同志社大学 神学部のアドミッションポリシー
神学部は、人類が作り上げ蓄積してきた生きるための知恵である宗教、とりわけキリスト教、ユダヤ教、イスラーム教という3つの一神教とその世界について、文献の分析やフィールド調査などによって様々な角度から研究を行います。そうした研究をとおして、3つの一神教を、人間・言語・歴史・文化・社会の様々な側面と連関させつつ、客観的に考察するための知識と技能を身につけます。そして、それらの知識・技能に基づいて、3つの一神教に関する問題を主体的に発見し、その問題を他者と共有するとともに、学術的に解決を導くための思考力・学問的方法論・語学力などを養います。
神学部は、上記の知識・技能・思考力・表現力などを活用し、キリスト教会において、あるいは、企業人・公務員・研究者などとして、ビジネス・福祉・教育・研究・文化事業・国際貢献などの多様な分野で、国内外を問わず、主体性と協働性をもって活躍できる人材を育成することを目的としています。そのために、次のような学生を求めています。
神学部の求める学生像
知識・技能:宗教、とりわけキリスト教、ユダヤ教、イスラーム教という3つの一神教に関する諸問題を客観的に考察するための知識・技能を積極的に習得しようとする学生を求めています。そのため、地理歴史・公民、宗教、国語、英語、美術、音楽などの様々な教科の学習をとおして、あるいは、報道や普段の生活、教会活動、課外活動、ボランティア活動などをとおして、上記の3つの一神教に対する強い関心を抱くようになり、それらの宗教の思想や、それらの宗教が人間の精神や芸術、社会や文化、政治や経済などとの間に取り結んできた豊かな関係について、高等学校の教科書程度の基礎的な知識を身につけていることが望まれます。
思考力・判断力・表現力:キリスト教、ユダヤ教、イスラーム教という3つの一神教とその世界について様々な角度から学習・研究を行うためには、物事を筋道たてて考察する論理的な思考力と的確に批評する判断力を身につけ、調べたり考えたりしたことを明快に表現して他者と共有し、積極的に議論しようとする姿勢が求められます。そのため、高等学校の基礎的な数学の学習などをとおして論理的な思考方法を訓練し、国語や英語、美術や音楽などの学習をとおして建設的な批評を経験し、教会活動、課外活動、ボランティア活動などをとおして自分の考えを他者に説明して議論することを体験しておくことが望まれます。
主体性・多様性・協働性:神学部では、宗教という人間の精神や価値観の根本に関わる事柄について、学生自身が主体的に問題を発見し、自発的に学習・研究を進めていくことを重視しています。そのため、自らの精神を見つめ、人間の生きるべき道について謙虚に問い求める学生を求めています。同時に、世界には様々な宗教があり、キリスト教、ユダヤ教、イスラーム教という3つの一神教の間にも、多くの共通点とともに多くの相違点もあります。そのため、人間・言語・歴史・文化・社会の多様性を重んじ、異なるものの見方を学術的に理解し、他者と協働しながら様々な問題を究明する態度を育もうとすることが望まれます。
高等学校段階までの学習で身につけてほしいこと
英語:英語で書かれた基礎的な文献を読解でき、基本的な口語表現を用いて意思疎通ができ、自分の考えを正確に文章化することを学んでおくことが望まれます。英文法、語彙、リスニング、発音、英作文の基礎をしっかりと身につけておくことが期待されます。
3つの一神教を、人間・言語・歴史・文化・社会の様々な側面と連関させて学ぶためには、英語文献を読みこなし、フィールド調査などで諸外国の人々と交流する必要があります。ひとつの水準として、実用英語技能検定(英検)2級(あるいはTOEFL®テスト、TOEIC®LISTENING AND READINGテストなどの同等水準)程度の英語力を身につけておくことが望ましいでしょう。学んだ知識・技能を国際的な環境で活用し、分析や思考の成果を諸外国の人々と共有していくためにも、英語運用能力はますます必要となってきています。
国語(現代文):宗教に関する様々な問題を分析するためには、日本語で書かれた文献を正確に読解する力が必須です。分析の成果を的確に表現し、他者と協働していくためには、論理的な日本語を用いて自らの考えを文章化するとともに、発表・議論することも学んでおくことが望まれます。また、小説、評論、随想、古典など、読書の幅を広げておくことも期待されます。キリスト教、ユダヤ教、イスラーム教という3つの一神教には、それぞれ経典(聖典)があり、それらの経典を読み解き、豊かに理解していくことは、神学部での学びの基本であり、そのための基礎として国語力と幅広い読書経験が必要とされるからです。
さらに、3つの一神教に関する研究を主体的に深めていく知識・技能として、ヘブライ語、ギリシア語、アラビア語といった、経典で使われている様々な言語を習得することが求められます。母語としての日本語の読解力と表現力を高めておくことは、外国語の習得にも不可欠の力となります。
地理歴史・公民:キリスト教、ユダヤ教、イスラーム教は長い歴史を持つ宗教です。これら3宗教の信徒は、現在の世界人口の半分以上を占め、世界各地の歴史や社会と深く関わってきました。たとえば、日本におけるキリスト教は、戦国時代に伝来し、江戸幕府による禁教と明治政府による解禁を経て現在に至っています。ユダヤ教とイスラーム教は、中東の長く豊かな歴史に深く根ざすとともに、過激派の台頭など、現在の国際社会が直面する問題とも関連しています。
こうした3宗教に関して高度な専門的知識を学び、主体的に考察するための知的洞察力を身につけるための基礎として、高校までの学習で、日本史、世界史、あるいは、現代社会の教科書程度の知識を充分に理解しておくことが期待されます。その際、学んだ知識を相互に関連づけて、歴史や現代社会の流れをつかむように心がけてください。
数学:基本的な数学の知識と技法を学んでおくことが望まれます。これらは論理的思考力の基盤となります。3つの一神教に関する諸問題を、学術的・科学的見地から分析する思考力を身につけるためにも、高校までの数学の学習をとおして、論理的なものの考え方を学んでおくことが重要です。ある問題に対して、筋道を立てて厳密に論証していく能力は、神学部における学びにも必須だからです。さらに、3つの一神教に関して主体的に学んだ知識や分析・考察した成果を他者と共有し、様々な問題に対して他者と協働するための表現力を身につけるためにも、数学的な思考法に親しんでおくことは有用です。
入学者選抜制度
神学部では、高等学校で学習する教科の学力のほかに、宗教、とりわけキリスト教、ユダヤ教、イスラーム教という3つの一神教に対する関心、学習意欲、表現力やコミュニケーション力などを評価する多様な入学者選抜を行うことにより、多様な学生を受け入れています。本学独自の学力試験のほかに、大学入学共通テスト、書類審査、面接、小論文などを取り入れることにより、学力の3要素「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」、「主体性・多様性・協働性」について、それぞれの入試方式において重み付けを行い評価し、志願者の能力や資質などを適正かつ総合的に審査します。
一般選抜入学試験:高等学校教育を尊重し、高等学校までの学習の達成・定着度を測るとともに、神学部の教育を受けるにふさわしい能力と適性を備えたものを公正かつ妥当に選抜するために一般選抜入学試験を実施しています。入試問題の作成にあたっては、全学的に組織された科目ごとの出題委員会において長期間にわたって慎重に審議し、検討を重ね、高等学校での着実な学習努力が報われるように難問や奇問を避け、公平で偏りのない出題に留意しています。とりわけ、本入試においては、マークシート方式ではなく記述式を用いた独自の入試問題による選抜を行うことで、知識・技能のみならず出題意図を正確に理解する力や論理的思考力、正確な表現力の評価にも重点を置き、総合的に審査しています。計算力を問う出題についても同様に記述式解答方法を用いており、結論に至るプロセス等も含め、丁寧に採点しています。
大学入学共通テストを利用する入学試験:大学入学共通テストを利用する入学試験を利用することで、高等学校卒業程度の学習達成度を測り、神学部の教育を受けるために必要な学力が備わっているかを評価します。加えて、個別試験として学部独自に小論文を課し、「思考力・判断力・表現力」に重点を置きつつ「主体性・多様性・協働性」も評価し、総合的に審査します。
推薦選抜入学試験(公募制):高等学校での学習と課外活動あるいは教会活動をとおして、充分な学力と素養を身につけ、神学部で学ぶ高い意欲と積極性を持った優れた学生を受け入れるために、学校長の推薦に基づく出願書類、小論文、面接によって、「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」、「主体性・多様性・協働性」を適正かつ総合的に審査します。出願書類では、高等学校での学習内容を確実に身につけ、神学部での学習・研究の基礎として充分な「知識・技能」が備わっているかを中心的に評価します。小論文では、神学部での学習・研究に必要な「思考力・判断力・表現力」が備わっているかを中心的に評価し、面接では、神学部で何を学びたいのか、その理由は何かなどを中心に、「主体性・多様性・協働性」を重点的に評価します。
この入試方式は、次の二とおりの方を対象とします。(1)キリスト教主義の高等学校での学習や課外活動あるいはキリスト教会での活動をとおして、キリスト教もしくはユダヤ教やイスラーム教の学習・研究を志すようになった方。(2)高等学校の課外活動(文化活動もしくはスポーツ活動)で顕著な業績を残し、宗教、とりわけ3つの一神教に強い関心を抱くようになった方。
自己推薦選抜入学試験:神学部で学ぶ高い意欲と多様な背景を持つ学生を選抜するために、出願書類と口頭試問によって、「主体性・多様性・協働性」を重点的に評価しつつ、「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」などとあわせて総合的に審査します。出願書類では、神学部で学ぶ高い意欲とその背景を確認し、高等学校卒業程度の学力を持ち、神学部での学習・研究の基礎となる「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」を身につけているかを中心的に評価します。口頭試問では、神学部で学ぶ高い意欲がどのような背景に支えられ、それらが神学部での学習・研究の内容と合致しているかといった点を中心に、「主体性・多様性・協働性」を重点的に評価します。
指定校制推薦入学試験:同志社大学の建学の精神であるキリスト教主義に基づき、キリスト教主義精神の素地を身につけ、それをキリスト教あるいはユダヤ教、イスラーム教の学習・研究に活かしていこうという高い意欲を持つ学生を選抜します。また、もう一つの建学の精神である国際主義に基づき、国際的な環境での学習経験を持ち、その経験を基礎として3つの一神教の学習・研究に積極的に取り組もうとする学生を選抜します。そのため、「キリスト教主義学校の連携ネットワーク」などをとおして同志社大学が指定する高等学校またはインターナショナルスクールから志願者を募り、学校長の推薦に基づく出願書類と口頭試問によって、「主体性・多様性・協働性」に重点を置きながら、「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」とあわせて総合的に審査します。出願書類では、キリスト教主義精神の素地もしくは国際的な学習経験を背景として神学部で学ぶ高い意欲を持つことを確認し、高等学校卒業程度の学力を充分に習得していることと、神学部での学習・研究の基礎となる「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」を持っていることを中心的に評価します。口頭試問では、キリスト教主義精神の素地や国際的な学習経験を神学部での学習・研究にどのように活用していこうとしているかといった点を中心に、「主体性・多様性・協働性」を重点的に評価します。
法人内諸学校推薦入学試験:同志社大学の建学の精神を深く理解し、神学部で学ぶ高い意欲と相応しい学力を備え、学部の核となって他の学生をリードし、ひいては大学全体の活性化にも寄与できるような優れた人物を選抜することを目指します。出願書類では、一定水準の「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」が備わっているかを重点的に評価し、口頭試問では、神学部で学ぶ高い意欲と、「主体性・多様性・協働性」が備わっているかを重点的に評価することで、適正かつ総合的に審査します。
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同志社大学 神学部の基本情報
同志社大学 神学部の学生数・教員数
学部学生数 | 284人 |
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教員数 | 13人 |
- 嘱託講師数 13