「卒業後の進路や将来が不安…」
「通信制高校でも友だちはできるのか心配」
通信制高校への入学を検討している方の中には、さまざまな不安を抱えている方もいるでしょう。不安な点が多く、通信制高校への入学に踏み切れていない方もいるかもしれません。
本記事では、通信制高校に関してよくある10個の不安と、その解決方法について詳しく解説します。それぞれの不安に対する具体的な対策を確認し、安心して新たな学びのスタートを切りましょう。
この記事の目次
通信制高校は不安?全日制・定時制、通信制高校サポート校との違い
通信制高校の不安や実情を解説する前に、まずは通信制高校の基本情報を簡単に説明します。
- 通信制高校とは?全日制・定時制との違い
- 通信制高校サポート校とは
そもそも通信制高校とはどのような高校なのか、以下で概要を確認しましょう。
通信制高校とは?全日制・定時制との違い
通信制高校とは、スクーリング・レポート・テストの3つで学習を進めていき、卒業に必要な74単位の取得を目指す高校です。
全日制や定時制高校に比べて通学の頻度が少なく、自宅での学習が中心
のため、自分のペースで無理なく高校卒業が目指せます。
通信制高校、全日制高校、定時制高校の違いを以下の表にまとめました。
通信制高校 | 全日制高校 | 定時制高校 | |
登校頻度 | 毎日~年に数回(スクーリング) | 毎日 | 週に数回~毎日 |
学習スタイル | 自宅学習 | 通学 | 通学 |
学習形態 | 自宅学習 オンライン授業 対面授業 | 対面授業 | 対面授業 |
授業時間 | 自由に調整可能 | 昼間 | 主に夜間 |
学習のペース | 自分に合ったペース | 学校のカリキュラム通り | 学校のカリキュラム通り |
卒業すると全日制・定時制高校と同じ「高卒資格」を得られる
通信制高校を卒業すると、全日制や定時制高校と同じように「高等学校卒業資格(以下、高卒資格)」の取得が可能です。
詳しくは通信制高校の勉強・学校生活に関する4つの不安でも解説しますが、通信制高校で高卒資格を得るためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 36ヶ月以上の在籍期間
- 74単位以上の取得
- 30単位時間以上の特別活動を履修
また、高卒資格と似ているものに「高卒認定」があります。どちらも大学や専門学校への進学資格が得られますが、得られる条件や、履歴書に書ける学歴に違いがあるため注意が必要です。
高卒資格と高卒認定の違いを以下にまとめました。
高卒資格 | 高卒認定 | |
得られる条件 | 全日制・定時制・通信制高校のいずれかを卒業する | 高等学校卒業程度認定試験に合格する |
最終学歴 | 高卒 | 中卒 |
高卒資格の最終学歴は「高卒」、高卒認定の最終学歴は「中卒」となるため注意
しましょう。
こちらの記事では、高卒資格の取得方法や高卒認定との違いをさらに詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
通信制高校サポート校とは
通信制高校サポート校とは、通信制高校を卒業できるように学習面・精神面でのさまざまなサポートを行う機関です。
通信制高校サポート校では、主に以下のようなサポート体制が整っています。
- レポート作成・提出サポート
- スクーリングのサポート
- 進路相談
- 大学受験対策
- カウンセラーなどによるメンタルサポート
学習に関するサポートはもちろん、精神面でのサポートも充実している
ため、安心して高校生活を送れるでしょう。
通信制高校に入学する前に解消しておきたい4つの不安
ここでは、通信制高校に関する不安の中でも、入学に関する以下4つの不安を解説します。
- 入学できるか不安|入学条件を確認して早めに準備する
- 転入・編入できるか不安|手続きの方法や必要書類を確認する
- 学費面が不安|奨学金制度や通信制高校サポート校の利用がおすすめ
- 偏見を持たれないか不安|通信制高校の生徒数は年々増えている
それぞれの不安について、通信制高校の実情や具体的な対策を確認していきましょう。
1.入学できるか不安|入試概要を確認して早めに準備する
そもそも入学できるか不安な方もいるかと思いますが、通信制高校の入学試験は面接や書類選考、作文が中心のため、不合格になることはあまりありません。
ただし、面接や作文がある場合は、事前に話す(書く)内容を準備しておく
ことをおすすめします。通信制高校の公式サイトなどで入試概要を確認し、早めに準備を進めておけば、安心して試験に臨めるでしょう。
2.転入・編入できるか不安|受け入れ時期や必要書類を確認する
通信制高校への転入・編入を検討している場合は、受け入れ時期や必要書類を早めに確認することが大切です。なお、転入とは現在の高校から別の高校に移ること、編入は一度高校をやめたあとに再び別の高校に入学することを指します。
転入・編入の受け入れ時期は、学期始まりのみ受け入れている場合や随時受け入れている場合など学校によってさまざまです。
公式サイトなどで受け入れ時期や必要書類を早めに確認し、その時期に合わせて転入・編入の準備を進める
ようにすると、スムーズに転入・編入できるでしょう。
転入や編入の場合、前に在籍していた高校の単位や在籍期間は多くの場合、引き継ぐことができます。単位や在籍期間を引き継ぐには、在籍証明書や単位取得証明書などの書類を要するため、併せて準備しておきましょう。
3.学費面が不安|就学支援金や通信制高校サポート校の利用がおすすめ
多くの通信制高校では、1単位あたりの授業料をもとに、生徒の履修単位数によって学費が決まります。私立・公立の1単位あたりの授業料と、学費の目安を以下の表にまとめました。
私立 | 公立 | |
1単位あたりの授業料 | 6,000~12,000円 | 336~700円 |
74単位取得する場合の学費 | 444,000~888,000円 | 24,864~51,800円 |
学費の負担を軽減するためには、「高等学校等就学支援金」制度(※)の利用がおすすめです。この制度を利用すれば、年収910万円未満の世帯を対象に、就学支援金が支給されます。具体的な支給金額や要件は、文部科学省「高等学校等就学支援金制度」をご確認ください。
また、通信制高校は高校卒業が主な目的のため、大学進学のサポートにはあまり力を入れていない学校もあります。大学進学を目指す場合は、通信制高校と別に塾や予備校に通う必要があります。受験対策で塾や予備校に通うのであれば、通信制高校サポート校を利用するのも選択肢の一つ
です。
通信制高校サポート校の費用は学校によってさまざまですが、塾に通わずにサポート校で大学受験対策まで行ったほうが、結果的に安くなる場合もあります。また、多くの塾がまだ開いていない午前中から通えることも、通信制高校サポート校のメリットです。目的に応じてサポート校をうまく活用すると良いでしょう。
※ 参照:文部科学省 高校生等への修学支援
4.偏見を持たれないか不安|通信制高校の生徒数は年々増えている
通信制高校に対する偏見を不安に感じる方もいるでしょう。しかし、通信制高校の生徒数は年々増加していることから、教育機関の一つとして広く認識されつつあります。
以下は、令和元年度から令和5年度の通信制高校に通う生徒数の推移をまとめた表です。
年度 | 通信制高校の生徒数(人) |
令和元年度 | 197,696 |
令和2年度 | 206,948 |
令和3年度 | 218,389 |
令和4年度 | 238,267 |
令和5年度 | 264,974 |
このように、通信制高校の生徒数は年々増えているため、世間の目を気にしすぎる必要はない
と言えます。
また、プログラミングや音楽、料理など専門的な分野が学べるなど、通信制高校が多様な学びのスタイルを提供していることも、偏見がなくなっている理由の一つと言えるでしょう。
通信制高校の勉強・学校生活に関する4つの不安
ここでは、通信制高校に関する不安の中でも、勉強・学校生活に関する以下4つの不安を解説します。
- 勉強についていけるか不安|自分のペースで学習を進められる
- 卒業できるか不安|自分に合った登校頻度で無理なく通学・勉強できる
- 友だちができるか不安|スクーリングや部活動で交流できる
- 不登校から復学できるか不安|柔軟な受講スタイルで復学を目指せる
それぞれの不安について詳しく見ていきましょう。
1.勉強についていけるか不安|自分のペースで学習を進められる
通信制高校に入ったものの、勉強についていけるか不安に思っている方もいるかと思います。しかし、通信制高校は学習スタイルが柔軟なことから、自分のペースで無理なく学び続けることが可能です。
全日制や定時制高校で行う対面授業は一定のペースで進むため、授業に追いつけなくなる可能性があります。一方、通信制高校は自宅学習やオンライン講義が中心となっており、自分で学習スケジュールを決められる
メリットがあります。
そのため、勉強についていけるか不安な方でも、自分の体調や理解度に合わせて学習を進められるでしょう。
2.卒業できるか不安|自分に合った登校頻度で無理なく通学・勉強できる
卒業できるか不安に感じる方もいるかと思いますが、通信制高校は登校頻度が柔軟なため、無理なく通学・勉強を続けられます。
通信制高校は毎日通学する必要が無く、全日制や定時制よりも少ない登校日数で卒業を目指すことが可能です。スクーリングやレポート、テストなどの卒業要件を満たせば最低限の通学で卒業できることから、登校頻度を調整しながら無理なく通えます。
さらに、仕事や芸能活動、介護、育児などと並行しながら高校卒業を目指しやすい点も、通信制高校のメリットの一つです。起立性調節障害などで早起きが難しい場合でも、決まった時間に起きて登校する必要がないため、自分の生活リズムに合わせて学習を進められます。
このように、通信制高校は柔軟な登校システムを採用していることから、さまざまな背景を持つ方でも安心して学業を続けられる
といえます。
卒業要件を満たすハードルは高くない
通信制高校の卒業要件は、全日制や定時制高校と比べて比較的クリアしやすい傾向にあります。通信制高校の具体的な卒業要件は、次のとおりです。
- 36ヶ月以上の在籍
- 74単位以上の取得
- 30単位時間以上の特別活動
通信制高校では、レポート・スクーリング・テストを繰り返して必要な単位を取得します。授業やテストは基礎レベルであることが多く、難易度はそこまで高くありません。
また、1年間に取得しなければならない単位数も決まっておらず、74単位の取得に要する期間も決まっていないことがほとんどです。
単位を取得できなければ留年する全日制の高校とは違い、通信制高校は自分の学習計画に沿って単位を取得
できます。「仕事をしながら4年で卒業を目指す」「できる限り早く単位を取り切って、受験勉強に時間を割きたい」など自分のペースで卒業が目指せます。
3.友だちができるか不安|スクーリングや部活動で交流できる
通信制高校は、全日制や定時制の高校と比べて登校頻度が少ないため、友だちができるか不安に思う方もいるでしょう。
しかし、通信制高校の中には、定期的なスクーリングや、参加自由な部活動・サークル活動を設けている学校があります。これらの機会を活用すれば、通信制高校でもクラスメイトと交流したり、友だちを作ったりすることが可能です。
「大人数での交流は苦手だけど、友だちが欲しい」という方は、少人数の部活動やサークル活動のある学校を選ぶと良い
でしょう。
トライ式高等学院では参加自由なサークル活動や部活動が充実
参照:通信制高校・サポート校のトライ式高等学院。不登校・ひきこもりから大学進学!
トライ式高等学院は、通信制高校サポート校です。マンツーマン授業での学習サポートやカウンセリング、進路サポートなどを通して通信制高校の生徒がより安心して学習できる環境を整えています。
トライ式高等学院のキャンパスは全国に123ヶ所あり、それぞれに参加自由なサークル活動や部活動が設けられているのが強み。これらの活動を通して、同じ趣味や興味を持つ仲間と出会い、親睦を深めることができます。
また、体育祭や文化祭、修学旅行、オンラインでのイベントなど、さまざまなイベント行事を実施しているのもトライ式高等学院の特徴です。そのため、住む場所に左右されずに多種多様な人間関係を築くことができる
でしょう。
4.不登校から復学できるか不安|柔軟な受講スタイルで復学を目指せる
不登校の経験がある方は、特に通学や人間関係に対する不安が大きいことと思います。しかし、通信制高校では一人ひとりの状況に合わせた柔軟な受講スタイルが用意されているため、無理なく不登校からの復学を目指せます。
通信制高校は、スクーリングや特別活動を除いて基本的に自宅での学習が多く、学校に通う頻度を抑えることが可能
です。そのため、自分の体調に合わせて少しずつ通学日数を増やしながら復学を目指せるでしょう。
通信制高校の将来・進路に関する2つの不安
ここでは、通信制高校に関する不安の中でも、将来・進路に関する以下2つの不安を解説します。
- 将来が不安|通信制高校は将来の選択肢がさまざま
- 大学に進学できるか不安|通信制高校サポート校や予備校の利用がおすすめ
それぞれの不安について、通信制高校の実情や具体的な対策を確認していきましょう。
1.将来が不安|通信制高校は将来の選択肢がさまざま
通信制高校は全日制や定時制高校とは異なる学びのスタイルを提供していることから、将来の進路が限定されるのではないかと不安な方もいるかと思います。
しかし、実際のところ通信制高校の卒業生はさまざまな進路を選んでいるため、将来の進路が限定される心配はないといえるでしょう。以下は、文部科学省の令和3年度のデータをもとに、全日制・定時制・通信制高校を卒業したあとの進路をまとめたものです。
このグラフを見てもわかるように、通信制高校の卒業生は大学進学が23.2%、専修学校などが25.5%、就職が14.4%
と、さまざまな進路を選んでいます。
2.大学に進学できるか不安|通信制高校サポート校や予備校の利用がおすすめ
自宅・自主学習がメインである通信制高校は、大学進学が難しいのではないかと不安に思う方もいるでしょう。
結論から述べると、通信制高校からでも大学進学は可能です。ただし、通信制高校のカリキュラムでは、大学受験対策が不十分になる可能性が高いことに注意しましょう。
以下の表は、令和5年度の通信制高校と全日制高校の大学進学率をまとめたものです。
通信制高校 | 全日制高校 |
24.1% | 60.8% |
表からもわかるように、通信制高校の大学進学率は、全日制に比べると低い傾向にあります。そのため、通信制高校で大学進学を目指す場合は、受験対策が可能な通信制高校やサポート校、予備校等を利用すると良い
でしょう。
高い大学進学率・合格実績を誇るトライ式高等学院では大学受験対策も可能
参照:通信制高校で大学進学|通信制高校・サポート校のトライ式高等学院
トライ式高等学院は、高い大学進学率と合格実績で、通信制高校の大学受験対策をサポートする通信制高校サポート校です。
トライ式高等学院は69.8%と高い大学進学率を誇っています。「家庭教師のトライ」で長年培ってきた受験対策のノウハウとプロ講師の指導
により、志望校への合格を目指せるのが、大きな強みです。
充実したサポート体制とプロ講師の指導で志望校の合格を実現させたい方は、トライ式高等学院も魅力的な選択肢の一つになるといえるでしょう。
まとめ
本記事では、通信制高校に関してよくある10個の不安と、その解決方法について詳しく解説しました。
通信制高校に関する不安と、実情や具体的な解決方法は次のとおりです。
- 入学できるか不安|入学条件を確認して早めに準備する
- 転入・編入できるか不安|手続きの方法や必要書類を確認する
- 学費面が不安|奨学金制度や通信制高校サポート校の利用がおすすめ
- 偏見を持たれないか不安|通信制高校の生徒数は年々増えている
- 勉強についていけるか不安|自分のペースで学習を進められる
- 卒業できるか不安|自分に合った登校頻度で無理なく通学・勉強できる
- 友だちができるか不安|スクーリングや部活動で交流できる
- 不登校から復学できるか不安|柔軟な受講スタイルで復学を目指せる
- 将来が不安|通信制高校は将来の選択肢がさまざま
- 大学に進学できるか不安|通信制高校サポート校や予備校の利用がおすすめ
通信制高校は、全日制や定時制の高校とは学習スタイルが異なるため、わからないことが多く、不安に思うこともあるでしょう。しかし、通信制高校の実情や、具体的な対策
がわかれば安心して学校生活を楽しめます。
本記事を参考にして通信制高校に関する理解を深め、安心して高校進学に臨みましょう。