2025/02/14
2025/04/02

市進学院でのクラス落ちを避ける対策法

本記事では、市進学院のクラスの基本情報や、クラス分けの基準はもちろん、クラス落ちをしてしまう要因や対処法についても紹介します。中学受験の成功に向けた情報収集の一環としてご活用ください。

市進学院のクラス分けとは

クラス分けのイメージ

市進学院では成績によってクラス分けが行われます。小学4年生では標準4V(もしくは4V1・4V2)、応用4V10、発展4V11、小学5年生では標準5V、応用5L(もしくは5L1・5L2)、発展5L10、小学6年生では標準6A、応用6C、発展6F(もしくは6F1・6F2)と、学年によって呼称が異なるためやや複雑です。基本的には標準、応用、発展の3クラスで、クラスの人数が一定以上に達した場合は、同レベルのクラスが横に枝分かれするスタイルです。発展クラスはすべての校舎に設けられているわけではないので、クラスアップすると校舎を移動する必要がある場合もあります。

クラス分けがされる基準(成績やテストなど)

市進学院のクラス分けは、日頃の勉強への取り組みや定例試験の結果に基づいて行われています。定例試験とは市進学院が1ヶ月から1ヶ月半間隔で実施する実力テストのことです。範囲が比較的広いため、ある程度の点数を取るには日頃の学習がとても重要です。クラスアップの目安としては、偏差値を連続して50超えると応用クラスへ、連続して60を超えると発展クラスへ上がれるようなイメージです

クラス分けのタイミング

市進学院のクラス分けの上がり下がりは、「クラスアップしたのに勉強についていけない」とお子さまに逆効果とならないよう、慎重に判断されて行われます。一度上げた生徒をすぐに下げることも、ほとんどありません。標準クラスから応用クラスへ上がるときより、応用クラスから発展クラスへ上がるときが、より慎重に判断される傾向もあるようです。

市進学院でのクラス選びのポイント

標準クラスの特徴

標準クラスでは、授業内容の完全定着を大切にしています。市進学院の教材には、メインテキストの必修、授業内演習に使われる授業プリント、復習用教材のホームタスクがあります。こうした教材を丁寧に理解した上で定例偏差値を50以上に引き上げることで、応用へのクラスアップが可能になります。

応用クラスの特徴

応用クラスの中で定例偏差値60以上を安定させるには、直近の学習事項だけでなく、過去の学習内容が定着していることが不可欠です。クラス分けで参考にされる定例試験では、数ヶ月前に学習した分野からの出題も含まれます。いったん忘れてしまうと思い出すまでに時間がかかってしまうため、家庭学習の進め方が大切です。また、応用クラスになると家庭学習の量が圧倒的に増えます。ホームタスクの他に授業内で行われる小テストや定例試験の解き直し、算数や国語の別教材の学習など、量の多さにどこから手をつければいいのかわからなくなることも増える傾向です。

発展クラスの特徴

定例試験の偏差値が60以上で安定し、そのなかでも算数が得意であれば発展クラスを目指すことができます。男子御三家や駒場東邦など算数が難しい学校を志望する場合は、発展クラスにいることが絶対条件となります。外部模試においては、首都圏模試を受けるよう奨励されますが、難関校を目指す場合は他塾の合否判定テストなどを積極的に利用しましょう。受験生の中での正確な位置を把握することが大切です。

発展クラスが必ずしもよいわけではない

市進学院にお通いの方は、当然発展クラスを目指して頑張っていると思います。しかし、発展クラスに入ればよいというものでもないことを、覚えておきましょう。お子さまが受験する中学の入試が、難問の出題が少なく、基礎的な問題が多いタイプの試験である場合、市進学院での授業内容をすべて完璧に理解している必要はないかもしれません。例えば偏差値60以上の学校でも、例えば慶應義塾中等部や女子学院の算数で難問はあまり出題されません。そのため、発展クラスで難問ばかりに手を広げるのではなく、応用クラスで不得意分野を徹底的に固めることの方が向いていることもあるのです。志望校の入試傾向や難易度によっては、応用クラスにとどまる選択がベストなこともあるので注意しましょう。

クラス落ちはどんな時に行われるか

実は市進学院では、基準を大幅に下回る成績を取ってしまったとしても、様子を見てクラスダウンが見送られる場合も多いです。わずか2~3段階しかないクラス編成となっているので、ダウンによる心理的インパクトは大きいですし、担任の先生も慎重に判断してくれます。仮にクラスダウンを宣告されても担任と相談し、もう一度頑張ってみるという選択肢もあります。

市進学院でクラス落ちしてしまう要因

授業のスピードについていけない

市進学院の5L10の授業プリントや6Fの授業プリントには、御三家中をはじめ、有名中学校の問題が数多く入っています。また、授業は入試での解答時間を意識したスピードで進められるため、一度スランプに陥ると、自分はもう志望校に合格できないと心配になるお子さまも多くいます。そこで大切なのが、漠然と問題を解くのではなく、自分の志望校に必要なスキルを意識して問題を解いていくことです。例えば算数の場合、単に急いで解こうとするのではなく、場合分けに時間をかけるべきなのか、問題量が多いから早く解く必要があるのかなど、傾向を掴むことが落ち着いて解いていくコツの一つです。がむしゃらに解くのではなく、効率よく優先順位を決めて学習することが必要でしょう。

教材が多くてすべてが中途半端になっている

市進学院は、教材の数が多い塾です。授業プリント、ホームタスク、必須シリーズの3つが基幹教材となっており、市進学院で成績を上げるためにはこれらを上手なサイクルで使いこなさなくてはなりません。そのため、どの教材を、どのレベルまで、どう取り組むのかを把握することが大切なポイントです。市進学院は家庭学習にも計画的な塾なので、お子さまが自宅で何を勉強すればよいかわからなくなることはありませんが、いまの状況を塾と共有しておくことが大切です。難しすぎる課題を出されて教材をうまく活用できなくなったり、解ける問題を何度も解くことになりタイムロスになったりしないようにしましょう。

過去に解いた問題を忘れてしまっている

市進学院にはクラス数が少ないため、同じクラスの生徒であっても学力に大きな差があります。そのため本来は力があるお子さまでも、今のクラスに甘んじてしまうと実力を十分に伸ばせず、結果、クラス落ちという事態に陥る可能性もあります。市進学院でクラスをキープするためには、定例試験で確実に点数を取ることが大前提ですが、そのために過去の問題を解き直してみることもお薦めです。記憶を定着させるには、初めて勉強した時から2~3ヶ月後に復習することが推奨されているので、さかのぼって勉強してみてはいかがでしょう。スランプに陥ったときには1年前のプリントから解き直してみることが、とても効果的と言われています。

市進学院でクラスアップを目指すためには

定例試験の成績を上げてキープする

市進学院でクラスを下げないためには、とにかく定例試験の成績を上げてキープすることが大切です。一度だけ基準を超えても、それを持続する力がまだ備わっていないと判断されれば、アップは見送りとなります。成績が上がり、クラスアップのチャンスをつかんだと思ったら、その次のテストこそ全力で臨むようにしましょう。お子さまの性格や志望校、受験への前向きな姿勢なども考慮されますが、成績が一定レベルに達しない限り、クラスアップはありえません。定例試験は年に8回行われ、そのうち3回は春、夏、冬の講習後に実施されます。それぞれ「〇〇講習実力試験」という名前がついていて、試験の日程と出題範囲は前もって学習日程カレンダーに記載されているので、計画を立ててしっかりと対策しましょう。

応用クラスへ上がるには授業プリントの理解徹底を

市進学院で標準クラスから応用クラスへクラスアップするためには、メイン教材の授業プリントをきちんと理解することが必要です。この授業プリントをきちんと理解できていれば、各科目の基本はほぼ完ぺきに身につけられます。標準クラスの宿題ではホームタスクも出されますが、まずは授業プリントを理解することが優先です。闇雲にこなすだけの勉強では、期待する成果を出せません。成績を上げるために何が必要で何が必要でないか、優先順位や取捨選択を保護者様が的確に行うことが大切です。

個別指導塾に頼る

集団学習塾に通うお子さまが、思うような成績を出せずに伸び悩んでいるご家庭は、個別指導塾を検討してみてはいかがでしょうか。お子さまのサポートに奮闘される保護者様も多くいらっしゃいますが、成績を上げる勉強法やカリキュラムについて詳しい人に個別に見てもらうのもお薦めです。前述のとおり、出された宿題を闇雲にこなしていくだけでは成績アップにはつながるとは限りません。今のお子さまにとって必要なのは何かを、的確に見抜くことで、合格への糸口が見つけられます。不足分は、家庭学習や個別指導で補う必要があります。

まとめ

市進学院でのクラス分けや、クラスアップについてまとめしました。市進学院は他の塾に比べて塾での拘束時間が短く、その分、家庭学習の時間が多く必要になります。家庭での学習習慣がしっかりついているお子さまにとっては、バランスの取れた学習スタイルを固められるのですが、身についていないお子さまにとっては継続した学習の難易度が少々高くなっています。

勉強を自分で進めることや、家庭での学習に不安がある方は、より一人ひとりに合わせた学習を提案してくれる個別指導塾という選択肢を視野に入れてみるのも良いでしょう。

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