お子さまを栄光ゼミナールに入塾させていると、クラス落ちの話を聞くようになります。
お子さまから「クラス落ちしそう」と聞いて途方にくれている方や、ご友人からクラス落ちの噂を聞いて不安を感じている方もいらっしゃると思います。
この記事では、栄光ゼミナールのクラス編成の仕組みやクラス落ちの要因、そして対策法をまとめています。
クラス落ちとは?栄光ゼミナールの授業編成の仕組み
そもそも栄光ゼミナールの授業がどのように編成されているかわからないと、クラス落ちの何が問題なのかはっきりしないですよね。
ここでは栄光ゼミナールのクラス編成の仕組みを解説した上で、クラスの上下にともなうメリット・デメリットをまとめています。
栄光ゼミナールのクラス編成とは
栄光ゼミナールでは、私立・国立の中学受験生向けに「難関私国立中入試対策コース」と「私国立中入試対策コース」という名称で、2つのコースを設定しています。
両コースとも同じテキスト『新演習』を使用していますが、授業中に扱う問題の難易度や解説のスピードには大きな違いがあります。難関コースは「基礎は理解できている」という前提のもと、難易度の高い問題に取り組むコースです。
そのため、国立や御三家、早慶附属といった偏差値65以上の難関中学を目指す生徒が在籍しています。
一方で、私国立コースは、中堅校を目指す生徒のために、基礎的な問題を丁寧にじっくりと解説する授業が行われています。つまり、栄光ゼミナールで中学受験をする際は、在籍するコースによって目指す学校のレベルが異なると言えるでしょう。
さらに、生徒数が多い人気の教室では、コースの中でレベル別にクラスが分かれています。クラスが落ちるほど、より問題が平易で解説に時間をかけるようになるため、必然的に受験校の偏差値も低下する傾向にあります。
アタックテストの結果が重要。コース・クラス分けの基準とは
栄光ゼミナールのコースとクラスはレベル別で編成されていますが、判断基準として最も考慮されているのが、アタックテストの結果です。
アタックテストとは、年間約10回(5週間に1度)実施されている復習テストです。このテストで複数回良い点を取るとクラスが上がり、逆に複数回悪い点を取るとクラス落ちをしてしまいます。
ポイントは「複数回で判断」という点で、栄光ゼミナールでは、毎回のテストでクラスが上下するわけではなく、一定期間しっかりと成績を見てクラスを決定しています。また、クラス分けはアタックテストの結果の他に、お子さまの授業中の様子や宿題の進捗、志望校なども考慮されます。
さらに、明確な基準点や判断するテストの回数も決まっておらず、教室長の判断が重要となっています。このため、お子さまのクラス落ちが打診されている場合は、単発で悪い点を取ってしまったわけではなく、「明らかに成績が低下しており、授業についていけない」と教室長に判断されていると言えるでしょう。
コースとクラスが上がるとどうなる、下がるとどうなる
実際にコースやクラスが上下すると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
コース・クラスが上がるメリット
まず、コース・クラスが上がると、解説のスピードが上がり難しい問題に積極的に挑戦できるようになるため、難関校受験に必要な応用力がつくようになります。また、上位になればなるほど講師や同級生の意識も上がるため、勉強に対するモチベーションが高くなります。
これらのメリットは通常の授業はもちろん、長期休みや週末に行われるゼミで顕著になります。とりわけ、地域の拠点校のみで受けられる「最難関選抜ゼミ」や「難関選抜ゼミ」は、各校舎から選りすぐりの生徒と講師が集まって実施される特別な講座です。普段接点がないレベルの高いライバルたちと切磋琢磨することができます。
コース・クラスが下がるデメリット
一方で、コース・クラスが下がってしまうと、進度が遅くなります。また、基本問題の解説に時間を要するため、応用演習にかける時間が少なくなります。
さらに、クラスが下がると、どうしても勉強への意欲が低い生徒が増えてしまうため、受験に対するモチベーションを保つことがやや難しくなる可能性もあります。
つまり、クラス落ちをすると、基本を丁寧に学べる分、難しい内容から遠ざかってしまうため、上位クラス・コースとの差が広がり、最終的には難関校を目指せなくなる可能性があるのです。
心当たりがある場合は要注意。栄光ゼミナールでクラス落ちする要因
難関校を目指す場合、クラス落ちはできる限り避けたいものです。もしお子さまにクラス落ちの可能性がある場合は「なぜ下がってしまうのか」要因を分析することが重要です。
以下に具体例を挙げながらクラス落ちの要因をまとめていますので、お子さまに当てはまるものがある場合は、早急に対処をしていくことをおすすめします。
クラス落ちの要因① 復習していない
クラス落ちの最大の要因は「アタックテストで複数回悪い点数を取ってしまう」ということです。しかし、アタックテストの出題は授業で習った範囲に限られているため、復習をしっかりしていれば歯が立たないということはありません。
毎回授業に参加しているにもかかわらず、テストで良い成績が出ないようであれば、家庭での復習がおろそかになっていて、せっかくの授業内容が身についていない可能性があります。
具体例
- 家に帰って来たら疲れて寝てしまう
- テキストやノートを家で開かない
- 塾に行くことで満足してしまい、家庭学習をしていない
クラス落ちの要因② 勉強の仕方が間違っている
授業に出席して家庭学習もきちんと行っているにもかかわらず成績に結びつかない場合は、勉強の仕方が間違っているかもしれません。
お子さまに合っていない勉強法をしていると、いくら時間をかけても知識が身につかないため、「毎日しっかりと勉強時間を設定しているのに、なぜか点数が悪い」という状況に陥ってしまいます。
具体例
- 宿題を終えることに一生懸命になっている
- わからない問題や間違った問題は、答えを写している
- テキストを丸暗記しているため、テキスト以外の問題になるとできなくなる
- 得意な科目ばかり勉強しており、苦手な科目で悪い点数を取り続けている
クラス落ちの要因③ テストがプレッシャーになっている
小学生のお子さまは、テスト時間の精神状態が結果に大きな影響を与えてしまうことも多いです。
成績が伸び悩むと「また悪い成績だったらどうしよう」と緊張してしまい、できる問題もできなくなってしまうことがあります。
具体例
- テストを受けたくないと言っている
- テストが終わるたびに「できなかった」と泣いている
- 家で解いている時は正解できるのに、テストになるとわからなくなる
クラス落ちの要因④ 授業をしっかりと聞いていない
クラスを決める際に最も考慮されるのはアタックテストの結果ですが、同時に授業態度も判断基準になっています。とくに、栄光ゼミナールは少人数制でアットホームな雰囲気のため、「塾に行くと友達に会えて楽しい」というお子さまも多いかと思います。
以下に挙げた例に心当たりがある場合は、校舎の先生と面談をして、お子さまの授業態度をヒアリングしてみてください。
具体例
- 塾にゲームやマンガを持って行きたがる
- ノートに板書を写していない
- 塾で友だちと話したことばかり報告してきて、何を習ったのか答えられない
クラス落ちを回避。栄光ゼミナールで成績を上げるための方法
クラス落ちの要因は様々ですが、大切なことは「早急に対処する」ということです。対処が遅くなってしまうと、周囲と差がついて苦手意識が強くなり、成績を取り戻すことが困難になってしまいます。
ここではクラス落ちを回避するための対処法を紹介します。
アタックテストで安定した成績を出せるようにする
アタックテストは授業で習った範囲に出題が限られているため、復習をしっかりすれば、好成績を出せる仕組みになっています。テスト対策の基本は、テキスト『新演習』の問題や、授業や宿題で使用している『マイノート』の内容を繰り返し解きなおすことです。
ただし、テスト直前に一夜漬けのように勉強しても、消化不良を起こすだけです。復習は、授業で学んだその日のうち、遅くても翌日までに行うようにしましょう。
保護者様ができること
- 家に帰って来たらテキストとノートをカバンから出して、復習をするように声掛けをする
- 復習し終わったら、問題を出して定着しているか確認をする
- 間違った勉強法になっていないか注視する
学習計画表どおりに勉強をする
テストで安定して好成績を出すためには、毎日の学習の積み重ねが不可欠です。しかし、『新演習』や『マイノート』の復習、栄光ゼミナール生向けのアプリ「CATS@home」で配信されるリタプリの演習、漢字日記やプラクティスなどのドリル…と膨大な家庭学習を保護者様が管理することは困難です。
「家でどのように勉強習慣をつければ良いのかわからない」という方は、まず学習計画表を確認し、そのとおりに家庭学習をしてみてください。もし、それでも上手くいかない場合はお子さまに合った塾の選び直しや、個別指導塾を視野に入れると良いでしょう。
保護者様ができること
- 学習計画表を確認する
- いつどの内容をやるのか、学習計画表の内容を曜日・時間ごとに振り分ける
- 家庭学習が上手くいかない場合は、個別指導塾を検討する
苦手をなくして、科目バランスを整える
アタックテストはもちろん、中学入試は「いかに苦手を克服し、科目全体で点数を取れるか」が重要になってきます。
小学生のお子さまは苦手科目の勉強を後回しにしがちなため、どうしても科目バランスが悪くなってしまいます。そこで、苦手科目こそ時間をかけて丁寧に勉強するように、意識してみてください。
保護者様ができること
- 苦手科目も勉強するように声掛けをする
- 苦手科目を勉強したらたくさん褒める
- 可能な範囲でお子さまからの質問に答えてあげる
受験に対するモチベーションを上げる
お子さまにとって難しい勉強を毎日やり続けることは、大人が想像するよりもつらく退屈な可能性があります。どんなに声を掛けても勉強したがらなかったり、授業態度の悪化が指摘されたりしている場合は、受験に対するモチベーションが低下してしまっているかもしれません。
その場合は、オープンキャンパスに参加して「勉強すればこんな学校に行けるんだよ」と、将来の姿を目に見える形で示してあげてみてください。テストにプレッシャーを感じて神経質になっている場合は、お子さまの得意科目を活かして自由研究やコンクール参加をして、成功体験や達成感を得させるのも有効です。
保護者様ができること
- オープンキャンパスに連れていく
- 自由研究やコンクールなどのサポートをする
個別指導塾を取り入れる
保護者様だけで毎日の学習管理やお子さまの質問対応をすることは、負担が大きいですよね。少しでもお子さまの受験が保護者様の重荷になっているようであれば、個別指導塾を頼るのも一案です。
個別指導塾は学習指導のプロ集団なので、責任をもってお子さまのクラスが上がるまで学習のサポートをしてくれます。
個別指導塾に相談すると良い例
- 計画どおりに勉強しているのに、なぜか成績が上がらない
- 習い事を掛け持ちしていて校舎の指示どおりの宿題ができない
- お子さまがたくさん質問してきて、夜や土日の時間が潰れる
- お子さまの成績が伸びないことにイライラしてしまう
正しい学習習慣をつければ、栄光ゼミナールのクラス落ちは対策できる
栄光ゼミナールの授業はレベル別に編成されているため、コースやクラスが上であればあるほど難関校受験に有利になります。もしクラス落ちをしそうな場合は、原因を突き止めて早急に対処をしないと、上のクラスと差が付き、受験に間に合わなくなる可能性があります。
「しっかり勉強をしているはずなのになぜか成績が伸びない」などのお悩みがある場合は、個別指導塾を利用するのも選択肢の一つです。保護者様だけで抱え込まず、お子さまとポジティブに受験ができるように、様々な選択肢を意識してみてください。