「難関校・私立中学受験専門スーパーエリート塾」という肩書を掲げる希学園は、関西と首都圏で展開している進学塾です。「子どもたちの最高の伴走者でありたい」というコンセプトのもと、中学受験での第一志望校合格を目指してサポートに努めています。ハイレベルな授業が特徴ですが、一方で、毎月行われるクラス分けにハラハラしている保護者様も多いことでしょう。今回は希学園の特徴やクラス編成、どのように勉強すればクラス落ちしないかなどをご紹介していきます。
希学園のクラスの特徴
最高品質の授業を目指している
希学園では、毎回の授業一つひとつがとても大切に進められています。
希学園で「良い授業」とされるのは、生徒たち全員が同じところを見ている授業です。黒板、講師、自分の机の上、みんなが同じところを向いているということは、つまり集中しているということです。そのため希学園の講師陣は、次の3つを信念に授業を進めています。
「①科目に関する豊富な専門知識と、かみ砕いてわかりやすく説明できる技術」「②緊張感を保ちつつ、子どもたちを惹きつけて集中させる工夫」「③子ども一人ひとりの特性を理解して能力を引き出す洞察力の深さ」です。
適性を追求したシステムとカリキュラムを導入
希学園では効果的な学習方法として、常に少しだけ背伸びすることを大切にしています。難しい問題ばかり解こうとしても意味はなく、一方で、簡単な問題ばかり解いていても力はつきません。大切なのは「生活リズムを乱さずに、いかに密度の濃い勉強をするか」だと言います。
希学園では、学年、学力、志望校に応じた「ちょうどいい」難しさと「ちょうどいい」学習時間を徹底して追究しており、一人ひとりにベストな勉強法や一人ひとりの状況に合った講座の提案などを「受験のプロ」として責任を持って提示してくれます。
講師の熱意と質が高い
希学園の講師になるには厳格な基準が設けられており、いくつもの試験をクリアしなくては教壇に立てません。子どもたちが持っている力を最大限に引き出して発揮させるだけでなく、子どもたちの疑問に答え、知的好奇心を刺激し、満足させる力量が求められています。採用後は、塾生へのアンケートや保護者アンケート、専用スタッフによる管理のもと、能力や適性を厳しくチェックされています。
希学園のクラス編成とクラス分けの基準
希学園のクラスは「ベーシックコース」が基本
希学園のベーシックコースは「すべての中学受験に対応している総合クラス」で、難関中学入試に立ち向かうための基本的な内容を「完全網羅」するためのコースとなっています。科目は国語、算数、理科(首都圏は+社会)で、各科目とも受験に向けての実践力が高まるようにカリキュラムが工夫されています。学習到達度に合わせてクラス編成が行われ、復習テスト(短期的達成度)、習熟度確認テスト(中期的達成度)、公開テスト(長期的達成度)によって、子どもたちの達成感を適切に刺激していると言います。
関西と関東で異なるクラス編成
希学園では塾生同士の競争心を刺激するため、成績によってクラス分けが行われます。また、授業を受ける座席の配置も成績順になる場合が多いため、自分がどの位置にいるかが明確になります。希学園のクラス編成は関西と関東で異なるため、注意が必要です。
関西の希学園
関西の希学園は、クラスがPC0からPC9までの10段階に分かれています。PC0が一番上のクラスとなり、数字が増えるにつれて下のクラスになります。教材や宿題、テスト内容や学習スピードは全てのクラスで共通となっているため、より上を目指す塾生は「最高レベル演習」や「志望校別特訓」などの特別講座を受ける必要があります。
関東の希学園
関東の希学園の場合、校舎にもよりますがクラスは下からH1、S2、S1、S0となっており、H1が基礎クラス、S0が最上位クラスです。中にはS3があったり、S0とS1が同じ教室で授業を受けることもあります。関西と同様、基本的にどのクラスも使用するテキストは同じですが、H1だけ異なる宿題が出されます。授業内容もH1は解説や基礎演習に時間が割かれますが、上位になると演習中心の授業が行われます。
クラス分けの基準について
希学園では月に一度、「復習テスト」「公開テスト」「習熟度確認テスト」の成績によってクラス分けが行われます。
「復習テスト」とは、前の週に習った内容の確認テストです。
「公開テスト」は、希学園に通う全ての塾生が、毎月第2日曜日に受験する実力テストのことです。
「習熟度確認テスト」は、年に4回行われる中期的な仕上がりを確認するためのテストで、現在の正確な学力を把握することと、弱点を克服することが目的となっています。
希学園のクラス分けの基準は公式に発表されておらず、「偏差値〇以上はこのクラス」と明確に決まっているわけではありません。成績順で上位から割り振られていると考えられています。
希学園でクラス落ちしてしまう原因
独自の学習サイクルに追いつけていない
希学園には、同じ単元について、次学年でより発展的な内容を身につける「スパイラル方式(円らせん式学習)」が採用されています。また、毎回の授業も、授業→家庭学習(宿題プリント)→各種テスト→宿題プリントのチェック、という学習サイクルを回すことで成績向上を図りますが、クラス落ちしてしまったお子さまは、その流れをうまくつかめていない可能性があります。下記の流れを、今一度確認してみてはいかがでしょうか。
授業
科目専門の講師が、お子さま一人ひとりの能力や特性を把握しながら魅力ある授業を行います。授業5分前には教室に入り、チャイムが鳴ったらすぐに集中して授業がスタートできるように指導されます。
家庭学習(宿題プリント)
希学園では毎回、宿題プリントが配布されます。算数や国語は10枚程度、理科は2枚程度、社会は5枚程度となっており、次回の授業の最初に講師に提出する流れです。希学園の宿題プリントは、授業を効率よく復習できるように工夫して作られています。
各種テスト
これまでの授業内容がきちんと理解できているかを確認するために、毎回テストが実施されます。
宿題プリントのチェック
提出した宿題プリントは授業を担当する講師が毎回確認し、評価とコメントを添えて返却されます。プリントには家庭からのコメント欄もあるため、疑問点などがあれば伝えることができます。
わからない問題をそのままにしている
希学園では小学5年生から入試問題を扱うなど、授業のスピードがかなり速くなっています。そのため、授業で出てきたわからないことをそのままにしていると、どんどん授業に追いつけなくなってしまいます。希学園では授業前に「質問受け教室」を設けていますが、学年が上がるにつれて質問する生徒も増えるため、わからないことを完全に解消できないという状況も起こりがちです。
基礎的なことが理解できていない
冒頭で述べた通り、希学園は「難関校・私立中学受験専門スーパーエリート塾」です。学習カリキュラムは難関上位校向けの高度な内容になっており、普段の授業やテキストで取り扱う問題も難度の高いものが多めです。クラス落ちしてしまったお子さまは、基礎が抜けていたり、きちんと理解しきれていなかったり、公式を丸暗記したりなど、高度な問題をむやみに解いてしまっている可能性があります。
希学園でクラス落ちしないための対策
宿題プリントを徹底的に解く
希学園では、お子さまに宿題プリントを必ず提出するように義務づけています。提出された宿題をチェックすることによって、講師はお子さまの取り組み方が適切かどうかを把握し、指導につなげるからです。希学園でクラス落ちしないためには、まず宿題プリントをしっかりと解き切りましょう。宿題プリントでは授業で習った問題の類題や応用問題が解けるようになっているので、毎回の内容を完璧に自分のものにできれば、クラス落ちの心配はないでしょう。
毎月発行される個人成績表には、全ての宿題プリントの講師評価が記載されています。お子さまの提出状況はどうなのか、成績はどうなのか、明確に把握できるので確認してみましょう。
無料の「目的別サポートルーム」を活用する
希学園では、お子さまが自主的に学習に取り組めるよう、自習学習時間(サポートルーム)を設けています。こちらの利用は無料で、授業を終えたあとに教科の質問をうけたり、学習の様子を見て個別に声かけを行ったりします。お子さまの勉強に不安を感じる場合は、積極的に参加させたり講師に相談してみたりしてはいかがでしょうか。目的別サポートルームの種類は、下記のとおりです。
学習サポートルーム
講義終了後、お子さまが宿題に取り組む時間がカリキュラムに組み込まれています。授業で習った記憶が新しいうちに自力で問題を解くことで、より理解を確かなものにしていきます。質問もできるので、習ったその日にわからないことは解消しておきましょう。
居残りサポートルーム
学習サポートルームが終わった後も、希望するお子さまはさらに延長して勉強することができます。教室内には講師がいるため、わからない問題は随時質問できます。ここで宿題の大半を仕上げて帰る、というお子さまもいるそうです。
弱点サポートルーム
これは講師が弱点のあるお子さまを指名し、個別で学習のフォローにあたるものです。苦手な単元の克服や、宿題の取り組み方など、お子さま一人ひとりのケースに応じて指導が行われます。
まとめ
希学園にお通いのお子さまがクラス落ちしてしまった場合の、原因や対策をご紹介しました。希学園はお子さま同士の競争心を高めるために、クラス分けはもちろん、席順にも成績を全面に反映しています。クラスが上がった、下がったと一喜一憂するのではなく、お子さまのプレッシャーに寄り添うことも大切かもしれません。必要に応じて、一人ひとりの苦手に寄り添う個別指導・家庭教師も検討し、お子さまの受験計画を適切にサポートしていけるとよいでしょう。