• TOP
  • 学校生活
  • 通信制高校卒業後の就職は難しい?就職率と就職を有利にするポイント

通信制高校卒業後の就職は難しい?就職率と就職を有利にするポイント

通信制高校卒業後の就職は難しい?就職率と就職を有利にするポイント

「通信制高校を卒業したあとに就職できるのか知りたい」
「通信制高校からの就職を有利に進めるポイントはあるのかな」

通信制高校を卒業した方の就職は決して難しくありません。しかし、通信制高校に対するイメージから「本当に就職できるのか」「就職で不利にならないか」と不安に感じる方も多いでしょう。

そこで本記事では、通信制高校における実際の就職率や、就職を有利に進めるためのポイントを解説します。

通信制高校からの就職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

通信制高校は就職に不利?卒業生の就職率

通信制高校は就職に不利?卒業生の就職率

通信制高校は、全日制高校のように毎日通学する必要がないため、自分のペースで学習を進められます。

そのため、芸能やスポーツ活動に力を入れている方や、過去に不登校経験がある方でも無理なく卒業を目指せるのが大きな魅力です。

ただし、通信制高校はネガティブな印象を持たれやすく、中には就職が不利になるとの声もあります。

そこで、通信制高校における実際の就職率や就職先をもとに、通信制高校からの就職は本当に不利なのかを見ていきましょう。

通信制高校の就職率

文部科学省の「学校基本調査」によると、令和4年度における高校卒業者の就職率は、通信制高校で14.9%、全日制高校で14.2%であることが明らかになりました。

下表は、通信制高校と全日制高校それぞれの卒業者と就職者、就職率をまとめたものです。

通信制高校卒業者就職者就職率
公立8,932人1,720人19.3%
私立67,692人9,678人14.3%
合計76,624人11,398人14.9%

参照:学校基本調査 令和5年度 初等中等教育機関・専修学校・各種学校 卒業後の状況調査 卒業後の状況調査票(高等学校 通信制) | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

全日制高校卒業者就職者就職率
国立・公立638,687人112,509人17.6%
私立227,683人24,000人7.4%
合計962,009人136,509人14.2%

参照:学校基本調査 令和5年度 初等中等教育機関・専修学校・各種学校 卒業後の状況調査 卒業後の状況調査票(高等学校 全日制・定時制) | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

なかでも、私立高校の就職率については、通信制高校が14.3%、全日制が7.4%と、倍近くの差が出ています。

つまり、通信制高校であっても全日制高校と同程度、もしくはそれ以上の割合で就職のチャンスを得られていることがわかります。

通信制高校の卒業生の就職先

令和5年度における通信制高校の卒業者は、就職先として以下の業界・職種を選んでいます。

職業通信制高校卒業後の就職者
サービス3,477人
生産2,359人
販売1,352人
建設・採掘797人
専門・技術職732人
事務716人
保安628人
運搬・清掃等367人
輸送・機械運転213人
農林漁業127人
その他630人
合計11,398人

参照:学校基本調査 令和5年度 職業別就職者数 高等学校 通信制 | 政府統計の総合窓口

全体の就職者数11,398人のうち、最も多かった就職先は「サービス業(30.5%)」です。続いて多かったのは「生産業(20.7%)」、次が「販売業(11.9%)」でした。

他にもさまざまな就職先が挙がっていることから、幅広い選択肢の中から自分に合った業界・職種を選び、就職活動に臨めるでしょう。

通信制高校からの就職が不利になる?

文部科学省の「学校基本調査」では、通信制高校卒業者の就職率が全日制高校よりも高く、就職先にも幅広い選択肢があると明らかになりました。

この結果から、通信制高校からの就職は十分に可能であると言えます。

学歴の面でも、通信制高校が就職で不利になることはありません。通信制高校を卒業すると、全日制高校と同じ「高卒資格」を取得できるためです。

全日制であっても通信制であっても、「高卒資格を得た状態での就職」であることに変わりないため、就職活動でも基本的には同じ扱いを受けられます。

通信制高校は時間の融通が利きやすい点もメリット

空いた時間を活用して資格やスキルの取得に励み、目指す進路の実現に向けて準備しておくことで、就職を有利に進められるでしょう。

ただし、なかには通信制高校にネガティブな印象を持っている企業や採用担当者がいる可能性もあります。

通信制高校の卒業者というだけで心証が悪くなったり、企業が各高校に提出する求人票を、自分の高校だけもらえなかったりするかもしれません。

このような就職に不利な状況でも採用の可能性を高めるためには、計画的に対策を進め、通信制高校で得た経験や学びを存分にアピールすることが大切です。

通信制課程であることを履歴書に書く必要はない

通信制高校の卒業後に取得できる高卒資格は、全日制高校と同じものです。そのため、履歴書には通信制課程であることを書く必要はありません。

ただし、履歴書に書かなくても面接時に質問される場合があります

面接で出身高校を聞かれた場合、「印象が悪くなるかも」と心配するかもしれませんが、嘘をつかず素直に通信制高校だと答えましょう。

「通信制高校を選んだ理由」「高校で頑張ったことや学んだこと」なども併せて答えられると、面接をスムーズに進められます。

何事にも前向きに取り組む姿勢や、学校生活を通して得た自分の強みをしっかりと伝えることが、面接で採用を勝ち取るポイントです。

通信制高校からの就職を有利にする4つのポイント

通信制高校からの就職を有利にする4つのポイント

通信制高校からの就職を有利に進めるためには、以下4つのポイントを押さえましょう。

  • 就職サポートが充実している通信制高校を選ぶ
  • 就職活動対策を計画的に行う
  • 資格・スキル取得を目指す
  • アルバイトやインターンシップで実績を作る

これらのポイントを意識しながら学校生活を送ることで、希望の進路を実現するための準備を整えられます。

就職サポートが充実している通信制高校を選ぶ

通信制高校からの就職を有利に進めるためには、就職サポートが充実している高校を選びましょう。

就職サポートが充実している通信制高校では、進路相談や面接指導、履歴書・志望理由書の添削指導を受けられます。

資格取得に向けたサポート体制も整っていると、希望の進路を実現するチャンスがさらに広がるでしょう。

無理なく卒業を目指せるかどうかも、通信制高校を選ぶ際の重要なポイントです。

通信制高校は自宅学習が基本となっており、勉強の進度やモチベーションを自分で管理しなければなりません。そのため、通信制高校は3年で卒業するのが難しいと言われています。

実際、令和4年度における通信制高校の中退率は、全日制高校に比べて高くなっています。

通信制高校全日制高校
中退率3.8%0.9%

参照:令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について丨文部科学省

このような点から、通信制高校を選ぶ際は、単位修得や卒業に向けた指導体制が整っているかを重視することも大切です。

通信制高校を3年で卒業できると、自己管理能力や計画性が高いことのアピールになるため、企業からの印象も良くなるでしょう。

以下の記事では、通信制高校の卒業要件や、スムーズに卒業するためのポイントを解説しています。通信制高校の卒業に向けて効率よく学習を進めたい方は、ぜひ参考にしてください。

トライ式高等学院では一人ひとりに適した就職サポートを受けられる

トライ式高等学院では一人ひとりに適した就職サポートを受けられる

参照:学校生活を知る | 通信制高校ならトライ式高等学院

通信制高校からの就職を有利に進めたい方は、通信制高校サポート校の利用も検討してみましょう。

通信制高校サポート校とは、通信制高校の卒業に向けて、さまざまなサポートを実施する教育機関です。

サポート校の一つである「トライ式高等学院」では、生徒一人ひとりの進路希望に適したサポートを実施しています。

たとえば、トライ式高等学院で開催している「進路探求講座」では、自分の将来像を描くことで進路の方向性を固められます。

進路決定後は、希望の業界や職種に合わせた面接指導、履歴書・志望理由書の添削指導も可能です。

トライ式高等学院で自分と向き合い、丁寧なサポートを受けることで、希望の仕事に就ける可能性を高められます

就職活動対策を計画的に行う

通信制高校からの就職を有利に進めるためには、採用選考スケジュールをしっかりと把握し、就職活動の対策を計画的に行うことも大切です。

一般的に、高校生の就職活動は、学校が生徒と企業の間に入る「学校斡旋」がメインとなります。

学校斡旋の詳細なスケジュールは年度によって異なりますが、基本的な流れや日程は以下のとおりです。

採用選考スケジュール日程
企業による学校への求人申込および学校訪問開始7月1日
学校から企業への生徒の応募書類提出開始9月5日
(沖縄県は8月30日)
企業による選考開始および採用内定開始9月16日

参照:令和7年3月新規高等学校卒業者の就職に係る採用選考期日等を取りまとめました丨厚生労働省

応募書類の提出は9月初旬、企業による選考は9月中旬に始まります。そのため、就職活動対策をする場合は、選考開始日から逆算し、対策の開始時期を検討しましょう。

履歴書・志望理由書を用意するのと併せて面接対策もしておくと、焦らずに選考時期を迎えられます。

学業と就職活動対策の両立が難しい方には、通信制高校サポート校の利用もおすすめです。

面接で通信制高校への進学理由を聞かれたら?

面接で通信制高校への進学理由を聞かれた場合は、できるだけポジティブな印象を与える回答を心がけましょう。

たとえば、資格取得や芸能・スポーツ活動と両立するために通信制高校を選んだ場合は、夢の実現に向けて努力する姿をアピールします。

学業にも励みながら目標達成のために頑張っている姿勢が伝わると、企業からも高い評価を得られるでしょう。

起立性調整障害や不登校などの事情で進学した場合は?

理由と併せて「どのように困難を乗り越えたか」を説明するのがポイントです。身体的・心理的負担がある中でも、何を学びどのように行動してきたかを伝えることで、前向きな印象を与えられます。

資格・スキル取得を目指す

希望するキャリアに必要な資格やスキルを在学中に習得しておくと、就職活動時に有利なアピールポイントになる可能性があります。

資格やスキルの取得によって専門性も身につくため、より好条件な企業に就職するチャンスを得られるでしょう。

通信制高校在学中から取得を目指せる資格や免許は以下の通りです。

  • 実用数学・英語技能検定
  • 日本漢字能力検定
  • 美容師免許
  • 調理師免許
  • 看護師免許
  • メイクやエステティシャンなど美容系の資格
  • ビジネスマナー検定、簿記などビジネス系の資格
  • プログラマーなどIT系の資格
  • スポーツトレーナー
  • トリマー

原則として、美容師免許や調理師免許などの国家資格は、専門学校に通って受験資格を得て、試験に合格することで取得できるものです。

しかし、国家資格の専門コースがある通信制高校に進学すると、高校に通いながら提携校の専門学校で資格取得に向けた知識や技術を学べます。

国家資格以外の資格やスキルについても、在学中に習得することで多種多様な学びを深め、就職や将来に役立てられるでしょう。

専門コースや取得できる資格は学校によって大きく異なる

通信制高校で資格・スキルの取得を目指す場合は、興味がある分野や希望の進路に合ったコースが設けられている高校を選ぶことが大切です。

アルバイトやインターンシップで実績を作る

通信制高校は、全日制高校に比べて時間の融通が利くため、空いた時間を有効活用してアルバイトやインターンシップで実績を作るのもおすすめです。

社会経験を積みながらビジネススキルを学ぶことで、就職も有利に進められるでしょう。

アルバイトでは、幅広い年代やタイプの人と関わりながら仕事をする中で、社会の基本的なルールやマナーを学ぶことができます。

アルバイトで直面した課題やそれを乗り越えた経験があると、就職活動でも大きなアピールポイントになるはずです。

一方のインターンシップとは、高校生や大学生が在学中に企業で就業体験をすることです。

インターンシップでは、専門性の高い業務に幅広く取り組むため「働くとはどういうことなのか」をより実感できます。インターンシップで習得したスキルも、面接で存分にアピールしましょう。

アルバイト先やインターンシップ先で能力や姿勢が評価されると、高校卒業後にそのまま就職できる可能性もあります。

通信制高校からの就職に関するよくある質問

通信制高校からの就職に関するよくある質問

最後に、通信制高校からの就職に関するよくある質問を2つ紹介します。

  • Q.通信制高校を卒業すると高卒資格を取得できる?
  • Q.通信制高校から大学進学を目指せる?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Q.通信制高校を卒業すると高卒資格を取得できる?

通信制高校を卒業すると、全日制高校と同じように高卒資格を取得できます。中卒に比べて就職が有利になるほか、大学や専門学校の受験資格も得られます。

高卒資格と似た言葉に「高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)」があります。これは、高校を卒業していない人に、高校卒業者と同等の学力があると認める認定のことです。

高卒認定を取得した場合も大学などへの受験資格を得られますが、学歴は「中卒」のままであるため、高校卒業者と比べて就職の際に不利になる場合があります。

以下の記事では、高卒資格と高卒認定の特徴や違いについて解説しています。高卒認定の取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

Q.通信制高校から大学進学を目指せる?

通信制高校からでも、大学進学は十分に目指せます。高校卒業後の進路に迷っている方は、大学に進学して専門分野について学び、大卒資格を取得してから就職するのも一つの手です。

ただし、通信制高校の大学進学率は全日制高校に比べて低い傾向にあります。

文部科学省の「学校基本調査」では、令和4年度における通信制高校の大学進学率が全日制高校を大きく下回っていることが明らかになりました。

高校卒業者(人)大学進学者(人)大学進学率
全日制高校944,498581,46461.6%
通信制高校76,62418,45424.1%

参照:学校基本調査丨政府統計の総合窓口

通信制高校から大学進学を目指す場合は、合格実績の高い学校を選んだり、受験対策を早めに開始したりすることが大切です。

以下の記事では、通信制高校からの大学進学を叶えるポイントを詳しく解説しています。通信制高校からの大学進学も視野に入れている方は、ぜひ参考にしてください。

高い大学進学率・合格実績を誇るトライ式高等学院では大学受験対策も可能

高い大学進学率・合格実績を誇るトライ式高等学院では大学受験対策も可能

参照:通信制高校で大学進学丨通信制高校・サポート校のトライ式高等学院

通信制高校から大学進学を目指す場合は、通信制高校サポート校の利用もおすすめです。

トライ式高等学院では、「家庭教師のトライ」で長年培ってきた受験対策のノウハウと、マンツーマン授業で大学合格を目指せます。

難関国公立大・私立大学への合格者を多数輩出しており、2024年度入試における大学進学率は69.8%と、全日制高校よりも高い結果でした。

大学進学率が低い通信制高校からでも、安心して志望校合格を目指せる点がトライ式高等学院の大きな魅力です。

まとめ

まとめ

本記事では、通信制高校の就職率や就職先、就職を有利に進めるためのポイントを解説しました。

本記事のポイントは以下のとおりです。

  • 通信制高校の就職率は全日制高校よりも高く、就職先も幅広い傾向にあるため、必ずしも就職に不利になるとは限らない
  • 就職サポートが充実している通信制高校やサポート校を選ぶと、就職を有利に進められる
  • 通信制高校に在学中に、資格やスキル取得に励んだり、アルバイトやインターンシップで社会経験を積んだりすると良い

就職活動を行うにあたっては、サポート体制が充実している通信制高校に進学し、サポート校も併せて利用して計画的に対策を進めることが大切です。

ぜひ本記事を参考に、進路を実現するための最適な通信制高校を選びましょう。