など)
- 近くに通信制高校がなく通学が難しい
また、学校によっては専門のサポート校があり、よりきめ細かな支援を受けることも可能です。次に紹介する通信制サポート校も、併せて参考にしてみてください。
通信制高校サポート校を利用するのも◎
通信制サポート校とは、通信制高校の生徒を対象に、卒業に向けたサポートを提供する学校です。通信制サポート校の利用には、主に以下のようなメリットがあります。
- 単位取得に向けた学習計画を作成してもらえる
- レポート作成や提出のフォローをしてもらえる
- 進路相談や大学受験の対策が受けられる
- 学習面や生活面の悩みを気軽に相談できる
通信制サポート校を利用することで、さまざまな事情や不安、悩みがあっても安心して通信制高校の卒業を目指せる
でしょう。
不登校の場合、不登校サポートコースのある通信制高校サポート校の利用がおすすめです。こうしたサポート校では、過去に不登校を経験した生徒向けの個別指導やカウンセリングが充実しており、安心して学習を進められる環境が整っています。
「トライ式不登校解決サポート」で根本的な不登校解決へ
参照:通信制高校・サポート校のトライ式高等学院。不登校・ひきこもりから大学進学!
トライ式高等学院は、通信制高校サポート校です。マンツーマン授業での学習サポートやカウンセリング、進路サポートなどを通して、通信制高校の生徒がより安心して学習できる環境を整えています。
また、「トライ式不登校解決サポート」を実施しているのも特徴。生徒一人ひとりに最適なサポートを行い、卒業率は99.5%を誇ります。そのため、不登校の経験がある方でも安心して卒業が目指せるでしょう。
トライ式不登校解決サポートは、「自宅型」「通学型」から選択が可能です。自宅から出られない場合は自宅型の「在宅コース」からスタートし、自宅でカウンセリングや授業を行います。
その後は様子を見ながら徐々に通学型に移行し、通学日数を増やしていくことが可能です。学校生活に慣れてきたら進路を設定し、就職や大学受験の対策を行うこともできます。
自分のペースで卒業や進路実現を目指せる
ことから、過去に不登校を経験した方にとって大きな助けとなるでしょう。
進路に合った学習ができるか
通信制高校のカリキュラムは幅広く、進学や就職に役立つ多様な学びを提供しています。そのため、大学進学や資格取得、専門分野の学習など、学校によってさまざまなコースが設けられているのが特徴です。
通信制高校に入学・転入してから後悔しないためには、自分の目標や進路に合わせて適切な学習環境を提供してくれる学校を選ぶことが重要です。
たとえば、「大学受験対策が充実している学校」や「専門技術の習得ができる学校」
など、希望する進路に合った学習ができる学校を選ぶと良いでしょう。
学校の校風や教育方針が合っているか
学校の校風や教育方針も、通信制高校を選ぶ際のポイントとなります。通信制高校の校風や教育方針は、学校によってさまざまです。以下の表に校風や教育方針の具体例をまとめました。
校風・教育方針 | 特徴 |
自由な校風 | ・生徒の自主性を尊重する ・個々のペースで学習を進められる |
サポート重視 | ・学習面や生活面でのサポートが手厚い ・個別指導やカウンセリングが充実している |
専門技術重視 | ・特定の分野や技術の習得に力を入れている |
通信制高校を選ぶ際は、校風や教育方針を確認し、自分の性格や価値観に合った学校を選ぶことが大切です。気になる学校があれば、資料請求をしたり、オープンキャンパスに参加したりし、実際の雰囲気を確かめておく
と良いでしょう。
学校の雰囲気や教育方針を確認しておくと、自分に合った通信制高校を見つけやすくなります。
トライ式高等学院はサークル活動・部活動から大学受験対策まで充実
参照:通信制高校で大学進学|通信制高校・サポート校のトライ式高等学院
トライ式高等学院のキャンパスは全国に123ヶ所あり、それぞれに参加自由なサークル活動や部活動が設けられているのが特徴です。友だちとの思い出をたくさん作れる環境が整っており、学業だけでなく学校生活も楽しめます。
また、トライ式高等学院は大学受験対策も充実しており、「家庭教師のトライ」で培ってきたノウハウとプロ講師の指導で大学合格が目指せるのも魅力です。
一般的な通信制高校の大学進学率は20%弱ですが、トライ式高等学院の大学進学率は69.8%
。サポート体制と活動環境が万全に整っているため、学習と学校生活の両方を充実させられるでしょう。
通信制高校に関するよくある質問
通信制高校に関してよくある質問をまとめました。
- 転入・編入するとき前の高校の在籍期間や単位は加算される?
- 通信制高校の入学・転入・編入時期は?
- 通信制高校で高卒資格を取得できる?
- 通信制高校の学費目安は?
それぞれの質問について、詳しく解説していきます。
Q.転入・編入するとき前の高校の在籍期間や単位は加算される?
多くの通信制高校では、前の高校での在籍期間や単位を引き継ぐことが可能です。在籍期間や単位が加算されると、卒業までの期間を短縮できる場合があります。
転入・編入の出願に必要な書類は、主に次のとおりです。
- 転入(編入)学願書
- 在籍証明書
- 単位取得証明書
- 成績証明書
- 転学照会(転入学の場合)
必要書類は学校ごとに異なる場合があるため、転入・編入を検討している方は、早めに希望する学校に問い合わせて必要書類や手続き方法を確認
しておきましょう。
Q.通信制高校の入学・転入時期は?
通信制高校の入学、転入時期は、学校によってさまざまです。たとえば、年間を通して随時受付を行っている学校もあれば、学年の始めのみ、年に4回など決まった時期にしか受け付けていない学校もあります。
通信制高校への入学、転入、編入をスムーズに進めるためには、早めに情報収集を始めることが大切です。希望する学校の公式サイトを見たり、直接問い合わせたり
して、出願時期と入学時期を早めに確認しておきましょう。
Q.通信制高校で高卒資格を取得できる?
通信制高校でも、全日制や定時制高校と同様に高卒資格を取得できます。
通信制高校とよく似たものに「高校卒業程度認定試験」(以下、高認と記載)があり、「高認でも良いのでは?」と思っている方もいるかもしれません。通信制高校、高認ともに高卒認定は受けられますが、最終学歴が異なるため注意が必要です。
通信制高校は履歴書の最終学歴に「高卒」と書けますが、高認の合格者はその後に大学などを卒業しない限り「中卒」となります。就職などの関係で学歴を「高卒」にしたい方は、通信制高校を利用すると良い
でしょう。
Q.通信制高校の学費目安は?
多くの通信制高校は、1単位あたりの授業料をもとに、生徒の履修単位数によって学費が決まります。通信制高校の卒業に必要な単位は74単位以上となっており、1単位あたりの授業料を少なくとも74倍した費用が通信制高校の学費となります。
私立、公立における1単位あたりの授業料と、学費の目安を以下の表にまとめました。
私立 | 公立 | |
1単位あたりの授業料 | 6,000~12,000円 | 336~700円 |
74単位取得する場合の学費 | 444,000~888,000円 | 24,864~51,800円 |
また、通信制高校は高校卒業が主な目的であるため、大学受験対策が不十分になる可能性があります。大学進学を目指す場合は、通信制高校とは別に塾や予備校に通う必要があるため、「通信制高校の学費+塾の費用」の合計額で検討
しましょう。
大学受験を検討している場合は、通信制高校サポート校の利用がおすすめです。通信制高校のカリキュラムに沿ってさまざまなサポートを受けられるため、高校卒業と大学進学を同時進行で効率よく目指せます。
また、通信制高校サポート校の費用は、連携校の学費に上乗せされる場合と、サポート校の学費の中に通信制高校の学費が含まれる場合があります。連携校の学費に上乗せされる場合でも、通信制高校とは別に塾に通うより安くなることがあるため、費用面が不安な方は、通信制高校サポート校を利用するのも一つといえるでしょう。
まとめ
本記事では、通信制高校への入学・転入で後悔する理由と、後悔しない選び方について詳しく解説しました。
通信制高校への入学・転入で後悔しやすいポイントは、次のとおりです。
- 勉強やモチベーションの自己管理が難しい
- 大学受験対策・就職活動に自己管理が必要になる
- クラスメイトや教師との交流が少ない
- 通信制高校に対する世間の目が気になる
ただし、これらのポイントを理解したうえで、自分に合った通信制高校を選べば、入学・転入後に後悔する可能性が少なくなるでしょう。
また、通信制高校を選ぶ際は、以下4つのコツを参考にして選んでみてください。
- 受講スタイルが合っているか
- サポート体制が充実しているか
- 進路に合った学習ができるか
- 学校の校風や教育方針が合っているか
本記事を参考にして自分に合った通信制高校を選び、自分のペースで学校生活を楽しみましょう。