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通信制高校に留年はない?入学~卒業までの流れや卒業要件を解説

通信制高校に留年はない?入学~卒業までの流れや卒業要件を解説

「通信制高校で留年することはあるのか知りたい」

「通信制高校の卒業要件には何があるのだろう」

「入学してから卒業するまでの流れを知りたい」

通信制高校への入学を検討している方や、現在在籍している方にとって、留年のリスクは気になるポイントの一つといえます。

結論から述べると、通信制高校では単位制が採用されており、留年する心配はありません。ただし、留年することがなくても、卒業要件を満たさなければ卒業はできないため注意が必要です。

本記事では、通信制高校に留年がない理由や具体的な卒業要件、入学から卒業までの流れを解説します。

本記事を参考に、安心して通信制高校での卒業を目指しましょう。

通信制高校には留年という考え方がない理由とは?

通信制高校には留年という考え方がない理由とは?

通信制高校には、一般的な全日制・定時制高校のような「留年」というシステムが存在しません。高校の制度には「学年制」と「単位制」の2種類があり、このうち「単位制」の高校には留年がないのです。

ここでは、高校の制度や通信制高校での留年の扱いについて、以下の見出しで解説します。

  • 学年制高校・単位制高校の違い
  • 「単位制」の通信制高校では留年という考え方がない

通信制高校に留年がない理由について詳しく見ていきましょう。

学年制高校・単位制高校の違い

通信制高校に留年がない理由を説明する前に、まずは学年制高校と単位制高校の違いについて解説します。

学年制高校と単位制高校の違いを下表にまとめました。

学年制高校単位制高校
1年間で取るべき単位数学年ごとに決まっている決まっていない
留年の有無一つでも単位を落とすと留年する留年がない
留年した場合の履修単位もう一度すべて取り直す必要がある取得した単位は累積される
主な高校全日制高校・定時制高校通信制高校

学年制高校では、学年ごとに決められた単位数を取得しなければならず、取得できなかった単位が1つでもある場合は留年となります。留年した場合、前年に落とした単位が1つだけであっても、その学年の単位をすべて取得し直す必要があるため、注意が必要です。

一方、単位制高校は、学年ごとに取得しなければならない単位数が決まっていません。科目ごとに取得すべき単位数は決まっているものの、「いつ取得するか」は自由なため、留年する心配がないのです。

「単位制」の通信制高校では留年という考え方がない

単位制の通信制高校では、学年に縛られずに単位を積み上げられます。留年というシステムがそもそも存在しないため、年度ごとに進級の可否を気にする必要がなく、自分のペースで単位を取得することができるのです。

また、通信制高校は最短3年で卒業することが可能ですが、3年で卒業することが当たり前というわけではありません。3年以上かけて卒業することもできるため、仕事や趣味、体調などとバランスを取りながら、自分のペースで学習を続けられます

たとえば「働きながら4年かけて卒業したい」「不登校の経験があるため、体調に合わせてゆっくり卒業を目指したい」といった場合に適しています。

通信制高校は柔軟性が高い

全日制高校で留年が決まった場合でも、通信制高校に編入し残りの単位を取得すれば、3年で卒業できる可能性があります。こうした柔軟性も、通信制高校の魅力の一つといえるでしょう。

通信制高校の卒業要件は?

通信制高校の卒業要件は?

ここまでで、通信制高校には留年がないことがわかりました。しかし、なかには「通信制高校は具体的に何を満たせば卒業できるの?」と疑問に思っている方もいるでしょう。

通信制高校の卒業要件としては、以下3つが挙げられます。

  • 36ヶ月以上の在籍
  • 74単位以上の取得
  • 30単位時間以上の特別活動

通信制高校を卒業するには、これらの要件を満たすために、計画的に学習を進めることが大切です。それぞれの卒業要件について、以下で詳しく確認していきましょう。

36ヶ月以上の在籍

通信制高校を卒業するためには、最低でも36ヶ月以上在籍する必要があります。

「必要な単位数を早く取得したら、2年で卒業できるのだろうか」と思う方もいるかもしれませんが、それはできません。卒業に必要な単位数をすべて取得したとしても、在籍期間が36ヶ月未満の場合は卒業ができないのです。

ただし、通信制高校に36ヶ月間在籍しなければならないわけではなく、転入や編入の場合は、以前在籍していた高校での期間を加算できることがあります。そのため、途中から通信制高校に転入・編入した生徒も、適切な期間で無理なく卒業できるでしょう。

74単位以上の取得

74単位以上の取得も、通信制高校を卒業する要件の一つです。通信制高校には留年がないものの、1年間で取得できる単位数には上限があるため、3年での卒業を目指したい方は注意しましょう。

多くの学校では、1年間で取得できる単位数の上限を35単位前後としています。3年で通信制高校を卒業したい場合は、計画的に単位を取得する必要があるでしょう。

転入・編入の場合は単位の引継ぎも可能

転入や編入の場合は、以前在籍していた高校で取得した単位を通信制高校の単位に加算することができます。ただし、すべての単位が認められるわけではなく、加算できない場合や、追加の手続きが必要となる場合もあるため、条件を必ず確認してください。

単位を取得するために必要なことは?

通信制高校で単位を取得するためには、「スクーリング」「レポート」「テスト」の3つが必要です。それぞれの特徴を下表にまとめました。

単位取得の方法特徴・具体的な要件
スクーリング・学校やスクーリング会場で教師から直接指導を受ける
・学校が指定する日程で実施される
・指定された参加日数や時間を満たす必要がある
レポート・自宅学習の理解を深めるために作成する
・各教科で学んだ内容について自宅でまとめる
・期限内に提出しなければならない
・指定された内容を学習して理解している必要がある
テスト・主に学期末に行われる試験
・学習した内容の理解度を測る
・基準点以上の点数を獲得する必要がある
・スクーリングとレポートを完了していないと受けられない

最終的に単位を取得するためには、単位認定試験と呼ばれるテストに合格する必要があります。また、テストを受けるにはスクーリングとレポートの要件をクリアしている必要があるため、注意してください。

通信制高校は全日制や定時制高校と比べて通学日数が少なく、ほとんどが自宅での学習になります。自己管理ができないと74単位を取得することは難しいため、卒業時期などの具体的な目標を立て、単位取得に向けて計画的に学習を進めましょう。

30単位時間以上の特別活動

通信制高校では、通常の学習に加えて30単位時間以上(1単位時間=50分)の特別活動も必須です。特別活動とは、文化祭やクラブ活動など、学校生活を豊かにするためのさまざまな活動を指します。

特別活動の具体例を以下にまとめました。

  • 文化祭
  • 体育祭
  • クラブ活動
  • ボランティア活動
  • ホームルーム活動
  • 修学旅行
  • 遠足

通信制高校を卒業するには、学業だけでなく、さまざまな活動に積極的に参加することが求められます。特別活動の内容や日数は学校によって異なりますが、活動への参加が難しい方は、卒業に必要な時間数が少ない学校を選ぶようにしましょう。

通信制高校の入学から卒業までの流れ

通信制高校の入学から卒業までの流れ

通信制高校は、自分のやりたいことや体調などに合わせて学習ペースを柔軟に変えられるのが魅力です。ここでは、通信制高校を検討している方に向けて、入学から卒業までの流れを具体的に説明します。

  1. 通学する通信制高校を決める
  2. 入試を受ける
  3. 入学・卒業に向けて単位を取得する
  4. 卒業

以下で説明する流れを参考にして、通信制高校に関する不安や疑問を解消しましょう。

1.通学する通信制高校を決める

まずは、自分に合った通信制高校を選ぶことが重要です。

一口に通信制高校と言っても、学校によって特徴や雰囲気はさまざま。そのため、各学校の特色や学習スタイル、サポート体制をしっかりと調べたうえで、自分の目標や生活スタイルに合った学校を選ぶのがよいでしょう。

気になる学校があれば、インターネットで情報を集めたり、資料請求を行ったりして各学校の特徴を調べます。通信制高校をまとめた個人ブログなども参考にはなりますが、情報の正確性に注意し、すべてを鵜呑みにしないようにしましょう。

わからない点は学校に直接問い合わせたり、オープンキャンパス時に質問したりすることで解消できます。

自分に合わない学校を選ぶと?

自分に合わない学校を選ぶと意欲の低下やストレスの原因となり、学習の進捗が遅れたり、卒業までモチベーションを維持できなくなったりすることもあります。十分に情報収集したうえで、自分に最適な通信制高校を慎重に選びましょう。

通信制高校を選ぶポイントは?

通信制高校を選ぶ際は、次のような点に注目してください。

  • 私立か公立か
  • 学習・受講スタイル
  • サポート体制
  • 取得可能な資格・進学実績
  • 学費
  • スクーリングの頻度

オンライン授業や対面授業、レポート提出の頻度など、学習・受講のスタイルは学校によってさまざまです。自分に合ったスタイルを採用している学校を選びましょう。

サポート体制が充実しているかも大切なポイントです。進路指導や学習の相談の機会が豊富な学校や、カウンセラーが在籍している学校を選べば、安心して学校生活を送れるでしょう。

また、病気や体調、仕事などで通学が難しい場合は、スクーリングの頻度についても確認しておく必要があります。無理なく卒業を目指すためにも、自分の生活リズムに合ったスクーリング頻度の学校を選ぶとよいでしょう。

2.入試を受ける

通信制高校の入試は、書類選考や面接、作文がほとんどで、それほど難しくはありません。面接や作文では志望理由を聞かれることが多いため、事前に答えを考えておくと安心できるでしょう。

また、通信制高校を受験する際は、一般的に以下のような書類を準備する必要があります。

  • 願書
  • 在籍証明書
  • 単位取得証明書
  • 成績証明書

試験直前になって焦らないためにも、事前に志望する学校に必要書類を確認し、早めにそろえておくようにしましょう。

3.入学・卒業に向けて単位を取得する

通信制高校への入学後は、卒業に向けてスクーリング・レポート・テストに取り組み、単位を取得します。通信制高校は自分のペースで学習を進められる反面、自己管理能力が重要です。計画的に学習を進めましょう。

卒業に向けて、スクーリング・レポート・テストを進める際のポイントを、下表にまとめました。

単位取得の方法単位取得のポイント
スクーリング・事前にスクーリングのスケジュールを確認する
・欠席しないようスケジュールに沿って予定を立てる
レポート・ため込まないよう定期的に取り組む
・余裕を持ったスケジュールを立てる
テスト・スクーリングやレポートの内容をしっかり復習する
・苦手な教科は早めに対策する

また、通信制高校はさまざまな時期に入学できるのが特徴です。たとえば、随時入学を受け付けている学校や、年に数回決まった時期に入学を受け付けている学校もあります。

どの時期に入学したとしても、計画的に学習を進めれば3年で卒業できたり、前校での遅れを取り戻せたりするのが通信制高校の魅力です。通信制高校のメリットを活かしてスムーズに卒業するためにも、計画的な単位取得を目指しましょう。

通信制高校でもさまざまな学校行事・部活動がある

通信制高校でも、全日制や定時制の高校と同様に学校行事や部活動に参加できます。行事や部活動への参加は任意の場合が多いですが、通信制高校は登校頻度が少ないため、友達や教師と直接交流できる良い機会になるでしょう。

また、学校行事や部活動への参加によって、高校生ならではの思い出を作ったり、学業以外のスキルを磨いたりすることも可能です。そのため、無理のない範囲で参加して、自分の興味や関心に合った活動を楽しみ、学校生活をより充実させましょう。

トライ式高等学院では参加自由なサークル活動や部活動が充実

トライ式高等学院では参加自由なサークル活動や部活動が充実

参照:通信制高校・サポート校のトライ式高等学院。不登校・ひきこもりから大学進学!

トライ式高等学院は、通信制高校サポート校です。通信制高校の生徒に対してマンツーマン授業での学習サポートやカウンセリング、進路サポートなどを通して、より安心して学習できる環境を整えています。

トライ式高等学院のキャンパスは全国に123ヶ所あり、それぞれで参加自由なサークル活動や部活動が行われているのが特徴です。

文化祭や体育祭、修学旅行をはじめとするさまざまなイベントや行事も実施。友達との思い出をたくさん作れる環境が整っているため、通信制高校に在籍しながら実際の学校生活も充実させられるでしょう。

4.卒業

通信制高校で学習を続けて卒業要件を満たせば、全日制や定時制と同じように高卒資格が得られます。

しかし、通信制高校の卒業率はそれほど高くないのが現状です。留年がない代わりに在籍期間が長引いてしまい、最終的に退学を選ぶケースもあるため、卒業に向けて計画的に学習を進めることが重要といえるでしょう。

一方、トライ式高等学院の卒業率は99.5%と非常に高いのが特徴です。目標を立てたり、計画的に学習を進めたりするのが苦手な場合は、トライ式高等学院などの通信制高校サポート校を利用するのも選択肢の一つといえるでしょう。

通信制高校の卒業生の進路は?

通信制高校の卒業生の主な進路を、以下のグラフにまとめました。

通信制高校を卒業したあとの進路

参照:文部科学省「学校基本調査 令和5年度」

文部科学省のデータによると、令和4年度に通信制高校を卒業したあとの進路は、大学進学が24.1%、専修学校への進学が22.7%、就職が14.9%です。通信制高校を卒業したものの、その後の進路が確定していない場合も多くあるといえるでしょう。

高い大学進学率・合格実績を誇るトライ式高等学院では大学受験対策も可能

高い大学進学率・合格実績を誇るトライ式高等学院では大学受験対策も可能

参照:トライ式高等学院で志望校合格を実現|通信制高校・サポート校のトライ式高等学院

トライ式高等学院は、高い大学進学率と合格実績で、通信制高校に通う生徒の大学受験対策をサポートします。

一般的な通信制高校の大学進学率が24.1%(※)であるところ、トライ式高等学院の大学進学率は69.8%と高いのが特徴。「家庭教師のトライ」で長年培ってきた受験対策のノウハウとプロ講師の指導によって、志望校への合格を目指せます。

充実したサポート体制とプロ講師の指導の下で志望校への合格を実現させたい方は、トライ式高等学院を検討してみるのも選択肢の一つです。

※ 参照:文部科学省「学校基本調査 令和5年度」

まとめ

まとめ

本記事では、通信制高校に留年がない理由や具体的な卒業要件、入学から卒業までの流れについて解説しました。

通信制高校は、1年間で取らなければならない単位数が決まっていないため、留年する心配がありません。ただし、留年しないからといってそのまま卒業できるわけではなく、定められた卒業要件を満たす必要があります。

通信制高校の卒業要件は、次のとおりです。

  • 36ヶ月以上の在籍
  • 74単位以上の取得
  • 30単位時間以上の特別活動

通信制高校は自分のペースで学習を進められるのが魅力ですが、3年で卒業するためには計画的に単位を取得し、卒業要件を満たすことが大切です。

自分で目標を決めたり、計画的に学習を進めたりするのが苦手な場合は、学習をサポートしてくれる通信制高校サポート校を利用するとよいでしょう。

卒業に向けてしっかりと対策し、通信制高校での学校生活を楽しみましょう。