2025/02/03
2025/04/02

総合型選抜(AO入試)の面接とは?面接の模範解答例や塾の選び方も徹底網羅

総合型選抜はユニークな評価による受験でありメリットが多い反面、一般的な入試とは異なる部分が多く不安を感じている方も少なくありません。本記事では、総合型選抜の面接で求められるポイントや質問の模範解答例、対策の方法、そして塾選びのコツなども網羅して解説します。この記事を通して、合格を掴むための準備を始めてみてください。

総合型選抜(AO入試)の面接とは

総合型選抜の面接試験で求められるものは実は非常にシンプルです。端的に言えば、大学側が見極めたいことは「アドミッションポリシーを理解しているか?」「本学が求める人物像に合致しているか?」ということであり、具体的には以下のような内容が判断ポイントとなります。

  • どのような将来のビジョンを描いているのか?
  • 将来のビジョンを叶えたい強い情熱の有無
  • その実現のために学びたいことが明確か?
  • 学びたい意欲が強いか?
  • 大学の理念や志望の学部学科について理解しているか?
  • これまでの人生で培った資質、リソースがあるか?
  • 学力試験では測れない人間性の把握

大学側が求めている学生像にどれだけ適しているかを評価するため、上記の内容を軸に、各学校が独自に準備した判定基準に沿って行われます。

選抜の中で面接の位置づけは?

面接は、総合型選抜の入試において、書類審査や小論文と並び非常に重要です。受験生からすれば、志望校への思いを直接伝えられる貴重な機会であると共に、大学側からすれば、受験生の本質を深く理解するための貴重な手段となり、選抜において非常に重要な役割を果たします。

面接の結果が合否に大きく影響することも多いと言われ、選考の最終段階での重要な判断材料の一つとなります。書類審査や小論文での評価を面接によって最終チェックし、受験生の人間性を改めて確かめる機会として捉えている大学もあります。

受験生自身の興味や明確の将来の目標、その実現への熱意や意志、入学後に大きな成長に繋げていける見込みを、具体的に表現できるか否かが重要なポイントとなってきます。

総合型選抜(AO入試)の面接で聞かれること

大学側が求めるのは「アドミッションポリシーを理解しているか?」「本学が求める人物像に合致しているか?」ということであり、具体的には以下のような内容が質問されます。

  • 志望した理由
  • 入学後にどんな活動をしたいのか?
  • 併願している大学があるか?
  • オープンキャンパスに参加したことがあるか?
  • 受験生自身の長所や短所
  • 高校時代の想い出
  • 高校生活で情熱を持って取り組んだことはあるか?
  • 卒業後のビジョンや達成したい目標など
  • そのビジョンを描くに至った理由
  • 気になった時事ニュースや出来事
  • アドミッションポリシーの理解が問われる質問
  • 入学後に学びたい内容に関する書籍を読んだか?

志望校のアドミッションポリシーをよく理解し、関連すると思われるような派生内容についても自発的に準備しておくと、安心して本番を迎えることができるでしょう。

総合型選抜(AO入試)の模範解答例

総合型選抜の面接は、多くの受験生が本番で緊張してしまったり不安を感じたりします。自分自身をしっかりアピールし切るためにも、面接でのやり取りの準備は万全に対策しておきましょう。ここでは、面接でよく聞かれる質問の模範解答例を紹介していきます。必要な要素を確認するために参考にしてください。

志望した理由

貴学の法学部は、多数の著名な法律家を輩出していることに加え、私が専門したいと検討している国際法領域の〇〇教授の講義に強い興味を持っていることが大きな理由です。

入学後にどんな活動をしたいのか?

海外での就職を目標としてさまざまな取り組みにチャレンジしていきたいです。積極的に学内の外国人留学生との交流を図り、夏休みを利用して語学留学にも行きたいと考えています。できれば在学中に現地での短期就業体験まで実施したいと考えており、海外の文化や外国人との交流とはどういうものなのかを肌で感じたいです。

オープンキャンパスに参加したことがあるか?

今年のはじめにオープンキャンパスに参加し、〇〇教授の研究発表を拝聴しました。発表での活発な質疑応答や、参加者同士が意見を交わしながら課題を考える姿勢に強く刺激を受け、私もこうした雰囲気で成長したいと感じました。

高校生活で情熱を持って取り組んだことはあるか?

ギターアンサンブル部での音楽活動です。新たに新設された部で、活動をもっと知ってもらおうと奮闘しました。毎年の文化祭では必ずミニライブを行い、それ以外にも定例の音楽イベントを開催しました。そうすることで、3年時には多くの生徒から認知されるようになり、部員の仲間ともとても良い関係が築くことができました。情熱を持って取り組むことの大切さを実感した3年間でした。

卒業後のビジョンや達成したい目標など

貴学で法律を専門的に学んだ後は、弁護士になるために更に勉学に励み、晴れて弁護士の資格を得た後には、国際的な企業間取引に関わる仕事に就きたいと考えています。これまで培ってきた国際的な経験をベースに、日本と外国の企業がよりスムーズに取引できるよう役に立ちたいと思っています。

アドミッションポリシーをどう理解していますか?

貴学のアドミッションポリシーは、「国際的な視野に立ちつつ、変革の激しい社会で新たなビジョンを切り拓く学生を求める」というものだと理解しています。私は小学生の時から海外で生活しており、複数の外国語を習得し、様々な文化を持つ外国人と数多く交流することで、お互いの文化を理解し合うことの重要性を知りました。貴学のポリシーに深く共感しており、変革の激しい社会を国際的な視野で切り開く現実的な知識をさらに追求していきたいと考えています。

併願している大学があるか?

現時点では、貴学が進学先の候補です。ただ、他大学の総合型選抜にも申し込んでおり、まだ選考結果が出ていません。もし他大学からも合格をいただけた場合は、じっくりと自分に合う環境を検討したいと考えています。貴学のユニークな教育環境に大きな関心を寄せているので、学びの場として非常に魅力を感じています。

総合型選抜(AO入試)の面接の対策

対策のパターン

ここまで総合型選抜の面接について解説してきましたが、限りある時間を有効利用し、効果的な対策を行うためにはいくつかのパターンがあります。

  1. 自己分析と志望動機を整理する
  2. 志望理由書や小論文の内容をさらに掘り下げる
  3. 上記2つを整えた上で模擬面接を実施する

項目に分けてパターンの流れを解説します。

1. 自己分析と志望動機の整理を実施する

総合型選抜での面接は、志望校が求める人物像に自分が合致していることをアピールする場です。自己分析は、自分の強みや価値観、経験を振り返ることができる重要なプロセスであり、自己分析をしっかりしておくことで、学校側に、より的確に自分自身のことを伝えやすくなります。

同じく、志望動機が的確に伝わることも総合型選抜での面接において重要な要素です。志望動機の整理をしておくことで、その大学をなぜ志望するのかが自分自身でも明確になります。

2. 志望理由書や小論文の内容の更なる掘り下げを実施する

総合型選抜では、志望理由書、小論文、そして面接の3要素が重要であり、相互に関連させるべきであるとも言えます。志望理由書や小論文と違う内容を面接で答えるようなことがあると、一貫性に欠け、信頼性を損なう可能性があります。こうした不一致を防ぐには、志望理由書や小論文の内容をさらに掘り下げ、理解を確固たるものにしておくことが大切です。

掘り下げることで、自身の考えをより発展させ、面接で一歩踏み込んだ回答ができるようになります。例えば、志望理由書で「国際間の企業取引の法律問題」をテーマにしている場合、それを「国際取引における法的リスク対策」や「各国の法律の違いによる留意点」などへ発展させ、面接でさらに深い知識や考えを示すことが可能です。

3. 上記2つを整えた上で模擬面接を実施していく

上記2つの対策について一通り整えたら、実際の面接を想定して模擬面接を実践していきます。自己分析と志望動機の整理、小論文の深堀りを基礎的な準備として捉え、模擬面接で実践的な練習を積むやり方を採用することで、本番の面接に向けて万全の対策を行うことができます。

対策のための塾の選び方

総合型選抜の面接対策にフォーカスする形で塾の選び方を見ていきましょう。

面接指導の実績と専門性

総合型選抜の面接対策に豊富な経験と実績を持つ塾を選ぶことが大切です。面接対策に特化したカリキュラムがあるかを確認しましょう。

志望校に合わせたオーダーメイド指導

志望校の求める人物像に合致するように、一人ひとりに合わせて各受験生の強みを引き出せるようなサポートが提供されている塾を選ぶべきです。担当の講師が受験生一人ひとりを深く理解した上で、最適な戦略を立てるスタンスがあるかを確認しましょう。

実践的な模擬面接の回数と質

実践的な模擬面接の機会が豊富にあるかもしっかり確認しましょう。月間の実施回数、1回あたりの面接時間、本番を想定した時間配分などを考慮した模擬面接が提供されることも大切です。個人面接、集団面接、グループディスカッションなど、志望校が採用している形式での面接練習が行えるかの確認も不可欠です。面接後の詳細なフィードバックが丁寧に行われているかどうかもチェックしてください。

録画や録音を用いたサポート

録画や録音を用いたサポートにより、受験生自身が、表情や声の調子、姿勢などを客観的に把握することができます。自分自身が受け答えしている様子を客観的に見られることで自信の向上にもつながり、また逆に、講師からフィードバックされた改善点をより鮮明に意識するきっかけにもなります。

質問パターンやトレンドに基づいた指導

総合型選抜は毎年進化しています。当然、面接においても、年度ごとに新たな質問パターンや今までなかった変化が現れることがあります。最新の動向に基づいた新たなトレンドに対応するサポートが実施されているかどうかは極めて重要です。

大学に合わせた対策が重要

総合型選抜はアドミッションポリシーを理解し、各大学が求める人物像に合致していることが強く求められます。大学ごとにアドミッションポリシーが異なる以上、志望校に特化した準備が必要になります。例えば、高校生活での思い出や情熱を傾けて取り組んだことなどは、どの学校の面接でも共有することができますが、その大学の志望理由、将来のビジョンを見据えて入学後に取り組みたいことなどは、アドミッションポリシーを踏まえた回答の方が、より好印象をアピールすることにつながります。

まとめ

総合型選抜(AO入試)の面接対策は、志望校ごとのアドミッションポリシーや面接の特性を理解することが何より大切です。その上で、受験生一人ひとりが、自分の強みや志望動機をいかに明確に伝えられるかがカギとなります。自己分析、模擬面接、そして、志望理由書や小論文の掘り下げといった準備こそが、合格の可能性を押し上げる要因となります。対策のポイントを抑えた塾を選び、効果的に活用し、万全の体制で本番に臨み、合格を勝ち取っていきましょう。

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